福岡県こどもまんなかポータルサイト

「こどもの遊びを取り戻せ!PLAY FUKUOKAが取り組む未来を育む中間支援の取組」

具体的な活動内容

一般社団法人PLAY FUKUOKAは、こどもたちの「遊び」が大切にされる社会を目指し、中間支援団体として「遊びを伝える」「人を育てる」「場をつくる」という3つの柱で活動しています。

遊びを伝える」活動では、保護者や保育者に向けた外遊び講座や研修を実施し、こどもの主体性を尊重するプレイワークの考え方を伝えています。ミニブック制作・配布も行い、「遊びは学びの根っこ」であることを広く発信しています。

人を育てる」活動では、学生プレイワーカーの育成講座や、保育士・教員・放課後児童支援員向けの研修を実施し、実践と対話を通じて、こどもにとって安心できる大人とは何かを探りながら、人材を育てています。

場をつくる」活動では、福岡市内の多くの小学校で実施されている、こどもたちがランドセルを置いたまま校庭で自由に遊べる遊び場「わいわい広場」の方針策定や運営体制の構築(仕組みづくり)に貢献しています。さらに、障がいの有無に関わらず誰もが一緒に遊べるインクルーシブな遊び場や、病院や自然公園、学校施設などでの遊び場づくりに取り組んでいます。

取材に訪れた日は、「トーキョーコーヒー太宰府」が主催する「プレーワーカー養成講座」で、一般社団法人PLAY FUKUOKA代表の古賀彩子さんが講師を務めました。会場には、地域でこどもの遊び場を広げたいと願う保育士や保護者、学生らが集まり、座学と実践を通して「プレーパーク」について学びました。

午前の講義では、「遊びってなんだろう?」をテーマに、これまでの実践を交えたお話が展開されました。その中で古賀さんは、「大人がつい先回りしてやってあげるのではなく、こどもが主体的に“やってみたい”ことに挑戦できるきっかけを、大人が工夫することが大切です」と語り、参加者たちはうなずきながら熱心にメモを取っていました。

午後は森に移動し、かまどでの火起こしやそうめん流しなどの体験を通して、「安全な見守り方」や「大人が誘導しない関わり方」について実践的に学びました。古賀さんは「大人が“教える”のでも、“管理するように見張る”のでもなく、“一緒にいながら見守る”ことの大切さを体感してもらえたと思います」と振り返りました。

活動の背景

一般社団法人PLAY FUKUOKAの活動の背景には、「こどもが自由に外で遊ぶことが難しくなっている」という現代社会の課題があります。代表の古賀彩子さんは、地域から“こどもを見守る存在や場所”が消えつつあり、日常的な「人との出会い」や「偶然の体験」が失われていることに強い危機感を抱いてきました。

活動の原点は、20代の頃に働いていた京都の「プレイスクール協会」での無人島キャンプです。
トイレを掘るところから始まる自然体験のなかで、こどもたちが自分で考え、動き、自然と学び合う姿に感動し、「指示がなくても、自分たちで動く力を持っている。大人が手を出しすぎず見守ることの大切さを学びました」と古賀さんは語ります。

福岡に戻り、自らも母親となって子育てをする中で、「こどもが安心して外遊びできる場所が少ない」「こどもに関わる大人がいない」と痛感しました。そこで、「それなら自分たちで遊びの場をつくろう」と決意し、2004年に「福岡プレーパークの会」を立ち上げ、福岡県内7カ所でプレーパーク普及事業を始めました。2008年に学生プレイワーカー育成事業を開始し、そして2011年に福岡市で「乳幼児と大人のための外遊び講座」をスタートさせます。また、福岡市の小学校の校庭等を利用して遊び場をつくる「放課後等の遊び場づくり事業」(わいわい広場)」の取組に、委員として2009年から2023年まで関わってきました。

活動を続けるなかで、「遊びはこどもだけでなく、大人にとっても社会にとっても大切な営みである」という確信が強まり、2012年に団体名を「PLAY FUKUOKA」に改称し、2016年に法人化しました。【PLAY FOR GOOD.ないまと未来の社会​を。】を理念に、2022年からインクルーシブな遊び場づくりを始め、現在は、支援者の育成、制度づくり、行政・医療・教育機関・企業との連携など、地域を巻き込みながら多様なフィールドで活動の幅を広げています。

参加者の声

(参加者)
「今の保育現場では自分の価値観が通じずに悩んでいたけれど、今日の話を聞いて、自分のやりたい方向へ進んでいいのだと感じられました」

(学生プレイワーカー)
 「こどもに何かを教えるのではなく、ただ“いる”ことで十分だと気づきました」

(地域ボランティア)
「正解を与えるのではなく、こどもが自分で考える時間を待つ。そんな関わり方が新鮮でした」

(古賀さん)
「飯塚市で乳幼児の親子向けの講座を実施していた際に参加していた赤ちゃんが、20歳になって市の職員として再会しました。関わったこどもが成長して地域を支える側(市の職員)になっているのが嬉しいです」

これからのこと

今後は、異分野の専門家と連携しながら、支援者の支援や育成をさらに進め、誰もが安心して関われる遊びの場を地域に根づかせていくことを目指しています。こどもたちが自然に「やってみたい」と動き出せる環境づくりを、これからも丁寧に広げていきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

古賀さんは、「特別なイベントよりも、何気ない日常に“遊び”があることが大切です」と語ります。
こどもが「やってみたい」と思ったときに自由に挑戦できる環境と、それをそっと見守る大人の存在が、こどもの育ちを支える土壌だと考えています。

また、「こどもを支える大人自身が孤立しないように、支援者同士がつながり、悩みを共有できる場が必要です。こどもを真ん中に置くと、大人同士がつながり直す。それが“こどもまんなか社会”だと思います」と古賀さんは語り、支援者を支援する仕組みづくりにも取り組んでいます。

“危ないから禁止する”のではなく、“どうすれば安全にできるか”を大人が共に考える姿勢が、こどもの自由と安心を両立させる——その信念を胸に、PLAY FUKUOKAはこれからも地域に“育ちの場”を広げ続けていきます。

PLAY FUKUOKA公式ホームページ

(取材日:2025年6月29日)

~大丈夫だよ!~こどもの不登校や行き渋りに悩む保護者の気持ちに共感し、寄り添う3つの居場所 

具体的な活動内容

「えがおの会」は、不登校をはじめとする子育ての悩みを抱える保護者を支援するため、2012年の4月に代表の杉浦さんが立ち上げました。
2013年から「omimiかふぇ」を始め、こどもが不登校になった経験を持つ方がサポーターとなり、様々な課題を抱える保護者に対し、安心して子育ての悩みを話すことができる場を提供しています。
他にも、不登校や発達障がい等の悩みを抱えるこどもと保護者が一緒にワークショップを楽しめる「えがおのたまり場」や、小学生から高校生までのこどもたちが自由に過ごせる「ハレハレ~hare*hale~子どもの居場所」など、多様な居場所づくり活動を展開しています。

活動は、参加する保護者の声に耳を傾けることから始まります。
代表の杉浦さんは、優しい言葉遣いと穏やかな笑顔で相槌を打ち、決して話を遮ったり否定したりすることなく、相談に耳を傾けます。「理解と共感が大切」と語り、「大丈夫!大丈夫!」という彼女の言葉は、深い安心感を与え、思わず涙する保護者の方も少なくありません。

杉浦さんは自身の経験を語ることで、保護者が新たな気づきを得られるよう寄り添います。
保護者やこどもがすぐに変わることは容易ではありません。しかし、対話を何度も積み重ねることで、親の行動や言葉の選び方が少しずつ変わり、それがこどもが心を開くきっかけへと繋がっています。
杉浦さんは、安心感と笑顔が生まれる居場所を作り続けています。

Omimi事業に参加された方に、ボードゲームを無料でレンタルしています。自宅での親子の会話やふれあいのきっかけになるだけではなく、返却の際には再びこの場所へ気軽に立ち寄れる機会を作っています。

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●omimiかふぇ
 春日市
 毎月第2月曜日 10時~12 時
 偶数月第4土曜日 10時~12 時
 毎月第1水曜日 19時~21 時
●えがおのたまり場
 大野城市
 奇数月第3日曜日10時~15時
●ハレハレ~hare*hale~子どもの居場所
 大野城市
 偶数月第3日曜日10時~12時
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活動の背景

杉浦さんには、5人のお子さんがいますが、4番目のお子さんが高校1年生の冬休み明けから学校に行けなくなりました。
不登校になった当初、杉浦さんは自身の価値観を押し付けて、自分が正しいと信じる道へ導こうと懸命でした。しかし、娘の本心を初めて聞いた時、自分が正しいと思って発していた言葉や行動がこどもを追い詰めていたことに気づいたのです。
「気づきをくれたのは娘でした。娘のおかげで親としての在り方を根本から見直し、発する言葉、行動を変えることができたんです」と杉浦さんは振り返ります。

親が変われば、こどもも変わる!その実感を得た経験から、同じようにこどもの不登校に悩む保護者に寄り添い、自分の経験を伝えることによって、気づきを促す支援活動を続けています。

参加者の声

(サポーターの声)

この場に出会えたきっかけは、自分のこどもが不登校になり、えがおのたまり場に参加したことでした。
杉浦さんとの対話を重ねる中で、自分自身の生き方を見直すことができ、ものの見方や感じ方も変わりました。自分のこどもはもう大きくなりましたが、かつての自分と同じように悩んでいる方に、「私も大変だった」という共感や、経験から得た失敗や学びを伝えたいと思っています。
少しでも力になれたら・・そんな思いで活動に参加しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

杉浦さんは、「私たちの活動は、直接、こどもと向き合うことではないので、こどもまんなかとは少し距離があるのかもしれません。しかし、こどものそばにいる親の言動がこどもにとって大きな影響を与えることは少なくはありません。
保護者との会話の中で、ご自身の言動に気づき、少しずつ変化していくきっかけを作っています。こどもに最も近い存在である親が変わることで、こどもの未来がよりよい方向に向かっていく。 それがこどもまんなか社会の一つの形になるのではないかと思っています」と語っています。

  

(リンク)
えがおの会 フェイスブック
https://www.facebook.com/egaonokai/?locale=ja_JP
えがおの会 インスタグラム
https://www.instagram.com/hogoshashien.egaonokai/

(取材日:2025年7月20日)

「実家より実家」のような温かさで、こどもたちの居場所を紡ぐ“じじっか”

具体的な活動内容

多世代が集う「居場所」の提供
金曜日は朝から夜まで、土曜日は午前10時から夜8時まで、日曜日は午前10時から午後2時まで開放されている「じじっか」は、こどもたちが外やゲームで遊んだり、勉強をしたり、小さな子の面倒を見たりと、みんなが自由に過ごせる居場所で、自然な形で多世代交流が生まれています。

食事支援と「ライフローズン」
週末の食事提供に加え、市の「支援対象児童等見守り強化事業」の補助を活用して55世帯に月2回のお弁当配達を行っています。また、働く親が忙しい平日にもこどもたちが食事に困らないよう、「ライフローズン(生活の愛情冷凍食品)」という1食分の冷凍食品を開発しており、温めるだけで栄養バランスの取れた食事ができるこの仕組みは、「週末のご飯の心配をしなくていい」と利用者からも好評です。

「リリボン」による価値創造
寄付で集まった古着を無料で配っていた当初、中村さんは「これって本当にこどもたちのためになっているのか?」と違和感を覚えました。お金を渡すわけでも、買ってあげるわけでもなく、自分の手で得られる仕組みはないか──。

そうして生まれたのが、「リリボン」です。古着や布の端切れを2cm幅に切ってねじり、こどもたちがそれを1メートル編むことで、食材や衣類と交換できる仕組みを構築しました。労働の対価として“自分で手に入れる”体験は、こどもたちに役割と誇りを育みます。
この取り組みは今では、高齢者施設の活動や、障がいのある方の体験プログラムとしても広がりを見せています。

学習支援
ここでは、無料塾や宿題指導、英検対策などを実施しています。土曜日には元塾の先生が宿題を教え、木曜日にはオンライン授業で英語や数学を約1時間教えています。

「プラスアルファ就労」という新しい働き方
基本的な生活費以外の「お金がないからできないこと」を可能にするため、じじっかでの生活の一部を仕事と融合する仕組みづくりを構築しています。

例えば、こどもが野球を習いたいと思っていても、月謝が家計の負担となり諦めざるを得ない家庭に対し、じじっかでの仕事の一部を行ってもらうことで、クラブチームにumau.から直接月謝を支払い、こどもが野球をできる環境を作っています。

こどもたちが「お金がないからといって諦める必要ないんだ」と夢を持ち続けられるような機会を提供しています。

活動の背景

代表の中村みち子さんは、自身も1歳と3歳のこどもを抱えて離婚し、母子家庭として子育てをしてきました。「働いても働いてもお金がなかった」「人と話すのがとにかく嫌だった」「頼ったら負けみたいな気持ちがあった」と振り返る中村さんは、「大家族に憧れて生きてきた」と語ります。

そんな中村さんが「一人じゃ子育てできなかった」「ひとり親よりふたり親より7人親みたいな環境にかなり助けられた」という経験から、2014年に母子家庭グループを結成しました。みんなで花火やバーベキューを楽しんだ時間が、「誰かと一緒ならやれる、自分が変われる」という実感につながったと言います。そして、「実家より実家」のような拠点をつくりたいという思いから活動が広がり、2020年、遂に「じじっか」をオープンさせます。

「自分一人で頑張るのが正義って思っていた当時の自分に、『一人じゃないんだよって言いたい』」と中村さんは語ります。今では、誰かの話を聞き、時には運営と利用者の間に立って調整する「みんなのお母さん」や「相談役」として、じじっかに来るこどもたちが、親以外の多様な価値観に触れられる環境づくりに情熱を注いでいます。

参加者の声

利用者のお母さん/5年前から利用)
「週末のご飯の心配をしなくていい。誰でもウェルカムで、一回関わったら排除しないというこのスタイルが素晴らしい。元々人嫌いだったけど、ここに来て人と接することが増えて、人の気持ちが分かるようになりました。体調も良くなったし、家計の見直しもできて、本当にここに来て余裕ができた。長女からも『ママがじじっかに来ていい方向に変わったね』って言われるようになりました」

(中学2年生の女の子)
「面倒見が良くなったって言われるのがすごく嬉しいです。普段はゲームしたり、勉強したりしていて、『わたしと僕の夢』の先生に英検も教えてもらっています。リリボンを編むのも楽しいです」

これからのこと

現在、家庭に居場所がないこどもが住むことができるシェアハウス※1の開設を進めています。高校生たちも参加するDIYワークショップを通じて、こどもたち自身が未来の居場所を手作りしています。

また、来年度にはじじっかの1階にミシン工房、草木染め工房、パソコン工房の3つの工房を設置し、「プラスアルファ就労」の場をさらに拡充する予定です。リリボンについては、企業のデザイナーと協力して商品化を進めており、活動の持続可能性も追求しています。

※1 未成年の方は親の同意が必要となります。

「こどもまんなか社会」に向けて

中村さんは、「こどもたちが『お金がないから無理』と諦めるのではなく、『どうすればできるか』を一緒に考えられる場所でありたいと思います」と語ります。

希望を持てない環境で育つこどもたちが、自分を責めることなく、親以外の価値観に触れる機会を得ることで、未来は大きく変わると信じています。

一般社団法人umau.

(取材日:2025年6月28日)

こどもの“やってみたい”を応援する――地域で育つこどもたちの遊ぶ環境を守る

具体的な活動内容

「子ども支援ネットワーク With Wind」は、「まちじゅうを子どもの遊び場に」という理念のもと、2012年からプレーパーク活動を本格的に開始し、現在も地域に根差した活動を継続しています。
令和6年度も、プレーパークを年間183日実施し、3900人以上のこどもたちが参加しました。

毎週2~3日開催している「子どもプレーパーク」のほかにも、「学校プレーパーク」や「放課後プレーパーク」、「出張プレーパーク」、中高生の居場所「Risus Munakata!(リーゾスむなかた!)」など、多様な拠点を展開し、地域に少しずつ、こどもたちが安心して過ごせる土壌を広げています。

また、福岡県内で外遊びの環境を豊かにしていくため、「福岡プレーパーク連絡協議会」を仲間と共に立ち上げ事務局を担当しています。外遊びの重要性を啓発する活動や、県内各地の団体がつながり、知識や経験を情報共有するネットワークを築いています。「福岡県の60市町村それぞれに、1つずつプレーパークがあったらいいですね」と藤原さんは語っています。

取材当日は、With Windの総会が青空の下、芝生の上で開催されました。輪になって座るのは、これまで関わってきた大人、若者、そしてこどもたち。まず「こどもの声を聞こう!」の時間が設けられ、こどもたちは「こんな遊びがしたい」「もっとこうだったらいいな」と自由に発言し、大人たちは真剣に耳を傾けていました。With Windは、こうしたこどもの声を受け止める場づくりを日常的に大切にしています。

午後からはプレーパークが始まりました。ロープ、水、木材、絵具などを手にしたこどもたちは、興味のままに遊びに夢中になり、ときにムカデに大騒ぎする姿も見られました。途中、土砂降りの雨が降りましたが、こどもたちは足元の水たまりに落ち葉をかぶせて歩道を作ったり、濡れた素材を工夫して使ったりと、雨さえも「遊び」に変えていきました。

「こういう時こそ、わくわくする工夫ができるんです。大人の工夫もこどもたちは見ているんですよ」と、藤原さんは笑顔で語ります。

遊びと暮らしがつながる時間は、夕方まで穏やかに続きました。

活動の背景

代表の藤原浩美さんは、かつて看護師として小児病棟で勤務していました。あるとき、安静が必要にもかかわらず「遊びたい」と笑顔を見せるこどもと出会い、その姿に衝撃を受けたといいます。遊べたことで輝くような表情を見せるこどもたちに、「それが命を支えているのだと感じた」と語ります。病院という制約の中でも、こどもの“遊びたい”という本能は失われておらず、むしろそれが生きる力になっていることを実感した体験が、現在の活動の原点になっています。

その後、自身が母親となり、地域での子育てを通して「もっとつながりたい」「一人で抱えないでほしい」という思いが募り、1990年に仲間とともに子育て支援グループを立ち上げました。親同士が支え合える場づくりを進める中で、安心して自由に思いきり遊べる場所の少なさに課題を感じるようになりました。

こうした気づきから、2008年には「こどもの遊びに寄り添う場」として、プレーパークを本格的にスタートさせました。以来、行政や地域と連携しながら、こどもたちのための居場所を少しずつ広げてきました。藤原さんは、「こどもは“場所”があるだけでは安心できません。そばにいてくれる大人がどう関わるか。信じてくれる大人がいるからこそ、心を開いて遊べるのだと思います」と語っています。

With Windは、こどもが安心して自由に遊び、自ら考えて挑戦できる「余白」を地域の中に守り続け、遊びを通して育まれる「生きる力」を、まち全体で支える仕組みづくりも積極的に働きかけています。

参加者の声

(高校生/総会当日司会進行役)
「6年前からプレーパークに通っています。今はこうして関わる立場になっていて不思議な気持ちです。これからも“やってみたい”を応援できる場所であってほしいと思います」

(大学生/元利用者)
「小学生のときにここで思いっきり遊んだ経験が、今の自分の土台になっています。火や刃物、自然の中での遊びなど、普通なら制限されることも、ここでは信じて任せてもらえた。今は、次の世代のこどもたちを支える側に回りたいと思っています」

(保護者/30代)
「家ではつい“ダメ!”と言いがちだけど、ここでは“どうしたいの?”と聞いてくれる。こどもがのびのびしていて、私も学ばせてもらっています」

(参加した小学生)
「今日は絵の具をいっぱい使ってペタペタしたよ。家では服が汚れたら怒られるけど、ここでは怒られないからうれしい!」

(スタッフ)
「失敗しても大丈夫と思える雰囲気を作るのが、私たちの役割。自分もこどもの頃にこういう場があったらよかったなと思います」

これからのこと

With Windは今後、学校や地域との連携をさらに深めながら、より多くのこどもたちが安心して過ごせる居場所を広げていきます。特に、こどもの遊びに関わる大人を育てる「プレイワーカー」の育成にも力を入れていきます。また、自由にのびのびと自分らしくいられる環境の実現を目指しています。
公園や学校だけでなく、商店街や駅前、家庭の中にも「やってみたい」を受け止める空気が流れている――そんな社会を、少しずつ、けれど確実に目指しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

「この社会を、よりよい形でこどもたちに手渡したい。そう思う大人が一人でも増えてほしい」と藤原さんは願っています。「こどもが「やってみたい」と言った時には、すぐに「ダメ」と止めず、「“大丈夫、やってみりぃ”と声をかけてほしい。こどもは、信じてくれる大人がそばにいるからこそ、安心して遊べるし、自分を出せるんだと思います」と語ってくれました。

子ども支援ネットワーク With Wind

(取材日:2025年6月26日)

小さな味覚体験が未来をつくる!園児のための食育事業

具体的な活動内容

JA全農ふくれんの食育活動では、季節ごとに旬の果物を通してこどもたちに様々な体験を提供しています。夏は「なし・ぶどう・いちじく」、秋は「柿・みかん」、冬は「キウイ」を味わい、特別企画として3月には「博多あまおう」を味わう「みつばち感謝の日」を実施しています。

「みつばち感謝の日」では、「いちごの王様あまおうとみつばちビー」という紙芝居を通して、いちごとみつばちの関係を学び、JAや農家の方から贈られた博多あまおうを試食します。令和5年度には、福岡県内48の幼稚園・保育所から約6,300人、令和6年度には約4,000人の園児がこの活動に参加しました。これまでの参加者は延べ約8万人を超え、福岡県のこどもたちにとって大切な食育の機会となっています。

夏・秋・冬に実施している食育プログラム「フルーツキッズレンジャーになろう!」では、こどもたちがフルーツキッズレンジャーになりきり、旬の果物の魅力や栄養について学びます。先生方がオリジナルの紙芝居を読み聞かせし、果物ができるまでの過程や栄養について伝えた後、JAや農家の方から提供された旬の果物を試食します。「フルーツキッズレンジャーになろう!」は、14年以上続き、これまでに延べ12万人以上の園児が参加しました。

活動の背景

JA全農ふくれんがこの活動を始めたきっかけは、現代社会におけるこどもたちの果物離れに課題を感じていたことでした。長年、果物の販売担当を務めている青柳さんは、「果物を一度も食べたことがないこどもが増え、20歳で初めて柿を口にする若者もいます。これは農家側の私たちにとっても深刻な問題です」と語ります。

青柳さんは、核家族化や食の外部化が進む中、こどもたちの味覚形成や食文化継承に危機感を抱いており、「幼少期の味覚体験は将来の食習慣の礎となります。農業従事者の高齢化も進む中、こどもたちに食と農のつながりを知ってほしい」と願っています。 さらに、「特に『みつばち感謝の日』では、いちごと自然環境の大切な関係を学ぶ貴重な機会を提供することができ、福岡県でしか生産していない『あまおう』に愛着を持ってくれることは嬉しいことです」と語ってくれました。

参加者の声

活動後のアンケートでは、年にもよりますが、約94%の園が「大変良い取り組みである」と評価し、約84%が「こどもたちに変化があった」と回答しています。

【いちごに関する変化】
「以前よりいちごが話題にあがるようになった」
「いちごの味についてよく尋ねるようになった」
などの変化が見られ、
「いちごに名前があることを知らなかったが、食べる時『それ、あまおうよね!』と言っていた」
「1歳児も『あまおうはすごい』『はちさんプーン』と言っていた」
など、小さなこどもたちにも強く印象に残りました。

【他の果実に関する変化】
「苦手だったこどもも、お友達と一緒に食べることができた」
「いちじくという果物を知った」
「季節の果物を食べることで季節感を味わえた」
という感想もありました。

特に印象的なのは、「果物を食べるだけではなく、育てる過程や生産者さんの存在に気づくことができる」という声です。こどもたちは果物がどのように育ち、誰によって作られているのかを学び、食と農業への感謝の気持ちを育んでいます。

これからのこと

14年間以上続くこの食育活動は、こどもたちが「生きる力」を育み、食と農業の大切さを理解し、故郷を愛する心を持つ人に成長してほしいという願いから始まりました。

「今後も『みつばち感謝の日』と『フルーツキッズレンジャーになろう!』を通じて、果物の魅力と農業の大切さを伝え続けます。こどもたちが福岡の特産品に興味を持ち、地域への愛着を深めることも大切にしています」と青柳さんは語ってくれました。

JA全農ふくれんホームページ

(取材日:2024年11月)

家庭と仕事の両立を支援する「かん養生クリニック」—職員が安心して働ける職場環境づくり

具体的な活動内容

柔軟な働き方の支援

かん養生クリニックでは、こどもの年齢にかかわらず、それぞれの家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を支援しています。たとえば、中学生になっても部活動の送り迎えや、思春期のこどもと向き合う時間を持ちたいという声にも応え、短時間勤務ができる制度を整えています。

また、「急にこどもを預けられなくなった」「配偶者が体調を崩した」といった状況にも対応できるよう、子連れ出勤も可能としています。釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、みんなが気持ちよく休めるようにするためには、職員の家族もクリニックの一員として関われる場をつくることが必要」と考えています。

家族とのつながりを大切に

職場と家庭の距離を近づける取り組みとして、家族連れで参加できる慰労会や忘年会を定期的に開催してきました。今はコロナ禍もあり一時中断していますが、「環境が整えばすぐにでも再開したい」と釜院長は考えています。

また、「職員のお子様(主に学生)が社会経験を積む機会として、法人内施設でのアルバイトも受け入れ、昼食にお弁当を無料提供するなど、家族全体へも配慮してきました。現在は、該当するお子様はいませんが、対象のお子様がいれば、いつでも受け入れたいと考えています」と語ってくれました。

心に寄り添うサポート

出産した職員には、院長のご夫人からベビー服のプレゼントが贈られています。言葉にしづらい感謝や応援の気持ちを、さりげない贈り物という形で届けており、その温かい心遣いが職員の安心感につながっています。

育児休業中の職員への支援

育休中の職員には、職場の様子が分からなくなって不安にならないように、定期的に連絡をとることで、職場とのつながりを保つようにしており、復帰する3か月前くらいには、職場復帰後の希望を確認して、どんな働き方がいいのかを話し合っています。

活動の背景

精神科の外来診療で、釜院長は育児に悩む保護者たちの声に多く接してきました。「診療内科・精神科の外来をやっていると、育児に悩む保護者がたくさん来きます。その多くが、『子育てを完璧にしなきゃいけない』『ちゃんとできない自分がダメだ』と思い込んで、自分を責めている」と釜院長は振り返ります。

こうした子育て世代の悩みに寄り添ってきた釜院長は、「こどもを育てる方法はひとつじゃないし、『できる範囲で、できることをやればいい』と思えた方が、親もこどもも幸せになれる」と考えています。この思いが根源にあり、職員一人ひとりの状況に合わせた、柔軟な職場環境づくりにつながっています。

参加者の声

(産休・育休利用者)
「職場にはもちろんですが、病児保育や保育園など周りの方々にたくさん助けてもらい子育てと仕事を両立できています。こどもが大きくなったので今度は支える側として、復職するまでをサポートし、微力ですが貢献したいと思います」

「職場には妊娠前から復帰後まで丁寧にサポートしていただきました。不妊治療をしていましたが、通院できるように、人員についての相談に乗ってもらったり、出産経験のあるスタッフからアドバイスをもらったりできました。復帰時も家庭事情や、働き方の希望を聞いていただき、働きやすいよう配慮していただいています」

「こどもまんなか社会」に向けて

釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、気持ちよく休める職場にしたい。そのためには、職員の家族にもクリニックの一員として関わってもらうことが大切だと思っています」と話してくれました。

医療法人かん養生クリニックホームページ

(取材日:2025年2月13日)

子育てと仕事、どちらも諦めない — 託児付「コワーキングスペース&シェアオフィス」

具体的な活動内容

福岡市中央区大名に位置するCREATIVE ROOMは、託児スペース一体型のコワーキングスペースで、仕事と子育てを両立したい人たちが安心して働ける環境を提供しています。フリーランス、育休中の専門職、創業準備中の方など、多様な利用者を受け入れており、「家では集中できないが、こどもを預けて別の場所へ行くのは不安。そんな“はざま”にいる方々が安心して利用できる場所を目指しました」と、スタイルクリエイト株式会社の麻生社長は話します。

保育士が常駐し、同じフロア内でこどもを預けながら作業ができるため、預け先を探す手間や移動時間を省き、安心して作業に集中できる点が利用者から好評です。法人利用やサテライトオフィスとしての契約にも対応しており、創業支援イベント、キャリア相談などのサポート体制も整えています。また、利用者が気軽に交流できる場としても機能しており、孤立しがちな子育て世代の負担軽減に貢献するなど、地域における新たな居場所としての役割も担っています。

活動の背景

創業者である麻生社長は、フリーのウエディングプランナーやアパレルなど、様々な事業を経験する中で、出産後の働きにくさを痛感しました。「高い能力を持ちながらも、それを活かせる仕事に出会えない女性が多い現状を、非常に残念に思っていました。何かできることはないかと考えたんです」この想いが保育事業に参入する原動力となりました。

「私自身がシングルマザーであり、こどもを“どこかに預ける”ことへの不安を強く感じていたので、安心して預けられる場所を作りたいと考えていました」と当時を振り返ります。さらに、コロナ禍を契機に「テレワーク中の夫婦喧嘩が増えた」という声を受け、「家庭内だけでは限界がある。社会とのつながりを保つための“余白”が必要だ」と感じ、CREATIVE ROOMを立ち上げました。

参加者の声

利用する人からは、

「3時間でも集中できれば違う」

「家にいるよりもここで作業ができてリフレッシュできる」

「誰かとちょっと話すだけでほっとする」

というような声が寄せられており、単なるコワーキングスペースに留まらず、子育てとキャリアの両立に困難を感じるすべての人にとっての“居場所”となっています。

これからのこと

スタイルクリエイト株式会社は、今後の展開として、CREATIVE ROOMのような施設を増やす検討や、深刻化する保育士不足に対応するため、再教育や意識改革を含めた保育士教育も計画しています。さらに、小中学生への出前授業やインターンシップの受け入れなど、次世代に保育の魅力を伝える取り組みにも力を入れていく予定です。

麻生社長は、「こどもも親も笑顔で過ごせる環境を整え、『子育てか仕事か』ではなく『子育ても仕事も』という選択ができる社会の実現を目指します。子育てをしながら働くことが当たり前の社会づくりを通して、こどもを中心とした豊かなコミュニティ形成に貢献していきたい」と語ってくれました。

「こどもまんなか社会」に向けて

麻生社長は、「こどもが『大人になりたくない』と言うのは、大人が楽しそうに見えていないからではないか」と考えています。こどもまんなか社会の実現には、「まず大人自身が元気で、自分らしく生きる姿を示すことが大切であり、『親が笑っていなければ、こどもは未来に希望を持てない』『過度な期待やプレッシャーではなく、“楽しそうな未来”を見せたい』」と語り、性別にとらわれない多様な生き方や働き方を尊重する社会が必要だと訴えます。

最後に「私はファミリーファーストという考え方よりも、共存を目指しています。性別に関係なく、誰もが自分らしく輝ける社会が理想です」と話してくれました。

クリエイティブルームホームページ

(取材日:2025年3月12日)

「こどもと一緒に、私らしい時間を」~子育て世代に寄り添う美容室~

具体的な活動内容

13年前に福岡市の城南区に美容室「teatro」を開業後、最初は一般美容室内にキッズスペースを設置していました。しかし、こどもの自然な動きや声に配慮が必要なことから、2年後に隣接スペースを活用し、子連れ専門の美容室「limite」をオープンしました。

工夫されているのは店舗設計です。通常の美容室では難しい、親子の直接的な視線の確保を行い、施術席に座る親が鏡の横から直接こどもの様子を確認でき、こどもも親の顔がしっかりと見える配置を実現しています。また、こどもが自由に動ける十分な広さを確保することで、保護者同士が自然に声を掛け合える、温かい雰囲気の空間になっています。

このほかにも、こども専門の美容室や、キッズスペース付き美容室など、地域ニーズに応じて特色を持たせた店舗を複数展開しています。また、初回来店時のこども1人分のカットを無料にするなど、気軽に試せる工夫も行っています。

 

活動の背景

美容室にこどもを連れて行ける環境の少なさと、親の目が届かない場所にこどもを預けることへの不安を感じる人が多いという現状から、親子で安心して過ごせる場所づくりを目指しています。「自分のことに付き合わせてしまい気が引ける、そんな感覚を持っている親御さんに来てほしい。自分の目でこどもをしっかり見守りながら、自分もきれいになりたい、そんな方に来てもらいたい」という思いで美容室をスタートしています。

最初は一般美容室内のキッズスペースからはじめましたが、「こどもって動き回るし、騒いだり泣いたりする、それを受け入れられるお客さまばかりではなくて、ゆっくりしたい人もいます。その中で、『やっぱりここは分けた方がいいな』と感じ、子連れ専門の美容室を開設しました」と代表の藤野さんは当時を振り返ります。また、女性スタッフの育休取得や復帰支援など、「女性が働き続けられる環境を整えることが大事」という考えのもと、子育てをしながら美容師として活躍できる環境も整えることで、スタッフ自身の子育ての経験を活かしながら、来店する親子に寄り添ったサービスを提供しています。

参加者の声

藤野さんは、初めて来店するお客様からは「こんな美容室があるなんて知らなかった!」「ありがたい!」という声が多く聞かれていると話します。また、子育てが終わった方からは「自分が子育て中のときにこういうお店があればよかった」という感想も寄せられています。

「こどもまんなか社会」に向けて

「親のストレスを少しでも減らせる環境をつくることが大事だと思います。親がこどもを連れて行ける場所が増えれば、もっと子育てしやすい世の中になるんじゃないかなと。最近はどこでも『こどもが騒ぐ』ことに対して厳しい目があるけれど、そこをもう少し寛容にできたらいいですね。こどもって泣くのが仕事だし、大人がそれを許容できる社会になればいいな」と藤野さんは語ってくれました。


teatro&limiteホームページ
https://teatro-f.com/

(取材日:2025年2月19日)

『働く親の味方 ―「ひまわり観光」が実現する、きめ細かな両立支援』— 社員の声を大切にした働きやすい環境づくり

具体的な活動内容

ひまわり観光の両立支援の特長は、「休みたい時に気兼ねなく休める」という企業文化を基盤とした、きめ細かなサポート体制にあります。社員との日常的なコミュニケーションを大切にし、一人ひとりの状況に寄り添う姿勢が両立支援の根底にあります。

たとえば、育児休業を取得する際は、中村社長自らが制度を丁寧に説明し、休業中も同僚との情報交換を促進することで、スムーズな職場復帰をサポートしています。実際に、育休取得者が赤ちゃんを連れて職場に顔を出すなど、自然な形での職場復帰が実現しています。加えて、子育て期の社員には、短時間勤務やパート勤務への転換も可能とし、状況に応じた働き方を支援しています。

また、中学校入学前のこどもを育てる従業員には、看護休暇制度(※)を設けています。あわせて、学校行事やこどもの部活動といった子育てに関わる場面でも、安心して休暇を取得できるよう環境づくりにも力を入れています。

ひまわり観光では、「人は宝」という思いを土台に、家族との時間を大切にできる職場環境の実現を着実に進めています。

※ひまわり観光では、こどもの病気やけがの際に取得できる看護休暇制度を中学校入学前のこどもを育てる従業員を対象に設けています。

活動の背景

「すごく優秀な社員から突然『辞めたい』と言われたんです。理由を聞くと、子育てと仕事の両立が難しいと。なんとか働き続けてもらいたいと思い、制度を整えることにしました」と中村社長は振り返ります。

中村社長自身、以前勤めていた職場で、ハードワークな環境を経験しており、そのような経験を通じて感じたことについて、「その子の成長は、その瞬間にしかないものがあります。その大切な瞬間に関われるよう、極力努力したい」と語ります。

中村社長は二代目社長として、新しい時代に即した働き方を模索する中で、「会社は家族の幸せの土台であるべき」という考えに至りました。そして、育休取得のサポートはもちろん、復帰後も無理なく働ける環境整備など、地域に根差した企業として、この考えを形にしていきたいと考えています。

社員の声

(女性社員)
「育休制度について社長から直接説明を受け、安心して取得を決めることができました。休業中も同僚が連絡をくれて、職場とのつながりを感じられました。復帰後も赤ちゃんを連れて職場に顔を出せる雰囲気が、とても心強かったです」

(育休取得者)
「職場の仲間が連絡をくれたおかげで、会社とつながっている実感が持てました」

(男性社員)
「こどもの部活動の試合で看護休暇を取得しました。以前は言い出しにくい雰囲気でしたが、今は上司や同僚の理解もあり、子育てに関する休暇を取得しやすくなりました」

これからのこと

今後の展望について中村社長は、「休みたい時に気兼ねなく休める職場文化を築きたい」と語ります。特に看護休暇の活用を促進し、性別を問わず子育てと仕事を両立できる環境づくりを進め、地域に根差した企業として、従業員一人ひとりの家庭生活の充実を支援していくとのことです。
 

ひまわり観光ホームページ
https://himawari-bus.com/


(取材日:2025年1月8日)

「親もこどもも笑顔で過ごせるお手伝い」-子育て・家事支援とともに心のケアも

具体的な活動内容

「私たちがやっているのは、ただのベビーシッターではないんです」とドゥーラシッターふくおかを立ち上げた阿部さんは話します。産前産後はもちろん、働くお母さんの支援・小学生のサポートまで、子育て支援と家事支援を組み合わせた総合的な支援を提供しており、例えば料理を作りながら母親の悩みに耳を傾けるなど、様々な支援を同時に行います。

「結局、子育てと家事って切り離せないものなんです。ベビーシッターだけで『はい、赤ちゃん見ました、じゃあさようなら』では、お母さんの負担は減らないですよね」。そうした思いから、家事支援も含めた包括的なアプローチを取り入れています。

近年では、遠方に住むご両親からのプレゼントとして支援を依頼されるケースも増えているといいます。

特に今力を入れているのがドゥーラシッターの養成です。全国から受講生を集めて養成講座を開催し、現場での実践を教える「同行サポート」も取り入れ、支援者の育成に取り組んでいます。

活動の背景

「孤独なママに手を差し伸べたい」という思いで活動を始めた阿部さんの原点には、自身の経験がありました。28歳で夫を亡くし、3人のこどもを抱えながらの仕事と子育ての中、「余裕がなくて、気づいたらこどもに厳しく当たってしまっていた」という経験から、子育て支援の道を選びました。

「今の若いお母さんたちは、悩みを相談する場所が限られているんです。近所付き合いも少なくなっているし、実家に帰っても世代間のギャップに悩んでいる人が多い」と阿部さんは指摘します。

そうした中で阿部さんは、まずファミリーサポートに登録することから活動を始め、2020年、一般社団法人産後ドゥーラが発行する産後ドゥーラの資格を取得するため東京で学び、福岡で活動したのち独立し、個人で事業を立ち上げました。しかし、「一人では何もできない、より多くの支援者が必要だ」と感じ、養成講座を立ち上げるとともに、ドゥーラシッターの実践力を養うための「同行サポート」も始めました。

こうした取り組みの根底には、「お母さんが笑顔じゃないと、こどもも笑顔になれない」という信念があります。阿部さんは、母親に寄り添い、共に成長できる支援者を増やしていくことを目指しています。

参加者の声

(利用者)
「ただベビーシッターをするだけでなく、家事も一緒にやってくれて、さらに悩みまで聞いてもらえる。気持ちが本当に楽になりました」

 (スタッフ)
「お母さんが笑顔になることで、こどもも自然と笑顔になっていく。その変化を見られることが何よりも嬉しいです」

これからのこと

「『一人では何もできない』という気づきから始まった支援の輪を、さらに広げていきたい」と阿部さんは話します。ドゥーラシッターの養成講座と実践的な同行サポートを通じて、母親に寄り添える支援者を育てていくことで、より多くの家庭に笑顔を届けていきたいと考えています。

「こどもまんなか社会」に向けて 

「こどものためにできることをすることと同じように、お母さんを支えることが大事なんです。母親が安心して子育てできる環境をつくることが、結果としてこどもたちの幸せにつながっていく。そんな思いで、これからも活動を続けていきたい」と話してくれました。

ドゥーラシッターふくおかホームページ

https://doulasitter.com/

https://www.instagram.com/doulasitter.fukuoka/

(取材日:2025年2月14日)

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