福岡県こどもまんなかポータルサイト

「ホンモノ体験」+「言葉の活動」がこどもたちの『未来を切り開くチカラ』を育てる

具体的な活動内容

こどもたちが自ら「知る」「触れる」「学ぶ」ことを楽しめる場を届けることを目指し、各分野のプロから直接学び本物の体験ができるプログラム「きらめきスタジオ」と、言葉を通して書くこと・話すことが好きになる「言葉のチカラプロジェクト」に取り組んでいます。

「きらめきスタジオ」
4歳から中学生までを対象に、普段体験する機会が少ない多彩な体験プログラムを提供しています。音楽、アート、スポーツ、伝統文化などそれぞれの分野のプロフェッショナルが講師となり、こどもたちの「好き」や「やってみたい」という好奇心を刺激します。現在まで、12,000人以上のこどもたちが体験しています。

「言葉のチカラプロジェクト」
10歳から中学生までを対象とした、書くチカラ・話すチカラを磨くプロジェクト、
 ①言葉のチカラ教室(基礎)
 ②キッズリポーター養成講座(応用)
 ③フリーペーパー「キッズプレス」の取材・撮影・執筆(実践) 
 の3ステップを実施しています。
プロのライターやアナウンサーから記事の作成やインタビューの方法を学び、こども自身が記者として地元の企業経営者や伝統工芸を取材・撮影を行った内容を記事にします。こどもの文章に可能な限り大人が介入しないことで、自分の言葉で表現する喜びと自信を育んでいます。また、地域との関わりを深めることで郷土愛を育てています。

活動の背景

活動の原点は、代表理事・大木聡美さん自身の「子育て」の経験にあります。
第一子出産後、ママ友がいなかった大木さんは、地域の公民館へ足を運びました。そこで出会ったのは、「車がないから出かけられない」「話し相手がいない」と、悩みを抱える多くのお母さんたちでした。「この状況をなんとかしたい」 そう強く感じた大木さんは、映像やイベント業界で働くママ友たちに声をかけ、2009年にママサークルを立ち上げました。
近くのカフェなどで絵本の読み聞かせからスタートし、5年間活動した後、「こどもたちの体験の場を作りたい。こどもたちに好きなこと・やりたいことを見つけてほしい」という想いが芽生え、2014年に特定非営利活動法人Wing-Wingを設立し、現在に至ります。

参加者の声

「きらめきスタジオ」
(参加者/5年生)
「僕はもともと花が大好きでした。きらめきスタジオで華道を体験して、とても楽しかったので、2回も参加しました!参加した時に、お母さんと一緒に華道の先生からいろいろな話を聞き、面白かったので、体験後、華道を習い始めました」

(5年生保護者)
「こどもは花にふれることがもともと好きで、体験の中で花にふれる機会があるので、こどもがやりたいことにすごくマッチしています。自分だけで体験の準備をするのは、すごく大変ですが、体験の機会を与えてもらってとても助かっています。私が花を買って帰って『ちょっとアレンジして』というと、娘が『いいよ~』と言って、気軽にアレンジしてくれます」

「言葉のチカラプロジェクト」
(参加者/6年生)
「キッズリポーターとして、展覧会に行ったり、サッカー選手の取材に行ったりいろんな体験ができてとっても楽しいです!もともと記事を書くことが苦手でしたが、だんだん書けるようになり、キッズプレスがとても楽しいです」

(6年生保護者)
「5年生、6年生となると自由な時間が限られてくるし、思春期にも入ってくるので、私(親)以外の大人の人に話を聞く機会があると嬉しいなと思って参加しました。何かを書くということ自体には、最初そんなに乗り気ではなかったのですが、速く書けるようになって、学校でも『ノートの取り方が上手い、まとめるのが上手くなったね!』と学校の先生に褒められるそうです」

(新本菜月さん/書くチカラ講師)
「国語的な指導の前に、まずは“文章を好きになってもらうこと”“自信をつけてあげること”に主軸をおいてこどもたちと関わっています。文章を書くのが苦手な子には、まずはその子が話したことを講師が書きとめ、『どの順番で書こうか?』と一緒に考えながら進めていきます。こどもだからといって手取り足取り教えすぎず、一人ひとりに向き合うことを心がけています。

どれだけAIが発達しても、将来、進学や就職などの場面では“自分の言葉“が必要になります。今すぐ完璧に書けなくても、長い目で見て、ここでの体験を糧に将来自分の想いを表現できるようになってくれればうれしいです」

これからのこと

こどもたちが地域に見守られて育っていることを実感できるよう、こどもたちと地域をつなぐ活動、例えば、こどもたちが住む街や校区の企業、地域のこどもが知っている秘密基地のような場所へ取材に行くことを計画しています。また、福岡市以外のエリアにも活動を広げ、より多くのこどもたちの自立を育てていくことを目指しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

これからの時代をつくっていくこどもたちを中心に、安心して育てられる環境をつくりたいーー。そんな思いを、大木さんは語ります。「日々の生活や仕事に追われがちな中でも、地域、企業、行政が手を取り合っていくことが大切だと思います。こどもたちを見守りながら、成長につながる活動をこれからも続けていきたいです。」と話してくれました。

特定非営利活動法人Wing-Wingホームページ

(取材日2025年7月12日・8月20日)

「こどもの声なき声を聴く」こどもが心から安心して笑顔ですごせる居場所「たまりんば」

具体的な活動内容

食事を通じた居場所づくり
「たまりんば」は、2019年秋より、1週間に1度平日の夕方、地域の公民館で活動しており、こどもたちが一緒に食卓を囲む時間を大切にしています。活動当初は、こどもたちが自分で作るおにぎりと味噌汁でしたが、現在は、こどもたちのリクエストにも応えつつ、旬の食材や季節の行事を大切にしながら、数名のスタッフでメニューを考え、調理しています。代表の加藤典子さんは、「食事を提供すること自体が目的ではなく、一緒に過ごす時間を大切にしています」と話しています。

学習支援や体験活動
食事の提供にとどまらず、大学院生などによる学習支援や、多様な体験活動を行っていることも大きな特徴です。テスト前に勉強をしに来るこどももおり、分からないところを大学院生に確認しながら学んでいます。さらに、「うどん作り」や「そば打ち体験」、高校生バンドの卒業演奏会や影絵上映会などの体験活動を通して、こどもとおとなが自然に対等に交流しています。

「たまりんば」では、中学生以上のこどもの参加が多いのも特徴です。加藤さんは、「この年齢のこどもたちは、おとなや社会に対する不信感や拒否感をもっていることも少なくありません。しかし、『ナナメの関係』にある大学生・大学院生や利害関係のない第三者など、多様な人と接することで、人と関わる楽しさや喜びを感じ、生きる意欲や将来への希望を見出していくこどももいます」と話しています。

活動の背景

この取り組みの原点は、代表の加藤さんが図書館司書として働いていた頃の経験にあります。放課後や日中に図書館を訪れるこどもたちの中には、「どうせ何やってもできんっちゃん」「生きててもなんもいいことないし」「もう、透明人間になりたい」「ぼく、生きてていいのかな」と話すこどもたちが何人もいたそうです。一人ひとりの話をきいていると、それぞれにそう思わざるを得ない状況や環境があることに気づきました。こうした経験から、行動だけで判断するのではなく、その奥にある思いや状況に目を向ける関わりが必要だと感じ、児童福祉を学び直しました。そして、家庭でも学校でもない場所として、こどもたちが安心して立ち寄れる居場所づくりに取り組むようになりました。

「たまりんば」には、こどもたちを笑顔で迎え入れ、共に楽しく過ごせる時間を大切にしようとする心あたたかなスタッフがいます。

参加者の声

(参加しているこども)
「ここに来ると落ち着いて、のびのびしていられる」
「みんな顔見知りだから安心する。ここに来るとホッとする」
「大学生のお兄さん・お姉さんが勉強を教えてくれる。わからないって言ってもいいのがうれしい」
「ごはんが、おいしい」
「家ではあんまりしゃべらないけど、ここではしゃべれる」
「そば打ち体験やものづくりを一緒にやってみたら楽しかった」

(保護者)
「家と学校以外に、安心して過ごせる場所があるのはありがたいです」
「いろんな人と関わることができて、こどもにとっていい経験になっていると思います」
「無理に話させたりしないところが、こどもに合っていると感じます」

これからのこと

持続可能で安定した活動を続ける上での運営面の課題もあります。加藤さんは、「お米や野菜、食品の提供などさまざまな方々や企業、団体からご支援ご協力をいただいていますが、助成金頼みの自主事業のため、近年の物価の高騰や参加者の増加により、食材費や消耗品、配送の課題、人件費等運営費の確保は、喫緊の課題です。安定した財源の確保に向けて行政や関係者とも協議を重ねていきたいと思っています」と話しています。

また、今後は「たまりんば」に来ることができないこどもたちや家庭を対象としたアウトリーチでの食品支援、生活支援、また「たまりんば」での学習支援にも力を入れていき、今後もできることを一つずつ積み重ねながら、続けていきたいと考えています。

「こどもまんなか社会」に向けて

加藤さんは、「こどもまんなか社会の実現には、一人ひとりすべてのこどもたちの言動だけでなく、声なき声を聴く大人の感性が重要だと思います。こどもを相対評価しない、こどもにうそをつかない、ごまかさない、というわたしたち大人の在り方が、問われていると感じています」と語っています。そして、子育て支援団体のみならず、こどもに関わる多種多様な人々が、性別や年齢、立場を超えて、対等な立場でその出会いを共に楽しみ、笑って、幸せな時間を過ごすことが不可欠だと感じています。

特定非営利活動法人 こどもパートナーズHUGっこ

(取材日:2025年12月11日)

こどもが未来へ歩き出す力を支えるステップアップ塾 ライフアゲインの挑戦

具体的な活動内容

ステップアップ塾ライフアゲインでは、小学生から中学生までのこどもが毎週土曜日に集まり、高校生や大学生が講師としてマンツーマンで学習に取り組んでいます。こどもたちの力になりたいと参加を希望してくれたボランティアの学生講師たちが、どこでつまずいているのか、どう教えれば伝わるか、こどもたち一人ひとりのペースに寄り添い、宿題や教科書学習をサポートしています。独自の「ステップアップシート」を活用し、1週間・1か月・半年単位で自分の学びを見通す力も育てています。

また、学習後には毎回温かい食事を提供し、食と学びを一体的に支えることで、誰一人とりこぼさないよう、こどもの日常を継続的に見守る仕組みをつくっています。授業後には講師同士でミーティングを行い、こどもたちのその日の様子を共有しています。

この活動は「すべてのこどもたちが大切とされ、いつでも一歩をふみだせる社会へ」というビジョンのもと、食を起点にこどもたちの安心できる暮らしと学びを支えています。

活動の背景

ステップアップ塾の根底には、原田理事長の強い問題意識があります。理事長はかつて牧師として駅前での夜回り活動を続け、虐待や薬物問題など過酷な環境に置かれたこどもたちが、社会から孤立していく現場を目の当たりにしてきました。

そうした社会の課題に直面する中、食品ロスの現場で「捨てられる食品」と「社会から排除される人」の姿が重なって見えたことをきっかけに、食の支援を起点とした包括的支援が必要だと感じ、乳幼児期から青年期まで切れ目のない支援の一つとして、この学習支援の場が生まれました。

理事長自身も生きづらさを抱えていた時期に、決して見捨てずに寄り添ってくれた人たちの存在が、「こどもたちを見捨てない」という現在の活動の大きな原動力になっています。

参加者の声

(講師/高校生)
「自分もここに通っていた先輩に声をかけてもらって参加しました。生徒の“わかった”が見えた瞬間が一番うれしいです」
「生徒が問題を解けた瞬間に表情が変わるのを見ると、こちらもうれしくなります」

(教室長)
「ここは進学塾ではありません。成績が大幅に上がる保証はなくても、一問でも“できた”が増えるように寄り添っています。安心して過ごせる居場所にしたいと思っています」

(生徒)
「学校より落ち着いて勉強できます。ここに来ると頑張れる気がします」

(調理ボランティア)
「食事を楽しみに来てくれる子もいます。“おいしかった”の一言が励みになります」

これからのこと

原田理事長は、「乳幼児期から青年期まで支える取り組みをさらに強化し、地域全体でこどもを支える体制づくりを目指しています。『こどもの負の連鎖を断ち切る支援モデル』を北九州からつくり、他地域でも活用できる形にしたい」と語ります。

今後は周囲の地域や他団体との連携を深め、持続可能な支援体制の構築に取り組んでいきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

原田理事長は「こどもは未来をつなげていく大きな希望」と話します。こどもを中心に据え、大人たちがその成長を力強く支える社会を目指しています。「どんな境遇にあってもこどもを取りこぼさない」——その理念のもとで行われる学びと食の支援が、地域全体の絆を取り戻し、地域全体でこどもを支える体制づくりの原動力になっています。

特定非営利活動法人 フードバンク北九州 ライフアゲインホームページ

(取材日:2025年10月18日)

「こどもの遊びを取り戻せ!PLAY FUKUOKAが取り組む未来を育む中間支援の取組」

具体的な活動内容

一般社団法人PLAY FUKUOKAは、こどもたちの「遊び」が大切にされる社会を目指し、中間支援団体として「遊びを伝える」「人を育てる」「場をつくる」という3つの柱で活動しています。

遊びを伝える」活動では、保護者や保育者に向けた外遊び講座や研修を実施し、こどもの主体性を尊重するプレイワークの考え方を伝えています。ミニブック制作・配布も行い、「遊びは学びの根っこ」であることを広く発信しています。

人を育てる」活動では、学生プレイワーカーの育成講座や、保育士・教員・放課後児童支援員向けの研修を実施し、実践と対話を通じて、こどもにとって安心できる大人とは何かを探りながら、人材を育てています。

場をつくる」活動では、福岡市内の多くの小学校で実施されている、こどもたちがランドセルを置いたまま校庭で自由に遊べる遊び場「わいわい広場」の方針策定や運営体制の構築(仕組みづくり)に貢献しています。さらに、障がいの有無に関わらず誰もが一緒に遊べるインクルーシブな遊び場や、病院や自然公園、学校施設などでの遊び場づくりに取り組んでいます。

取材に訪れた日は、一般社団法人PLAY FUKUOKAが主催する「プレーワーカー養成講座」で、代表の古賀彩子さんが講師を務めました。会場には、地域でこどもの遊び場を広げたいと願う保育士や保護者、学生らが集まり、座学と実践を通して「プレーパーク」について学びました。

午前の講義では、「遊びってなんだろう?」をテーマに、これまでの実践を交えたお話が展開されました。その中で古賀さんは、「大人がつい先回りしてやってあげるのではなく、こどもが主体的に“やってみたい”ことに挑戦できるきっかけを、大人が工夫することが大切です」と語り、参加者たちはうなずきながら熱心にメモを取っていました。

午後は森に移動し、かまどでの火起こしやそうめん流しなどの体験を通して、「安全な見守り方」や「大人が誘導しない関わり方」について実践的に学びました。古賀さんは「大人が“教える”のでも、“管理するように見張る”のでもなく、“一緒にいながら見守る”ことの大切さを体感してもらえたと思います」と振り返りました。

活動の背景

一般社団法人PLAY FUKUOKAの活動の背景には、「こどもが自由に外で遊ぶことが難しくなっている」という現代社会の課題があります。代表の古賀彩子さんは、地域から“こどもを見守る存在や場所”が消えつつあり、日常的な「人との出会い」や「偶然の体験」が失われていることに強い危機感を抱いてきました。

活動の原点は、20代の頃に働いていた京都の「プレイスクール協会」での無人島キャンプです。
トイレを掘るところから始まる自然体験のなかで、こどもたちが自分で考え、動き、自然と学び合う姿に感動し、「指示がなくても、自分たちで動く力を持っている。大人が手を出しすぎず見守ることの大切さを学びました」と古賀さんは語ります。

福岡に戻り、自らも母親となって子育てをする中で、「こどもが安心して外遊びできる場所が少ない」「こどもに関わる大人がいない」と痛感しました。そこで、「それなら自分たちで遊びの場をつくろう」と決意し、2004年に「福岡プレーパークの会」を立ち上げ、福岡県内7カ所でプレーパーク普及事業を始めました。2008年に学生プレイワーカー育成事業を開始し、そして2011年に福岡市で「乳幼児と大人のための外遊び講座」をスタートさせます。また、福岡市の小学校の校庭等を利用して遊び場をつくる「放課後等の遊び場づくり事業」(わいわい広場)」の取組に、委員として2009年から2023年まで関わってきました。

活動を続けるなかで、「遊びはこどもだけでなく、大人にとっても社会にとっても大切な営みである」という確信が強まり、2012年に団体名を「PLAY FUKUOKA」に改称し、2016年に法人化しました。【PLAY FOR GOOD.ないまと未来の社会​を。】を理念に、2022年からインクルーシブな遊び場づくりを始め、現在は、支援者の育成、制度づくり、行政・医療・教育機関・企業との連携など、地域を巻き込みながら多様なフィールドで活動の幅を広げています。

参加者の声

(参加者)
「今の保育現場では自分の価値観が通じずに悩んでいたけれど、今日の話を聞いて、自分のやりたい方向へ進んでいいのだと感じられました」

(学生プレイワーカー)
 「こどもに何かを教えるのではなく、ただ“いる”ことで十分だと気づきました」

(地域ボランティア)
「正解を与えるのではなく、こどもが自分で考える時間を待つ。そんな関わり方が新鮮でした」

(古賀さん)
「飯塚市で乳幼児の親子向けの講座を実施していた際に参加していた赤ちゃんが、20歳になって市の職員として再会しました。関わったこどもが成長して地域を支える側(市の職員)になっているのが嬉しいです」

これからのこと

今後は、異分野の専門家と連携しながら、支援者の支援や育成をさらに進め、誰もが安心して関われる遊びの場を地域に根づかせていくことを目指しています。こどもたちが自然に「やってみたい」と動き出せる環境づくりを、これからも丁寧に広げていきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

古賀さんは、「特別なイベントよりも、何気ない日常に“遊び”があることが大切です」と語ります。
こどもが「やってみたい」と思ったときに自由に挑戦できる環境と、それをそっと見守る大人の存在が、こどもの育ちを支える土壌だと考えています。

また、「こどもを支える大人自身が孤立しないように、支援者同士がつながり、悩みを共有できる場が必要です。こどもを真ん中に置くと、大人同士がつながり直す。それが“こどもまんなか社会”だと思います」と古賀さんは語り、支援者を支援する仕組みづくりにも取り組んでいます。

“危ないから禁止する”のではなく、“どうすれば安全にできるか”を大人が共に考える姿勢が、こどもの自由と安心を両立させる——その信念を胸に、PLAY FUKUOKAはこれからも地域に“育ちの場”を広げ続けていきます。

PLAY FUKUOKA公式ホームページ

(取材日:2025年6月29日)

~大丈夫だよ!~こどもの不登校や行き渋りに悩む保護者の気持ちに共感し、寄り添う3つの居場所 

具体的な活動内容

「えがおの会」は、不登校をはじめとする子育ての悩みを抱える保護者を支援するため、2012年の4月に代表の杉浦さんが立ち上げました。
2013年から「omimiかふぇ」を始め、こどもが不登校になった経験を持つ方がサポーターとなり、様々な課題を抱える保護者に対し、安心して子育ての悩みを話すことができる場を提供しています。
他にも、不登校や発達障がい等の悩みを抱えるこどもと保護者が一緒にワークショップを楽しめる「えがおのたまり場」や、小学生から高校生までのこどもたちが自由に過ごせる「ハレハレ~hare*hale~子どもの居場所」など、多様な居場所づくり活動を展開しています。

活動は、参加する保護者の声に耳を傾けることから始まります。
代表の杉浦さんは、優しい言葉遣いと穏やかな笑顔で相槌を打ち、決して話を遮ったり否定したりすることなく、相談に耳を傾けます。「理解と共感が大切」と語り、「大丈夫!大丈夫!」という彼女の言葉は、深い安心感を与え、思わず涙する保護者の方も少なくありません。

杉浦さんは自身の経験を語ることで、保護者が新たな気づきを得られるよう寄り添います。
保護者やこどもがすぐに変わることは容易ではありません。しかし、対話を何度も積み重ねることで、親の行動や言葉の選び方が少しずつ変わり、それがこどもが心を開くきっかけへと繋がっています。
杉浦さんは、安心感と笑顔が生まれる居場所を作り続けています。

Omimi事業に参加された方に、ボードゲームを無料でレンタルしています。自宅での親子の会話やふれあいのきっかけになるだけではなく、返却の際には再びこの場所へ気軽に立ち寄れる機会を作っています。

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●omimiかふぇ
 春日市
 毎月第2月曜日 10時~12 時
 偶数月第4土曜日 10時~12 時
 毎月第1水曜日 19時~21 時
●えがおのたまり場
 大野城市
 奇数月第3日曜日10時~15時
●ハレハレ~hare*hale~子どもの居場所
 大野城市
 偶数月第3日曜日10時~12時
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活動の背景

杉浦さんには、5人のお子さんがいますが、4番目のお子さんが高校1年生の冬休み明けから学校に行けなくなりました。
不登校になった当初、杉浦さんは自身の価値観を押し付けて、自分が正しいと信じる道へ導こうと懸命でした。しかし、娘の本心を初めて聞いた時、自分が正しいと思って発していた言葉や行動がこどもを追い詰めていたことに気づいたのです。
「気づきをくれたのは娘でした。娘のおかげで親としての在り方を根本から見直し、発する言葉、行動を変えることができたんです」と杉浦さんは振り返ります。

親が変われば、こどもも変わる!その実感を得た経験から、同じようにこどもの不登校に悩む保護者に寄り添い、自分の経験を伝えることによって、気づきを促す支援活動を続けています。

参加者の声

(サポーターの声)

この場に出会えたきっかけは、自分のこどもが不登校になり、えがおのたまり場に参加したことでした。
杉浦さんとの対話を重ねる中で、自分自身の生き方を見直すことができ、ものの見方や感じ方も変わりました。自分のこどもはもう大きくなりましたが、かつての自分と同じように悩んでいる方に、「私も大変だった」という共感や、経験から得た失敗や学びを伝えたいと思っています。
少しでも力になれたら・・そんな思いで活動に参加しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

杉浦さんは、「私たちの活動は、直接、こどもと向き合うことではないので、こどもまんなかとは少し距離があるのかもしれません。しかし、こどものそばにいる親の言動がこどもにとって大きな影響を与えることは少なくはありません。
保護者との会話の中で、ご自身の言動に気づき、少しずつ変化していくきっかけを作っています。こどもに最も近い存在である親が変わることで、こどもの未来がよりよい方向に向かっていく。 それがこどもまんなか社会の一つの形になるのではないかと思っています」と語っています。

  

(リンク)
えがおの会 フェイスブック
https://www.facebook.com/egaonokai/?locale=ja_JP
えがおの会 インスタグラム
https://www.instagram.com/hogoshashien.egaonokai/

(取材日:2025年7月20日)

「実家より実家」のような温かさで、こどもたちの居場所を紡ぐ“じじっか”

具体的な活動内容

多世代が集う「居場所」の提供
金曜日は朝から夜まで、土曜日は午前10時から夜8時まで、日曜日は午前10時から午後2時まで開放されている「じじっか」は、こどもたちが外やゲームで遊んだり、勉強をしたり、小さな子の面倒を見たりと、みんなが自由に過ごせる居場所で、自然な形で多世代交流が生まれています。

食事支援と「ライフローズン」
週末の食事提供に加え、市の「支援対象児童等見守り強化事業」の補助を活用して55世帯に月2回のお弁当配達を行っています。また、働く親が忙しい平日にもこどもたちが食事に困らないよう、「ライフローズン(生活の愛情冷凍食品)」という1食分の冷凍食品を開発しており、温めるだけで栄養バランスの取れた食事ができるこの仕組みは、「週末のご飯の心配をしなくていい」と利用者からも好評です。

「リリボン」による価値創造
寄付で集まった古着を無料で配っていた当初、中村さんは「これって本当にこどもたちのためになっているのか?」と違和感を覚えました。お金を渡すわけでも、買ってあげるわけでもなく、自分の手で得られる仕組みはないか──。

そうして生まれたのが、「リリボン」です。古着や布の端切れを2cm幅に切ってねじり、こどもたちがそれを1メートル編むことで、食材や衣類と交換できる仕組みを構築しました。労働の対価として“自分で手に入れる”体験は、こどもたちに役割と誇りを育みます。
この取り組みは今では、高齢者施設の活動や、障がいのある方の体験プログラムとしても広がりを見せています。

学習支援
ここでは、無料塾や宿題指導、英検対策などを実施しています。土曜日には元塾の先生が宿題を教え、木曜日にはオンライン授業で英語や数学を約1時間教えています。

「プラスアルファ就労」という新しい働き方
基本的な生活費以外の「お金がないからできないこと」を可能にするため、じじっかでの生活の一部を仕事と融合する仕組みづくりを構築しています。

例えば、こどもが野球を習いたいと思っていても、月謝が家計の負担となり諦めざるを得ない家庭に対し、じじっかでの仕事の一部を行ってもらうことで、クラブチームにumau.から直接月謝を支払い、こどもが野球をできる環境を作っています。

こどもたちが「お金がないからといって諦める必要ないんだ」と夢を持ち続けられるような機会を提供しています。

活動の背景

代表の中村みち子さんは、自身も1歳と3歳のこどもを抱えて離婚し、母子家庭として子育てをしてきました。「働いても働いてもお金がなかった」「人と話すのがとにかく嫌だった」「頼ったら負けみたいな気持ちがあった」と振り返る中村さんは、「大家族に憧れて生きてきた」と語ります。

そんな中村さんが「一人じゃ子育てできなかった」「ひとり親よりふたり親より7人親みたいな環境にかなり助けられた」という経験から、2014年に母子家庭グループを結成しました。みんなで花火やバーベキューを楽しんだ時間が、「誰かと一緒ならやれる、自分が変われる」という実感につながったと言います。そして、「実家より実家」のような拠点をつくりたいという思いから活動が広がり、2020年、遂に「じじっか」をオープンさせます。

「自分一人で頑張るのが正義って思っていた当時の自分に、『一人じゃないんだよって言いたい』」と中村さんは語ります。今では、誰かの話を聞き、時には運営と利用者の間に立って調整する「みんなのお母さん」や「相談役」として、じじっかに来るこどもたちが、親以外の多様な価値観に触れられる環境づくりに情熱を注いでいます。

参加者の声

利用者のお母さん/5年前から利用)
「週末のご飯の心配をしなくていい。誰でもウェルカムで、一回関わったら排除しないというこのスタイルが素晴らしい。元々人嫌いだったけど、ここに来て人と接することが増えて、人の気持ちが分かるようになりました。体調も良くなったし、家計の見直しもできて、本当にここに来て余裕ができた。長女からも『ママがじじっかに来ていい方向に変わったね』って言われるようになりました」

(中学2年生の女の子)
「面倒見が良くなったって言われるのがすごく嬉しいです。普段はゲームしたり、勉強したりしていて、『わたしと僕の夢』の先生に英検も教えてもらっています。リリボンを編むのも楽しいです」

これからのこと

現在、家庭に居場所がないこどもが住むことができるシェアハウス※1の開設を進めています。高校生たちも参加するDIYワークショップを通じて、こどもたち自身が未来の居場所を手作りしています。

また、来年度にはじじっかの1階にミシン工房、草木染め工房、パソコン工房の3つの工房を設置し、「プラスアルファ就労」の場をさらに拡充する予定です。リリボンについては、企業のデザイナーと協力して商品化を進めており、活動の持続可能性も追求しています。

※1 未成年の方は親の同意が必要となります。

「こどもまんなか社会」に向けて

中村さんは、「こどもたちが『お金がないから無理』と諦めるのではなく、『どうすればできるか』を一緒に考えられる場所でありたいと思います」と語ります。

希望を持てない環境で育つこどもたちが、自分を責めることなく、親以外の価値観に触れる機会を得ることで、未来は大きく変わると信じています。

一般社団法人umau.

(取材日:2025年6月28日)

こどもの“やってみたい”を応援する――地域で育つこどもたちの遊ぶ環境を守る

具体的な活動内容

「子ども支援ネットワーク With Wind」は、「まちじゅうを子どもの遊び場に」という理念のもと、2012年からプレーパーク活動を本格的に開始し、現在も地域に根差した活動を継続しています。
令和6年度も、プレーパークを年間183日実施し、3900人以上のこどもたちが参加しました。

毎週2~3日開催している「子どもプレーパーク」のほかにも、「学校プレーパーク」や「放課後プレーパーク」、「出張プレーパーク」、中高生の居場所「Risus Munakata!(リーゾスむなかた!)」など、多様な拠点を展開し、地域に少しずつ、こどもたちが安心して過ごせる土壌を広げています。

また、福岡県内で外遊びの環境を豊かにしていくため、「福岡プレーパーク連絡協議会」を仲間と共に立ち上げ事務局を担当しています。外遊びの重要性を啓発する活動や、県内各地の団体がつながり、知識や経験を情報共有するネットワークを築いています。「福岡県の60市町村それぞれに、1つずつプレーパークがあったらいいですね」と藤原さんは語っています。

取材当日は、With Windの総会が青空の下、芝生の上で開催されました。輪になって座るのは、これまで関わってきた大人、若者、そしてこどもたち。まず「こどもの声を聞こう!」の時間が設けられ、こどもたちは「こんな遊びがしたい」「もっとこうだったらいいな」と自由に発言し、大人たちは真剣に耳を傾けていました。With Windは、こうしたこどもの声を受け止める場づくりを日常的に大切にしています。

午後からはプレーパークが始まりました。ロープ、水、木材、絵具などを手にしたこどもたちは、興味のままに遊びに夢中になり、ときにムカデに大騒ぎする姿も見られました。途中、土砂降りの雨が降りましたが、こどもたちは足元の水たまりに落ち葉をかぶせて歩道を作ったり、濡れた素材を工夫して使ったりと、雨さえも「遊び」に変えていきました。

「こういう時こそ、わくわくする工夫ができるんです。大人の工夫もこどもたちは見ているんですよ」と、藤原さんは笑顔で語ります。

遊びと暮らしがつながる時間は、夕方まで穏やかに続きました。

活動の背景

代表の藤原浩美さんは、かつて看護師として小児病棟で勤務していました。あるとき、安静が必要にもかかわらず「遊びたい」と笑顔を見せるこどもと出会い、その姿に衝撃を受けたといいます。遊べたことで輝くような表情を見せるこどもたちに、「それが命を支えているのだと感じた」と語ります。病院という制約の中でも、こどもの“遊びたい”という本能は失われておらず、むしろそれが生きる力になっていることを実感した体験が、現在の活動の原点になっています。

その後、自身が母親となり、地域での子育てを通して「もっとつながりたい」「一人で抱えないでほしい」という思いが募り、1990年に仲間とともに子育て支援グループを立ち上げました。親同士が支え合える場づくりを進める中で、安心して自由に思いきり遊べる場所の少なさに課題を感じるようになりました。

こうした気づきから、2008年には「こどもの遊びに寄り添う場」として、プレーパークを本格的にスタートさせました。以来、行政や地域と連携しながら、こどもたちのための居場所を少しずつ広げてきました。藤原さんは、「こどもは“場所”があるだけでは安心できません。そばにいてくれる大人がどう関わるか。信じてくれる大人がいるからこそ、心を開いて遊べるのだと思います」と語っています。

With Windは、こどもが安心して自由に遊び、自ら考えて挑戦できる「余白」を地域の中に守り続け、遊びを通して育まれる「生きる力」を、まち全体で支える仕組みづくりも積極的に働きかけています。

参加者の声

(高校生/総会当日司会進行役)
「6年前からプレーパークに通っています。今はこうして関わる立場になっていて不思議な気持ちです。これからも“やってみたい”を応援できる場所であってほしいと思います」

(大学生/元利用者)
「小学生のときにここで思いっきり遊んだ経験が、今の自分の土台になっています。火や刃物、自然の中での遊びなど、普通なら制限されることも、ここでは信じて任せてもらえた。今は、次の世代のこどもたちを支える側に回りたいと思っています」

(保護者/30代)
「家ではつい“ダメ!”と言いがちだけど、ここでは“どうしたいの?”と聞いてくれる。こどもがのびのびしていて、私も学ばせてもらっています」

(参加した小学生)
「今日は絵の具をいっぱい使ってペタペタしたよ。家では服が汚れたら怒られるけど、ここでは怒られないからうれしい!」

(スタッフ)
「失敗しても大丈夫と思える雰囲気を作るのが、私たちの役割。自分もこどもの頃にこういう場があったらよかったなと思います」

これからのこと

With Windは今後、学校や地域との連携をさらに深めながら、より多くのこどもたちが安心して過ごせる居場所を広げていきます。特に、こどもの遊びに関わる大人を育てる「プレイワーカー」の育成にも力を入れていきます。また、自由にのびのびと自分らしくいられる環境の実現を目指しています。
公園や学校だけでなく、商店街や駅前、家庭の中にも「やってみたい」を受け止める空気が流れている――そんな社会を、少しずつ、けれど確実に目指しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

「この社会を、よりよい形でこどもたちに手渡したい。そう思う大人が一人でも増えてほしい」と藤原さんは願っています。「こどもが「やってみたい」と言った時には、すぐに「ダメ」と止めず、「“大丈夫、やってみりぃ”と声をかけてほしい。こどもは、信じてくれる大人がそばにいるからこそ、安心して遊べるし、自分を出せるんだと思います」と語ってくれました。

子ども支援ネットワーク With Wind

(取材日:2025年6月26日)

小さな味覚体験が未来をつくる!園児のための食育事業

具体的な活動内容

JA全農ふくれんの食育活動では、季節ごとに旬の果物を通してこどもたちに様々な体験を提供しています。夏は「なし・ぶどう・いちじく」、秋は「柿・みかん」、冬は「キウイ」を味わい、特別企画として3月には「博多あまおう」を味わう「みつばち感謝の日」を実施しています。

「みつばち感謝の日」では、「いちごの王様あまおうとみつばちビー」という紙芝居を通して、いちごとみつばちの関係を学び、JAや農家の方から贈られた博多あまおうを試食します。令和5年度には、福岡県内48の幼稚園・保育所から約6,300人、令和6年度には約4,000人の園児がこの活動に参加しました。これまでの参加者は延べ約8万人を超え、福岡県のこどもたちにとって大切な食育の機会となっています。

夏・秋・冬に実施している食育プログラム「フルーツキッズレンジャーになろう!」では、こどもたちがフルーツキッズレンジャーになりきり、旬の果物の魅力や栄養について学びます。先生方がオリジナルの紙芝居を読み聞かせし、果物ができるまでの過程や栄養について伝えた後、JAや農家の方から提供された旬の果物を試食します。「フルーツキッズレンジャーになろう!」は、14年以上続き、これまでに延べ12万人以上の園児が参加しました。

活動の背景

JA全農ふくれんがこの活動を始めたきっかけは、現代社会におけるこどもたちの果物離れに課題を感じていたことでした。長年、果物の販売担当を務めている青柳さんは、「果物を一度も食べたことがないこどもが増え、20歳で初めて柿を口にする若者もいます。これは農家側の私たちにとっても深刻な問題です」と語ります。

青柳さんは、核家族化や食の外部化が進む中、こどもたちの味覚形成や食文化継承に危機感を抱いており、「幼少期の味覚体験は将来の食習慣の礎となります。農業従事者の高齢化も進む中、こどもたちに食と農のつながりを知ってほしい」と願っています。 さらに、「特に『みつばち感謝の日』では、いちごと自然環境の大切な関係を学ぶ貴重な機会を提供することができ、福岡県でしか生産していない『あまおう』に愛着を持ってくれることは嬉しいことです」と語ってくれました。

参加者の声

活動後のアンケートでは、年にもよりますが、約94%の園が「大変良い取り組みである」と評価し、約84%が「こどもたちに変化があった」と回答しています。

【いちごに関する変化】
「以前よりいちごが話題にあがるようになった」
「いちごの味についてよく尋ねるようになった」
などの変化が見られ、
「いちごに名前があることを知らなかったが、食べる時『それ、あまおうよね!』と言っていた」
「1歳児も『あまおうはすごい』『はちさんプーン』と言っていた」
など、小さなこどもたちにも強く印象に残りました。

【他の果実に関する変化】
「苦手だったこどもも、お友達と一緒に食べることができた」
「いちじくという果物を知った」
「季節の果物を食べることで季節感を味わえた」
という感想もありました。

特に印象的なのは、「果物を食べるだけではなく、育てる過程や生産者さんの存在に気づくことができる」という声です。こどもたちは果物がどのように育ち、誰によって作られているのかを学び、食と農業への感謝の気持ちを育んでいます。

これからのこと

14年間以上続くこの食育活動は、こどもたちが「生きる力」を育み、食と農業の大切さを理解し、故郷を愛する心を持つ人に成長してほしいという願いから始まりました。

「今後も『みつばち感謝の日』と『フルーツキッズレンジャーになろう!』を通じて、果物の魅力と農業の大切さを伝え続けます。こどもたちが福岡の特産品に興味を持ち、地域への愛着を深めることも大切にしています」と青柳さんは語ってくれました。

JA全農ふくれんホームページ

(取材日:2024年11月)

家庭と仕事の両立を支援する「かん養生クリニック」—職員が安心して働ける職場環境づくり

具体的な活動内容

柔軟な働き方の支援

かん養生クリニックでは、こどもの年齢にかかわらず、それぞれの家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を支援しています。たとえば、中学生になっても部活動の送り迎えや、思春期のこどもと向き合う時間を持ちたいという声にも応え、短時間勤務ができる制度を整えています。

また、「急にこどもを預けられなくなった」「配偶者が体調を崩した」といった状況にも対応できるよう、子連れ出勤も可能としています。釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、みんなが気持ちよく休めるようにするためには、職員の家族もクリニックの一員として関われる場をつくることが必要」と考えています。

家族とのつながりを大切に

職場と家庭の距離を近づける取り組みとして、家族連れで参加できる慰労会や忘年会を定期的に開催してきました。今はコロナ禍もあり一時中断していますが、「環境が整えばすぐにでも再開したい」と釜院長は考えています。

また、「職員のお子様(主に学生)が社会経験を積む機会として、法人内施設でのアルバイトも受け入れ、昼食にお弁当を無料提供するなど、家族全体へも配慮してきました。現在は、該当するお子様はいませんが、対象のお子様がいれば、いつでも受け入れたいと考えています」と語ってくれました。

心に寄り添うサポート

出産した職員には、院長のご夫人からベビー服のプレゼントが贈られています。言葉にしづらい感謝や応援の気持ちを、さりげない贈り物という形で届けており、その温かい心遣いが職員の安心感につながっています。

育児休業中の職員への支援

育休中の職員には、職場の様子が分からなくなって不安にならないように、定期的に連絡をとることで、職場とのつながりを保つようにしており、復帰する3か月前くらいには、職場復帰後の希望を確認して、どんな働き方がいいのかを話し合っています。

活動の背景

精神科の外来診療で、釜院長は育児に悩む保護者たちの声に多く接してきました。「診療内科・精神科の外来をやっていると、育児に悩む保護者がたくさん来きます。その多くが、『子育てを完璧にしなきゃいけない』『ちゃんとできない自分がダメだ』と思い込んで、自分を責めている」と釜院長は振り返ります。

こうした子育て世代の悩みに寄り添ってきた釜院長は、「こどもを育てる方法はひとつじゃないし、『できる範囲で、できることをやればいい』と思えた方が、親もこどもも幸せになれる」と考えています。この思いが根源にあり、職員一人ひとりの状況に合わせた、柔軟な職場環境づくりにつながっています。

参加者の声

(産休・育休利用者)
「職場にはもちろんですが、病児保育や保育園など周りの方々にたくさん助けてもらい子育てと仕事を両立できています。こどもが大きくなったので今度は支える側として、復職するまでをサポートし、微力ですが貢献したいと思います」

「職場には妊娠前から復帰後まで丁寧にサポートしていただきました。不妊治療をしていましたが、通院できるように、人員についての相談に乗ってもらったり、出産経験のあるスタッフからアドバイスをもらったりできました。復帰時も家庭事情や、働き方の希望を聞いていただき、働きやすいよう配慮していただいています」

「こどもまんなか社会」に向けて

釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、気持ちよく休める職場にしたい。そのためには、職員の家族にもクリニックの一員として関わってもらうことが大切だと思っています」と話してくれました。

医療法人かん養生クリニックホームページ

(取材日:2025年2月13日)

子育てと仕事、どちらも諦めない — 託児付「コワーキングスペース&シェアオフィス」

具体的な活動内容

福岡市中央区大名に位置するCREATIVE ROOMは、託児スペース一体型のコワーキングスペースで、仕事と子育てを両立したい人たちが安心して働ける環境を提供しています。フリーランス、育休中の専門職、創業準備中の方など、多様な利用者を受け入れており、「家では集中できないが、こどもを預けて別の場所へ行くのは不安。そんな“はざま”にいる方々が安心して利用できる場所を目指しました」と、スタイルクリエイト株式会社の麻生社長は話します。

保育士が常駐し、同じフロア内でこどもを預けながら作業ができるため、預け先を探す手間や移動時間を省き、安心して作業に集中できる点が利用者から好評です。法人利用やサテライトオフィスとしての契約にも対応しており、創業支援イベント、キャリア相談などのサポート体制も整えています。また、利用者が気軽に交流できる場としても機能しており、孤立しがちな子育て世代の負担軽減に貢献するなど、地域における新たな居場所としての役割も担っています。

活動の背景

創業者である麻生社長は、フリーのウエディングプランナーやアパレルなど、様々な事業を経験する中で、出産後の働きにくさを痛感しました。「高い能力を持ちながらも、それを活かせる仕事に出会えない女性が多い現状を、非常に残念に思っていました。何かできることはないかと考えたんです」この想いが保育事業に参入する原動力となりました。

「私自身がシングルマザーであり、こどもを“どこかに預ける”ことへの不安を強く感じていたので、安心して預けられる場所を作りたいと考えていました」と当時を振り返ります。さらに、コロナ禍を契機に「テレワーク中の夫婦喧嘩が増えた」という声を受け、「家庭内だけでは限界がある。社会とのつながりを保つための“余白”が必要だ」と感じ、CREATIVE ROOMを立ち上げました。

参加者の声

利用する人からは、

「3時間でも集中できれば違う」

「家にいるよりもここで作業ができてリフレッシュできる」

「誰かとちょっと話すだけでほっとする」

というような声が寄せられており、単なるコワーキングスペースに留まらず、子育てとキャリアの両立に困難を感じるすべての人にとっての“居場所”となっています。

これからのこと

スタイルクリエイト株式会社は、今後の展開として、CREATIVE ROOMのような施設を増やす検討や、深刻化する保育士不足に対応するため、再教育や意識改革を含めた保育士教育も計画しています。さらに、小中学生への出前授業やインターンシップの受け入れなど、次世代に保育の魅力を伝える取り組みにも力を入れていく予定です。

麻生社長は、「こどもも親も笑顔で過ごせる環境を整え、『子育てか仕事か』ではなく『子育ても仕事も』という選択ができる社会の実現を目指します。子育てをしながら働くことが当たり前の社会づくりを通して、こどもを中心とした豊かなコミュニティ形成に貢献していきたい」と語ってくれました。

「こどもまんなか社会」に向けて

麻生社長は、「こどもが『大人になりたくない』と言うのは、大人が楽しそうに見えていないからではないか」と考えています。こどもまんなか社会の実現には、「まず大人自身が元気で、自分らしく生きる姿を示すことが大切であり、『親が笑っていなければ、こどもは未来に希望を持てない』『過度な期待やプレッシャーではなく、“楽しそうな未来”を見せたい』」と語り、性別にとらわれない多様な生き方や働き方を尊重する社会が必要だと訴えます。

最後に「私はファミリーファーストという考え方よりも、共存を目指しています。性別に関係なく、誰もが自分らしく輝ける社会が理想です」と話してくれました。

クリエイティブルームホームページ

(取材日:2025年3月12日)

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