具体的な活動内容
福岡市中央区大名に位置するCREATIVE ROOMは、託児スペース一体型のコワーキングスペースで、仕事と子育てを両立したい人たちが安心して働ける環境を提供しています。フリーランス、育休中の専門職、創業準備中の方など、多様な利用者を受け入れており、「家では集中できないが、こどもを預けて別の場所へ行くのは不安。そんな“はざま”にいる方々が安心して利用できる場所を目指しました」と、スタイルクリエイト株式会社の麻生社長は話します。
保育士が常駐し、同じフロア内でこどもを預けながら作業ができるため、預け先を探す手間や移動時間を省き、安心して作業に集中できる点が利用者から好評です。法人利用やサテライトオフィスとしての契約にも対応しており、創業支援イベント、キャリア相談などのサポート体制も整えています。また、利用者が気軽に交流できる場としても機能しており、孤立しがちな子育て世代の負担軽減に貢献するなど、地域における新たな居場所としての役割も担っています。
活動の背景
創業者である麻生社長は、フリーのウエディングプランナーやアパレルなど、様々な事業を経験する中で、出産後の働きにくさを痛感しました。「高い能力を持ちながらも、それを活かせる仕事に出会えない女性が多い現状を、非常に残念に思っていました。何かできることはないかと考えたんです」この想いが保育事業に参入する原動力となりました。
「私自身がシングルマザーであり、こどもを“どこかに預ける”ことへの不安を強く感じていたので、安心して預けられる場所を作りたいと考えていました」と当時を振り返ります。さらに、コロナ禍を契機に「テレワーク中の夫婦喧嘩が増えた」という声を受け、「家庭内だけでは限界がある。社会とのつながりを保つための“余白”が必要だ」と感じ、CREATIVE ROOMを立ち上げました。
参加者の声
利用する人からは、
「3時間でも集中できれば違う」
「家にいるよりもここで作業ができてリフレッシュできる」
「誰かとちょっと話すだけでほっとする」
というような声が寄せられており、単なるコワーキングスペースに留まらず、子育てとキャリアの両立に困難を感じるすべての人にとっての“居場所”となっています。
これからのこと
スタイルクリエイト株式会社は、今後の展開として、CREATIVE ROOMのような施設を増やす検討や、深刻化する保育士不足に対応するため、再教育や意識改革を含めた保育士教育も計画しています。さらに、小中学生への出前授業やインターンシップの受け入れなど、次世代に保育の魅力を伝える取り組みにも力を入れていく予定です。
麻生社長は、「こどもも親も笑顔で過ごせる環境を整え、『子育てか仕事か』ではなく『子育ても仕事も』という選択ができる社会の実現を目指します。子育てをしながら働くことが当たり前の社会づくりを通して、こどもを中心とした豊かなコミュニティ形成に貢献していきたい」と語ってくれました。
「こどもまんなか社会」に向けて
麻生社長は、「こどもが『大人になりたくない』と言うのは、大人が楽しそうに見えていないからではないか」と考えています。こどもまんなか社会の実現には、「まず大人自身が元気で、自分らしく生きる姿を示すことが大切であり、『親が笑っていなければ、こどもは未来に希望を持てない』『過度な期待やプレッシャーではなく、“楽しそうな未来”を見せたい』」と語り、性別にとらわれない多様な生き方や働き方を尊重する社会が必要だと訴えます。
最後に「私はファミリーファーストという考え方よりも、共存を目指しています。性別に関係なく、誰もが自分らしく輝ける社会が理想です」と話してくれました。
クリエイティブルームホームページ
(取材日:2025年3月12日)
具体的な活動内容
柔軟な働き方の支援
かん養生クリニックでは、こどもの年齢にかかわらず、それぞれの家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を支援しています。たとえば、中学生になっても部活動の送り迎えや、思春期のこどもと向き合う時間を持ちたいという声にも応え、短時間勤務ができる制度を整えています。
また、「急にこどもを預けられなくなった」「配偶者が体調を崩した」といった状況にも対応できるよう、子連れ出勤も可能としています。釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、みんなが気持ちよく休めるようにするためには、職員の家族もクリニックの一員として関われる場をつくることが必要」と考えています。
家族とのつながりを大切に
職場と家庭の距離を近づける取り組みとして、家族連れで参加できる慰労会や忘年会を定期的に開催してきました。今はコロナ禍もあり一時中断していますが、「環境が整えばすぐにでも再開したい」と釜院長は考えています。
また、「職員のお子様(主に学生)が社会経験を積む機会として、法人内施設でのアルバイトも受け入れ、昼食にお弁当を無料提供するなど、家族全体へも配慮してきました。現在は、該当するお子様はいませんが、対象のお子様がいれば、いつでも受け入れたいと考えています」と語ってくれました。
心に寄り添うサポート
出産した職員には、院長のご夫人からベビー服のプレゼントが贈られています。言葉にしづらい感謝や応援の気持ちを、さりげない贈り物という形で届けており、その温かい心遣いが職員の安心感につながっています。
育児休業中の職員への支援
育休中の職員には、職場の様子が分からなくなって不安にならないように、定期的に連絡をとることで、職場とのつながりを保つようにしており、復帰する3か月前くらいには、職場復帰後の希望を確認して、どんな働き方がいいのかを話し合っています。
活動の背景
精神科の外来診療で、釜院長は育児に悩む保護者たちの声に多く接してきました。「診療内科・精神科の外来をやっていると、育児に悩む保護者がたくさん来きます。その多くが、『子育てを完璧にしなきゃいけない』『ちゃんとできない自分がダメだ』と思い込んで、自分を責めている」と釜院長は振り返ります。
こうした子育て世代の悩みに寄り添ってきた釜院長は、「こどもを育てる方法はひとつじゃないし、『できる範囲で、できることをやればいい』と思えた方が、親もこどもも幸せになれる」と考えています。この思いが根源にあり、職員一人ひとりの状況に合わせた、柔軟な職場環境づくりにつながっています。
参加者の声
(産休・育休利用者)
「職場にはもちろんですが、病児保育や保育園など周りの方々にたくさん助けてもらい子育てと仕事を両立できています。こどもが大きくなったので今度は支える側として、復職するまでをサポートし、微力ですが貢献したいと思います」
「職場には妊娠前から復帰後まで丁寧にサポートしていただきました。不妊治療をしていましたが、通院できるように、人員についての相談に乗ってもらったり、出産経験のあるスタッフからアドバイスをもらったりできました。復帰時も家庭事情や、働き方の希望を聞いていただき、働きやすいよう配慮していただいています」
「こどもまんなか社会」に向けて
釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、気持ちよく休める職場にしたい。そのためには、職員の家族にもクリニックの一員として関わってもらうことが大切だと思っています」と話してくれました。
医療法人かん養生クリニックホームページ
(取材日:2025年2月13日)
具体的な活動内容
13年前に福岡市の城南区に美容室「teatro」を開業後、最初は一般美容室内にキッズスペースを設置していました。しかし、こどもの自然な動きや声に配慮が必要なことから、2年後に隣接スペースを活用し、子連れ専門の美容室「limite」をオープンしました。
工夫されているのは店舗設計です。通常の美容室では難しい、親子の直接的な視線の確保を行い、施術席に座る親が鏡の横から直接こどもの様子を確認でき、こどもも親の顔がしっかりと見える配置を実現しています。また、こどもが自由に動ける十分な広さを確保することで、保護者同士が自然に声を掛け合える、温かい雰囲気の空間になっています。
このほかにも、こども専門の美容室や、キッズスペース付き美容室など、地域ニーズに応じて特色を持たせた店舗を複数展開しています。また、初回来店時のこども1人分のカットを無料にするなど、気軽に試せる工夫も行っています。
鏡の横にある小窓からこどもの様子がわかる安心感にこだわった室内空間
活動の背景
美容室にこどもを連れて行ける環境の少なさと、親の目が届かない場所にこどもを預けることへの不安を感じる人が多いという現状から、親子で安心して過ごせる場所づくりを目指しています。「自分のことに付き合わせてしまい気が引ける、そんな感覚を持っている親御さんに来てほしい。自分の目でこどもをしっかり見守りながら、自分もきれいになりたい、そんな方に来てもらいたい」という思いで美容室をスタートしています。
最初は一般美容室内のキッズスペースからはじめましたが、「こどもって動き回るし、騒いだり泣いたりする、それを受け入れられるお客さまばかりではなくて、ゆっくりしたい人もいます。その中で、『やっぱりここは分けた方がいいな』と感じ、子連れ専門の美容室を開設しました」と代表の藤野さんは当時を振り返ります。また、女性スタッフの育休取得や復帰支援など、「女性が働き続けられる環境を整えることが大事」という考えのもと、子育てをしながら美容師として活躍できる環境も整えることで、スタッフ自身の子育ての経験を活かしながら、来店する親子に寄り添ったサービスを提供しています。
参加者の声
藤野さんは、初めて来店するお客様からは「こんな美容室があるなんて知らなかった!」「ありがたい!」という声が多く聞かれていると話します。また、子育てが終わった方からは「自分が子育て中のときにこういうお店があればよかった」という感想も寄せられています。
「こどもまんなか社会」に向けて
「親のストレスを少しでも減らせる環境をつくることが大事だと思います。親がこどもを連れて行ける場所が増えれば、もっと子育てしやすい世の中になるんじゃないかなと。最近はどこでも『こどもが騒ぐ』ことに対して厳しい目があるけれど、そこをもう少し寛容にできたらいいですね。こどもって泣くのが仕事だし、大人がそれを許容できる社会になればいいな」と藤野さんは語ってくれました。
teatro&limiteホームページ
https://teatro-f.com/
(取材日:2025年2月19日)
具体的な活動内容
ひまわり観光の両立支援の特長は、「休みたい時に気兼ねなく休める」という企業文化を基盤とした、きめ細かなサポート体制にあります。社員との日常的なコミュニケーションを大切にし、一人ひとりの状況に寄り添う姿勢が両立支援の根底にあります。
たとえば、育児休業を取得する際は、中村社長自らが制度を丁寧に説明し、休業中も同僚との情報交換を促進することで、スムーズな職場復帰をサポートしています。実際に、育休取得者が赤ちゃんを連れて職場に顔を出すなど、自然な形での職場復帰が実現しています。加えて、子育て期の社員には、短時間勤務やパート勤務への転換も可能とし、状況に応じた働き方を支援しています。
また、中学校入学前のこどもを育てる従業員には、看護休暇制度(※)を設けています。あわせて、学校行事やこどもの部活動といった子育てに関わる場面でも、安心して休暇を取得できるよう環境づくりにも力を入れています。
ひまわり観光では、「人は宝」という思いを土台に、家族との時間を大切にできる職場環境の実現を着実に進めています。
※ひまわり観光では、こどもの病気やけがの際に取得できる看護休暇制度を中学校入学前のこどもを育てる従業員を対象に設けています。
活動の背景
「すごく優秀な社員から突然『辞めたい』と言われたんです。理由を聞くと、子育てと仕事の両立が難しいと。なんとか働き続けてもらいたいと思い、制度を整えることにしました」と中村社長は振り返ります。
中村社長自身、以前勤めていた職場で、ハードワークな環境を経験しており、そのような経験を通じて感じたことについて、「その子の成長は、その瞬間にしかないものがあります。その大切な瞬間に関われるよう、極力努力したい」と語ります。
中村社長は二代目社長として、新しい時代に即した働き方を模索する中で、「会社は家族の幸せの土台であるべき」という考えに至りました。そして、育休取得のサポートはもちろん、復帰後も無理なく働ける環境整備など、地域に根差した企業として、この考えを形にしていきたいと考えています。
社員の声
(女性社員)
「育休制度について社長から直接説明を受け、安心して取得を決めることができました。休業中も同僚が連絡をくれて、職場とのつながりを感じられました。復帰後も赤ちゃんを連れて職場に顔を出せる雰囲気が、とても心強かったです」
(育休取得者)
「職場の仲間が連絡をくれたおかげで、会社とつながっている実感が持てました」
(男性社員)
「こどもの部活動の試合で看護休暇を取得しました。以前は言い出しにくい雰囲気でしたが、今は上司や同僚の理解もあり、子育てに関する休暇を取得しやすくなりました」
これからのこと
今後の展望について中村社長は、「休みたい時に気兼ねなく休める職場文化を築きたい」と語ります。特に看護休暇の活用を促進し、性別を問わず子育てと仕事を両立できる環境づくりを進め、地域に根差した企業として、従業員一人ひとりの家庭生活の充実を支援していくとのことです。
ひまわり観光ホームページ
https://himawari-bus.com/
(取材日:2025年1月8日)
具体的な活動内容
「私たちがやっているのは、ただのベビーシッターではないんです」とドゥーラシッターふくおかを立ち上げた阿部さんは話します。産前産後はもちろん、働くお母さんの支援・小学生のサポートまで、子育て支援と家事支援を組み合わせた総合的な支援を提供しており、例えば料理を作りながら母親の悩みに耳を傾けるなど、様々な支援を同時に行います。
「結局、子育てと家事って切り離せないものなんです。ベビーシッターだけで『はい、赤ちゃん見ました、じゃあさようなら』では、お母さんの負担は減らないですよね」。そうした思いから、家事支援も含めた包括的なアプローチを取り入れています。
近年では、遠方に住むご両親からのプレゼントとして支援を依頼されるケースも増えているといいます。
特に今力を入れているのがドゥーラシッターの養成です。全国から受講生を集めて養成講座を開催し、現場での実践を教える「同行サポート」も取り入れ、支援者の育成に取り組んでいます。
活動の背景
「孤独なママに手を差し伸べたい」という思いで活動を始めた阿部さんの原点には、自身の経験がありました。28歳で夫を亡くし、3人のこどもを抱えながらの仕事と子育ての中、「余裕がなくて、気づいたらこどもに厳しく当たってしまっていた」という経験から、子育て支援の道を選びました。
「今の若いお母さんたちは、悩みを相談する場所が限られているんです。近所付き合いも少なくなっているし、実家に帰っても世代間のギャップに悩んでいる人が多い」と阿部さんは指摘します。
そうした中で阿部さんは、まずファミリーサポートに登録することから活動を始め、2020年、一般社団法人産後ドゥーラが発行する産後ドゥーラの資格を取得するため東京で学び、福岡で活動したのち独立し、個人で事業を立ち上げました。しかし、「一人では何もできない、より多くの支援者が必要だ」と感じ、養成講座を立ち上げるとともに、ドゥーラシッターの実践力を養うための「同行サポート」も始めました。
こうした取り組みの根底には、「お母さんが笑顔じゃないと、こどもも笑顔になれない」という信念があります。阿部さんは、母親に寄り添い、共に成長できる支援者を増やしていくことを目指しています。
参加者の声
(利用者)
「ただベビーシッターをするだけでなく、家事も一緒にやってくれて、さらに悩みまで聞いてもらえる。気持ちが本当に楽になりました」
(スタッフ)
「お母さんが笑顔になることで、こどもも自然と笑顔になっていく。その変化を見られることが何よりも嬉しいです」
これからのこと
「『一人では何もできない』という気づきから始まった支援の輪を、さらに広げていきたい」と阿部さんは話します。ドゥーラシッターの養成講座と実践的な同行サポートを通じて、母親に寄り添える支援者を育てていくことで、より多くの家庭に笑顔を届けていきたいと考えています。
「こどもまんなか社会」に向けて
「こどものためにできることをすることと同じように、お母さんを支えることが大事なんです。母親が安心して子育てできる環境をつくることが、結果としてこどもたちの幸せにつながっていく。そんな思いで、これからも活動を続けていきたい」と話してくれました。
ドゥーラシッターふくおかホームページ
https://doulasitter.com/
https://www.instagram.com/doulasitter.fukuoka/
(取材日:2025年2月14日)
具体的な活動内容
毎月第三土曜日の16時から開催される「キッチン小春ちゃん」では、偶数月のフードパントリーと奇数月の会食イベントを展開しています。夏休みなどの長期休暇中には、地域食堂も開催しています。さらに、学びを取り入れた特別企画も実施しており、香春町青少年育成町民会議と共催した「スーパー巻き寿司大会」では、こどもたちと地域の人々が一体となって長い巻き寿司を作り上げ、会場が大いに盛り上がったそうです。
取材当日は、「親子で楽しむマナー講座」と題し、創立メンバーの竹原裕美さんを講師に迎えて特別企画が開催されました。15時30分頃、会場の香春町地域福祉センター香泉荘には、調理スタッフ10名を含む約30名のボランティアが集結し、着々と準備を進めていきました。17時近くになると、親子連れや高齢者など約70名の参加者が来場しました。
「親子で楽しむマナー講座」では、カレーライス、豚の角煮、唐揚げ、デザートのケーキを味わいながら、食事の大切さと作法を学びました。竹原講師の「今日は特別な日。みんなで楽しく食事のマナーを学びましょう」という言葉に、こどもたちは目を輝かせて聞き入っていました。会場のあちこちでは、「皿を汚さないように食べるのは難しいね」「ケーキの包み紙、上手にはがせたよ」といった温かな親子の会話が弾みます。小さなこどもたちから大人まで、真剣な表情で挑戦する姿が微笑ましく、印象的でした。参加者は、帰り際、用意されたおみやげを笑顔で受け取り、「また来たい」という声を残して会場を後にしました。
こども食堂の運営は、こどもは無料、大人は任意の寄付制の参加費と、行政からの補助金、企業からの寄付で賄われ、地域に根差した温かな取り組みとして、着実に発展を続けています。
活動の背景
社会福祉協議会に寄せられる子育ての相談の深刻さに心を痛めた中山敏幸さんと元市役所職員の丸田宏幸さんは、「地域全体で子育てを支えたい」という強い思いから、7年前、教育関係者やスクールソーシャルワーカーなど、志を同じくする約10名と共に「キッチン小春ちゃん」を立ち上げました。
世界各国を飛び回った商社マン時代の経験から、地域のつながりの大切さを痛感していた中山代表は、「人口1万人を切る香春町だからこそ、地域の絆が何より大切です。生活環境が異なっても、ここに来るこどもたち全員が楽しく過ごせる場所にしたい」と熱い思いを語ります。
こども食堂として始まったこの取り組みは、今ではこどもから高齢者まで、誰もが気軽に立ち寄れる温かな地域の居場所として、着実に根付いています。
参加者の声
(参加したこども)
「楽しかった!お腹いっぱいになった」
「おみやげがうれしい!」
(保護者)
「友達に誘われて初めて参加しました。こんな豪華な食事でびっくりしました!マナーのお話がためになりました」
「保育園からチラシをもらって、来られる時は結構来ていますね。最初はパントリーでした。こどもも楽しみにしていますし、香泉荘で開催されているから参加しやすいです」
(調理ボランティア)
「月に1~2回参加していますが、楽しいですよ!」
(中山代表)
「地域の方から“なにか手伝いたい。ボランティアをしたいけど、チャンスがないからできない。だから、こういうチャンスがあれば手伝えるから嬉しい”という声をいただきます」
これからのこと
こども食堂としての活動に加え、高齢者も含めた「地域食堂」としての展開を始めています。中山代表は、「こどもだけじゃなくて、大人も集まる場所がなにかできないかな」という地域の声に応え、すでに地域食堂を3回開催。これからは、こどもも大人も気軽に集まれる第3の居場所づくりを目指し、防災をテーマにした企画なども検討しながら、世代を超えた交流の場として、さらなる発展を計画しています。
(取材日:2025年1月15日)
具体的な活動内容
少子化が進む日本で、特に地方部では出産時の移動手段確保が課題となっています。飯塚市はこの問題に向き合い、「陣痛タクシー事業」を立ち上げました。
「陣痛タクシー事業」は住民に事前に緊急連絡先やかかりつけ医の情報を登録してもらうことから始まります。陣痛タクシーには飯塚市から無償で提供された防水シートや給水マット、消臭スプレーを完備し、万一の事態にも対応できる体制を整えています。ドライバーは妊婦体験を含む専門研修を受講し、妊婦さんの気持ちに寄り添ったきめ細かなサポートを提供できるように実践知識も得ています。
また、新生堂薬局からは陣痛時の妊婦に対する物品の収納バッグも飯塚市へ寄贈されています。協力体制の構築や登録後の連絡体制に苦心しながらも、行政とタクシー会社は連携を強化し、夜間対応も徐々に拡充するなど、着実に前進を続けています。
体験者の声
(ドライバー)
「妊婦の大切な瞬間に寄り添えることにやりがいを感じます」
(利用者)
「事前登録のおかげで安心して利用できました」
(行政担当者)
「共働き世帯や核家族が増えるなか、妊婦さんからの問い合わせも多く安心して出産・子育てができるまちを目指して子育て支援の充実を図っていきます」
これからのこと
「陣痛タクシー事業」は、地域社会における妊婦支援のモデルケースとして注目されています。飯塚市は協力事業者の拡大を目指し、より利用しやすい環境づくりを計画しています。グリーンベルトタクシーの野上社長は、「安心して出産できる社会を目指し、地域の活性化にもつなげたい」と語り、地域全体で妊婦をサポートする体制の構築に意欲を見せています。
飯塚市ホームページ 陣痛タクシー事業
https://www.city.iizuka.lg.jp/boshihoken/jintsutaxi.html
(取材日:2024年10月11日)
具体的な活動内容
毎年、10月のスポーツの日に開催される「小学生参観」は、今年15回目を迎えました。社員のこどもを対象に職場体験を行う活動です。こどもたちはお揃いのユニフォームを着用し、朝礼から1日をスタートします。親の働く職場を見学するだけでなく、6年生には卒業式を行うなど、心温まる体験や、企業活動に関連した創作活動を体験できるようにしています。
今回は、グループ会社の農園看板制作などを行ったり、みんなでお弁当を食べたりしながら、こども同士の交流も図ります。活動後は参加したこどもたちの感想や写真を掲載した「小学生新聞」を作成し、参加した家族や社内で共有し、こどもと親が一緒に過ごす良き思い出の一日を記録として残すことができています。
また、従業員の平均年齢39歳という大坪GSIは、子育て真っ最中の社員が多くいることから、経済的な子育て支援制度にも取り組んでいます。それは、15歳まで(中学生)のこども1人につき月額3,000円の支援金と決算期に12万円の特別支援金を支給するというものです。
さらに、子連れ出勤の支援として、保育園に入れない時や、急な用事で預け先がない時、会社の空きスペースをこどもが遊べるスペースとして活用するなど、『企業ができることは企業がやる』という考えのもと、子育て世代が働きやすい環境づくりに積極的に取り組んでおり、グループ4社全体に広がっています。
活動の背景
大坪社長は、「実は最初は、ビジネスライクな発想からでした」と振り返ります。15年前に人材不足対策として会社主導で始めた小学生参観ですが、こどもたちの反応を通じて、その意味は大きく変わりました。今では社員で構成するプロジェクトチームができ、自主的に企画を練るまでに成長しています。
さらに大坪社長は、「休日にのんびりしている親の姿しか知らないこどもたちに、汗を流して働く姿を見せたい。こどもたちに親の仕事の真の姿を知ってほしい」と考えています。建設業は若い世代から敬遠されがちな業界。この取り組みの根底には、「都会に憧れる若者に、将来『親の会社、大坪GSIを思い出してほしい』」という思いがあります。
「子育てにやさしい会社づくりは、制度を待つのではなく、企業が率先して取り組むべき」と強調します。「ここならこどもを産み育てられる」と思える環境づくりが経営哲学と考えています。
参加者の声
(2歳から参加している女児の母親(社員))
「『今度の小学生参観、絶対行く!』と毎回心待ちにしています。社員の皆さんとも顔なじみになり、まるで大家族のよう。こどもにとって、かけがえのない経験になっています」
(参加したこども)
「コースターを作ったのが楽しかったです。看板の色塗りも楽しかったです」
「みんなで遊んだり、えびやさつまいもを見に行ったりして楽しかったです。いろいろな人と友だちになれて、うれしかったです」
これからのこと
大坪GSIでは、夏休みに地域のこどもたちを対象とした「子ども土サミット」を開催し、陶芸体験や工場見学を通じて、土と触れ合う喜びを伝えています。これまで、福岡で2回開催し、来年からは九州全域での展開を計画中です。各地の同業者と連携し、より多くのこどもたちに体験の機会を提供できるよう進めていく予定とのことです。
「こどもまんなか社会」に向けて
大坪社長は「企業の自助努力が不可欠です。こどもに希望を与え、働く親が安心して子育てできる環境づくりが重要。企業が率先して子育て支援に取り組むことで、こどもまんなか社会の実現につながるのでは」と話してくれました。
大坪GSI株式会社ホームページ
https://www.ogsic.jp/
(取材日:2025年1月23日)
取り組みの概要
2024年度も、夏休みにこどもたちが親の職場を訪問し仕事を参観しました。その成果発表の場として、作文・写真の公募が行われ、作文部門には788通の応募がありました。第一次審査では、教員を目指す中村学園大学教育学部の学生が作文を読み、分析して、24組の親子を最終審査の発表者に選びました。最終審査では、中村学園大学の学生が司会進行を担当。緊張の中、各学年3名ずつがステージに登壇し、ひとり3分のプレゼンテーションタイムの中で、仕事参観の感想や気づき、自分の将来について発表しました。最終審査で、グランプリ、準グランプリ、第3位が選ばれたほか、審査員特別賞など様々な賞が作文部門24組と写真部門2組の合計26組の親子に贈呈されました。
活動の背景
現代では、働く意思がなく勤労していない若者や若年層の離職が増加しており、その背景には、学校教育や家庭教育だけでは働く意味や大切さを十分に学ぶことができていない状況があるのではないかとの課題認識から、このプロジェクトでは、家庭の基盤を支える親の仕事を間近で見ることを通して、社会や家庭の役割を理解するきっかけを与えることを目指しています。
さらに、参加企業・団体にとっても、こどもたちの訪問を受け入れることで、社内環境の改善や教育CSRの推進に繋がる意義深い取り組みとなっています。
参加者の声
(主催者)
「回を重ねるごとに、仕事の体験や仕事の価値観について語った優秀な作品が寄せられていることに感動するとともに、選考に苦慮するという嬉しい喜びを感じています」
(参加したこどもたち)
「家にいるときのお父さん・お母さんの姿と違う」
「カッコイイ!!」
「こんなに人の役に立つことをしている」
「職場でリーダーシップを発揮しているところに感動した」
「感謝の気持ちが芽生えた。親にありがとうの言葉を伝えたい」
など、こどもならではの気づきや視点が、親子の絆を深めています。
(参加企業・団体)
「こどもが1日来ることで、こども用の名刺を準備し、社長・会長室で名刺交換したり、会議に出席させたり、現場へ連れて行ったりと、さまざまな工夫をしているところが多く、社内の雰囲気も和やかになり、整理整頓も進み、教育CSRとしてとらえています」という声が多く上がっています。
これからのこと
「15年間実施を続けていますが、もっと多くの参加企業や団体が増えてほしいです。佐賀県まで実施企業が増えていますが、九州中、ひいては日本中に、この親子良し、企業・団体良し、社会良しの三方良しのプロジェクトが広がってほしいという希望を持っています」と、みらいプロジェクト実行委員会の会長である学校法人中村学園理事長学園長の中村紘右さんは語ってくれました。
みらいプロジェクト「こどもお仕事参観デー」ホームページ
https://miraiproject.fukuoka.jp/
(取材日:2024年11月23日)
具体的な活動内容
「こども食堂みずほまち」は、2016年8月に設立され、福岡県下でも初期から活動している先駆的なこども食堂の一つです。このこども食堂は、西松建設の独身寮の、リビングと厨房を活動の拠点とし、毎月第二土曜日、月に1回、地域のこどもたちや家族に、毎回工夫を凝らした温かい食事と安心して過ごせる居場所を提供しています。
活動は、認定 NPO 法人チャイルドケアセンターと西松建設の社員を含む約20 名のボランティアにより、安定した運営ができています。
ふくおか筑紫フードバンクや地域の農家から届く野菜や米などの新鮮な食材を、ボランティアスタッフが賞味期限ごとに仕分け、西松建設から寄贈された冷蔵・冷凍設備や食材保管設備で適切に管理することで、食品ロス削減にも貢献しています。
取材当日は、料理が得意な地域の方々が朝9 時前から準備を始め、こどもたちのために心を込めた「三色丼」と「お吸い物」「コロッケ」を振る舞いました。
食事のあとは、こどもたちが高校生ボランティアと、ゲーム対戦や工作、塗り絵、絵本の読み聞かせなどを楽しみます。こどもたちのリクエストに応えて思いっきり遊び、世代を超えた交流の中で、こどももおとなも笑顔あふれる時間を過ごしていました。
活動の背景
「こども食堂みずほまち」の代表である大谷さん(認定NPO 法人チャイルドケアセンター代表理事)がこども食堂を始めたきっかけは、教育現場で目の当たりにしたこどもの貧困と孤独でした。「こどもの格差は深刻な社会問題」という強い思いに駆られ決断します。それが20 年前。まだ「こども食堂」という概念がなかった頃、大谷さんは地域の公民館を借りて、週1 回の無料食堂を立ち上げました。当初は小さな規模からのスタートでしたが、地元農家や有志の協力を得て、栄養バランスの取れた温かな食事を提供することができました。
活動を続ける中で、「困難な家庭のこどもだけの場所では意味がない。誰もが気軽に集えるこども食堂を作りたい」と地域全体がこどもたちを見守り、支える共生の場を目指すようになります。
そんな思いを知った、当時、西松建設九州支社副支社長だった松川さんが心を動かされて、会社に掛け合います。そして活動拠点となる寮や冷凍庫、食材保管庫の提供、そして電気代の支援を行い、今のこども食堂が実現しました。
参加者の声
(高校生ボランティア)
「小さな子と遊ぶのが楽しい」
(参加したこども)
「お兄ちゃんと対戦ゲームができて嬉しい」
(保護者)
「こどもも居心地が良いようで、食事した後もずっと遊んでいます。助かっています」
(「こども食堂みずほまち」代表 大谷さん)
「こども食堂には、こどもたちにとって当たり前に保障されるべき豊かなこども時代の姿があります。そして、こども食堂がその豊かなこどもの『居場所』として機能していることを感じています。地域や企業の皆さまのご協力のおかげで、8年間という長い間、活動を続けることができました。本当に感謝しています」
(西松建設の松川さん)
「CSR 活動を大切に、地域のこどもたちの未来を直接支えられることに参加するボランティアも喜んでいます。こどもたちの笑顔が私たちの活動の原動力です」
これからのこと
大谷さんは、「こども食堂は、単に食事を提供する場ではなく、こどもたちが安心して過ごせる『居場所』でありたいと考えています。これからもこどもたちの声をしっかりと取り入れ、彼らが主体的に関われる場づくりを目指していきます。また、西松建設様をはじめ、応援してくださる企業や団体・個人の皆さま、そして地域全体と支え合いながら、持続可能な居場所づくりに取り組んでいきたいと思います」と話してくれました。
「こどもまんなか社会」に向けて
大谷さんは、「こどもたちが自由に意見を述べられる場をつくり、地域全体でその成長をあたたかく見守り、支え合えるような居場所を守っていきたい」と語っています。
認定NPO法人チャイルドケアセンター
ホームページ
http://npo-ccc.net/
インスタグラム
https://www.instagram.com/child.care.center1
(取材日:2024年11月16日)