福岡県こどもまんなかポータルサイト

こどもと学生がともにつくる居場所~北九州市立大学「まるっと食堂」

具体的な活動内容

「こどものまち」は、こどもたちが考えたまちで、こどもたちが働き、給料を受け取り、買い物や納税を体験するイベントです。仕事や店の運営など、まちのさまざまな役割をこどもたち自身が担い、運営主体である大学生が実現に向けてサポートしています。

「まるっと食堂」は、小倉北区のコワーキングスペースで月1回、第1水曜日の17時から開かれています。地域の小学生を中心に、毎回20人前後が参加しています。こどもは100円、大人は300円の参加費で、学生たちが準備した料理を楽しんだ後、体験活動の時間を過ごします。

「まるっと食堂」は、北九州市立大学の1、2年生約15人で運営しています。週1回のミーティングでは、次回の食事メニューや体験イベントの内容などを話し合うほか、買い出し、調理、当日の進行などの役割分担も決めます。

開催の1週間ほど前には、メニューを保護者に知らせたり、アレルギー情報を確認したりと、事前準備も進めます。開催が近づくと食材の買い出しを行い、当日は調理や配膳、片付けまでを担当します。食事の時間にはこどもたちと同じテーブルを囲み、会話をしたり、体験活動や工作を一緒に行ったりします。

食事のメニューは季節に合わせて工夫しています。例えば1月には手巻き寿司をビュッフェ形式にし、こどもたちが自分で具材を選んで巻けるようにしています。七夕の時期にはちらし寿司、秋には炊き込みご飯など、その季節ならではの食事が並びます。

食事後の体験活動では、警察と協力して交通安全について学ぶ企画や、大学のジェンダーや多様性に関するプロジェクトと連携した活動など、こどもたちが社会のさまざまなテーマに触れる機会を提供しています。

また、季節に合わせた工作も取り入れ、ペットボトルキャップとスポンジを使った紫陽花のスタンプづくりや、毛糸を使ったクリスマスリースづくりなど、学生たちがアイデアを出し合って企画しています。

活動の背景

北九州市立大学の地域共生教育センター「421Lab.」では、学生が地域課題に取り組むプロジェクトが複数展開されており、その中の一つに地域のこども食堂を支援する「子ども食堂応援プロジェクト」があります。

文学部人間関係学科2年生の麻生絵稟さんと舩津晴香さんは、大学1年生のときに、421Lab.の「子ども食堂応援プロジェクト」に参加し、地域のこども食堂でボランティアとして活動していました。その後、「応援するだけでなく、自分たちでこども食堂をやってみよう」と、当時の2年生から学生主体のこども食堂の立ち上げの声掛けがあり、2024年9月から「まるっと食堂」のメンバーとして参加することになりました。

麻生さんは、「大学生だからこそできる活動だと思いました。ほかではなかなかできない体験だと感じたんです」 と活動を始めた理由を話します。

参加者の声

(こどもの声)
「大学生のお兄さんやお姉さんがいて楽しい。雰囲気がいい」
「100円でお腹いっぱいになる」
「沢山遊ぶことができて嬉しい」
「ごはんがめっちゃうまい」
「おかわりできてうれしい!」

(麻生さん)
「自分が考えたイベント(クリスマスの毛糸ツリー作りなど)にこどもたちが熱中し、裏面までデコレーションするなど、自分たちで遊びを発展させてくれたことが嬉しいです。
私達はこどもたちに学びや遊びの機会を提供している側ですが、こどもたちが受け身になるのではなく積極的に取り組んでくれるからこそ良い時間が生まれるのだと気づくことができました」

(舩津さん)
「開催の日は人が集まるので大丈夫ですが、事前の準備が一番大変です。段取りを決めたり、人と調整したり、メニューを考えたり、やらないといけないことが多いです。30~40人分の料理を作るときは献立を考えながら進めており、味つけが合っているか戸惑うこともありましたが、回数を重ねるにつれ上手に作ることができるようになりました。こどもたちに美味しいと言っていただき、励みになります」

これからのこと

大学の活動は世代交代が早いため、立ち上げた先輩の思いを受け継ぎながら、活動を続けていくことが大切だと考えています。経験や運営のノウハウを次の学生へ引き継ぎ、同じことを繰り返すだけでなく、現在は小学生を中心としている参加対象を中学生まで広げるなど、活動の発展も考えています。

二人は、ミーティングや当日の準備、運営を後輩と一緒に進めることで、少しずつ役割や経験を共有していくことを意識しているといいます。

地域のこども食堂を支援する活動と、学生が主体となって運営する「まるっと食堂」の両方を続けながら、こどもと若者が関わり続ける場を地域に広げていきたいと考えています。

「こどもまんなか社会」に向けて

こどもと若者が同じ場所で時間を過ごし、互いの目線で関わることが大切だと二人は考えており、そうした積み重ねがこどもまんなか社会につながるのではないかと話しています。

まるっと食堂 Instagram

(取材日:2026年2月4日)

こどもがつくる「まち」で社会を学ぶ~大学生が支える「こどものまち in 福岡大学」

具体的な活動内容

「こどものまち」は、こどもたちが考えたまちで、こどもたちが働き、給料を受け取り、買い物や納税を体験するイベントです。仕事や店の運営など、まちのさまざまな役割をこどもたち自身が担い、運営主体である大学生が実現に向けてサポートしています。

こども会議(準備)

イベントの準備は、開催の約4か月前から始まります。こどもスタッフとして集まったこどもたち約20人が、毎週1回の「こども会議」に参加し、まちの仕組みを話し合いながら決めていきます。

会議では、まちの名前や通貨、店の内容、商品の値段などをこどもたち自身が考えます。材料費を計算しながら価格を決める場面もあり、「この値段では赤字になる」といった意見も出ていました。こどもたちは学校も学年も異なりますが、会議や準備を重ねる中で少しずつ打ち解け、意見を出し合ったり役割分担をするなど、協力してまちづくりを進めていました。

会議はこどもたちにやりたいことを決めてもらい、そのアイデアが実現できるよう、大学生が準備や調整をする形で進めていきます。

イベント(当日)

イベント当日は、ハローワーク、銀行、税務署、役所などの「こどものまち」がつくられ、約200人のこどもが参加しました。参加するこどもたちは最初にハローワークで掲示してある求人票から仕事を探します。仕事を選んだら、30分単位で働き、独自通貨「ハピ」で給料を受け取ると、そこから10%の税金を納める仕組みを体験します。集まった税金は役所で働くこどもたちの給料として使われます。

会場には、こどもたちが企画したカフェやかき氷店、ゲーム、スライムづくりなどの店も並び、店員も客もすべてこどもたちが担いました。

このようなこどもたちの主体的な活動の裏では、大学生による手厚いサポートがありました。全体の進行計画の作成から、会場の確保、各店舗で使う膨大な材料や備品の調達まで、イベントを成功させるためのあらゆる準備を学生たちが担いました。

また、参加者を募集する際には、SNSでの発信に加え、地域の小児科などを訪ねてチラシを置くなど、大学生自らが足を運びながら参加者を集めました。

活動の背景

この取り組みを始めたのは、KODOMO LABOを設立した井家上(いけがみ)知花さんです。井家上さんは、長崎県で行われている「ながさkids☆town」に約10年間関わってきた経験から、こどもたちが社会の仕組みを体験する楽しさや学びを、福岡でも広げたいと考えました。

「こどもたちの声を取り入れながら、時間をかけてまちづくりをしたい」という思いから、この活動を立ち上げました。

その後、福岡大学の「社会連携プロジェクト」に応募し、学生が主体で行うプロジェクトとして初めて採択されたことをきっかけに活動がスタートしました。活動当初は2人でしたが、現在は約20人の大学生が運営に関わっています。

参加者の声

(こどもスタッフ)
「自分たちの考えたことが形になるのが楽しい」

(参加したこどもたち)
「自分たちでまちのことを考えるのが楽しかったです。また参加したい」

「税金を納めないといけないことがわかり勉強になりました」

(大学生)
「こどもたちは主体的に意見を出してくれて、自分たちが持っていなかった視点に気づかされることも多いです。一緒に準備をしていく中で、こちらも学ぶことが多いと感じています」

これからのこと

現在の活動を支える「社会連携プロジェクト」の支援は、2026年までとなっているため今後も継続できるよう、大学内でのサークル化や企業協賛などを模索しています。

最近、代表が創設者の井家上さんから村上潤さんにバトンタッチされました。村上さんは、「来年度もイベントの開催を予定しています。今後も活動を続けながら、より多くのこどもたちが参加できる場にしていきたい」と意気込みを語っています。

「こどもまんなか社会」に向けて

井家上さんは、「こどもたちがもっと自由に過ごせる社会になってほしいです。今は遊べる場所も少なく、こどもたちがのびのび過ごせる環境が減っていると感じます。こどもたちが楽しみながら社会を知り、いろいろなことに挑戦できる場が増えることで、社会全体も豊かになるのではないかと思います」と話しています。

こどものまちin福岡大学

(取材日:2026年2月21日)

未来を拓く九州の「ものづくり」魂~こどもたちと共に宇宙を目指すe-SETの挑戦~

具体的な活動内容

学校での講演会(年2回程度)
地元の小学校などからの依頼を受け、代表の當房(とうぼう)睦仁さんが講師となり、講演を実施しています。この取り組みは「企業による無償の宇宙教育」として、教育現場でも注目を集めており、こどもたちは、人工衛星が地元企業によって作られていることに驚きと関心を寄せています。

宇宙のものづくり体験(久留米市青少年科学館)
久留米市青少年科学館で開催された体験イベントでは、人工衛星にも使われる技術を題材に、工具を使ってネジを加工する工程を体験する「ネジ切り体験」が特に人気を集めていました。こどもたちにとっては、「難しそうだけど、やってみたらできた!」という成功体験になり、ものづくりの面白さと達成感を味わえる貴重な機会となっています。

九州大学との連携プロジェクトとキャリア教育
九州大学の学生サークル「プラネット」と連携し、人工衛星やロケット部品の開発プロジェクトとして、衛星の設計方法などを学生と共に考えています。

また、大学生や専門学校生を対象にした「職場訪問・職場見学」や「キャリア教育等の講師派遣」を参加費無料で実施し、若者にとって“宇宙産業に関わる入り口”となるような環境を整え、現場で活躍する技術者から話を聞ける貴重な機会にもなっています。

こども体験フェスティバル(2025年8月20日)
福岡県青少年育成県民会議主催の「こども体験フェスティバル」では、e-SETが人工衛星に使われるネジや素材をテーマにしたこどもたちが楽しめる体験ブースを出展しました。ネジの役割を学ぶクイズや、ネジ切りを体験したり、人工衛星に使われる実際の素材を手に取りながら、「どの素材が一番重い?」「磁石にくっつくのはどれ?」といったクイズに挑戦していました。こどもたちは普段経験できない宇宙のものづくりに触れ、とても楽しそうでした。


當房さんは、「ロケットや人工衛星に使われる部品は、久留米の中小企業によって作られています。つまり、“宇宙”と“久留米”はつながっているんです。ネジを削るという一見地味な体験が、こどもたちにとって『宇宙の入り口』になってほしい」と話しています。

e-SETは、このような“身近な宇宙”との出会いを仕掛けています。こどもたちは、体験を通じて宇宙を「遠いもの」ではなく、「自分も関われる世界」だと実感するきっかけになっています。

活動の背景

団体発足のきっかけは、代表である當房さんが、2007年に九州大学で受けた地域産業講演会でした。講演では、「大企業や研究機関でなくとも、地方の企業が宇宙を支える存在になれる」という内容が語られました。その可能性に心を動かされた當房さんは、地元のモノづくり企業に声をかけ、同年、任意団体としてe-SETを結成しました。

その後、九州大学の先生方との出会いを通じて、「知識を持つ大学」と「ものづくりが得意な中小企業」という互いの強みがうまく噛み合い、産学連携による実践的なプロジェクトが本格化していきます。

當房さんは、長年、ものづくりの現場で人材不足を痛感してきました。だからこそ、「九州に魅力的な産業をつくり、若者が地元に残る選択肢を提供したい」という強い思いを抱くようになります。この想いは、こども向けのイベントや学校での講演活動といった教育・啓発活動に込められています。「こどもたちが幼い頃から宇宙技術に触れることで、宇宙は特別ではなく、誰もが関われる分野であると感じてもらいたい」という當房さんの原体験と地元への想いが、現在のe-SETの活動を根底から支えています。

参加者の声

(こども体験フェスティバル参加者)
「面白かったけど難しかった」 
「アルミの削りかすが硬かった」
「難しかったけど、ネジのことが少しわかった」

(e-SETに参加している企業のひと)
「こどもたちに少しでも宇宙を身近に感じてほしい」

これからのこと

e-SETはこれからも、こどもたちに宇宙を「遠い夢」ではなく、「自分の未来に関わるリアルな世界」として感じてもらえる体験の場を広げていきます。
當房さんは、「『こうやって宇宙に関われるんだ』『地元からでも宇宙に近づけるんだ』と思ってもらえるよう、科学館や学校での体験イベントや講演会を継続したい」と語ります。とくに、ネジ切り体験や素材展示などを通じて、久留米と宇宙がつながっている実感を持ってもらいたいと考えています。

さらに、今後は、大学生や専門学校生と連携し、中高生が年齢の近い先輩と接点を持てるような機会づくりにも取り組む予定です。産学連携のプロジェクトにふれることで、こどもたちが自身の進路をよりリアルに描けるよう後押ししていきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

e-SETが描く「こどもまんなか社会」とは、大人とこどもが共に関わり合い、学び合える社会です。當房さんは、「こどもの体験の場には、たいてい親がいます。だからこそ、大人も一緒に“やってみよう”と思える仕組みが大切です」と語ります。

多くの体験は、保護者の「こんな体験をさせたい」という思いから始まります。e-SETは、その働きかけがこどもの興味を引き出し、学びの芽を育てると考えています。

こどもたちが宇宙を「特別な世界」ではなく、自分の未来に関わるものとしてとらえ、自らの意志で進路を選んでいけること。當房さんは、そんな社会の実現こそが「こどもまんなか」だと信じています。

NPO法人 円陣スペースエンジニアリングチームインスタグラム

(取材日:2025年6月10日・8月20日)

小さな味覚体験が未来をつくる!園児のための食育事業

具体的な活動内容

JA全農ふくれんの食育活動では、季節ごとに旬の果物を通してこどもたちに様々な体験を提供しています。夏は「なし・ぶどう・いちじく」、秋は「柿・みかん」、冬は「キウイ」を味わい、特別企画として3月には「博多あまおう」を味わう「みつばち感謝の日」を実施しています。

「みつばち感謝の日」では、「いちごの王様あまおうとみつばちビー」という紙芝居を通して、いちごとみつばちの関係を学び、JAや農家の方から贈られた博多あまおうを試食します。令和5年度には、福岡県内48の幼稚園・保育所から約6,300人、令和6年度には約4,000人の園児がこの活動に参加しました。これまでの参加者は延べ約8万人を超え、福岡県のこどもたちにとって大切な食育の機会となっています。

夏・秋・冬に実施している食育プログラム「フルーツキッズレンジャーになろう!」では、こどもたちがフルーツキッズレンジャーになりきり、旬の果物の魅力や栄養について学びます。先生方がオリジナルの紙芝居を読み聞かせし、果物ができるまでの過程や栄養について伝えた後、JAや農家の方から提供された旬の果物を試食します。「フルーツキッズレンジャーになろう!」は、14年以上続き、これまでに延べ12万人以上の園児が参加しました。

活動の背景

JA全農ふくれんがこの活動を始めたきっかけは、現代社会におけるこどもたちの果物離れに課題を感じていたことでした。長年、果物の販売担当を務めている青柳さんは、「果物を一度も食べたことがないこどもが増え、20歳で初めて柿を口にする若者もいます。これは農家側の私たちにとっても深刻な問題です」と語ります。

青柳さんは、核家族化や食の外部化が進む中、こどもたちの味覚形成や食文化継承に危機感を抱いており、「幼少期の味覚体験は将来の食習慣の礎となります。農業従事者の高齢化も進む中、こどもたちに食と農のつながりを知ってほしい」と願っています。 さらに、「特に『みつばち感謝の日』では、いちごと自然環境の大切な関係を学ぶ貴重な機会を提供することができ、福岡県でしか生産していない『あまおう』に愛着を持ってくれることは嬉しいことです」と語ってくれました。

参加者の声

活動後のアンケートでは、年にもよりますが、約94%の園が「大変良い取り組みである」と評価し、約84%が「こどもたちに変化があった」と回答しています。

【いちごに関する変化】
「以前よりいちごが話題にあがるようになった」
「いちごの味についてよく尋ねるようになった」
などの変化が見られ、
「いちごに名前があることを知らなかったが、食べる時『それ、あまおうよね!』と言っていた」
「1歳児も『あまおうはすごい』『はちさんプーン』と言っていた」
など、小さなこどもたちにも強く印象に残りました。

【他の果実に関する変化】
「苦手だったこどもも、お友達と一緒に食べることができた」
「いちじくという果物を知った」
「季節の果物を食べることで季節感を味わえた」
という感想もありました。

特に印象的なのは、「果物を食べるだけではなく、育てる過程や生産者さんの存在に気づくことができる」という声です。こどもたちは果物がどのように育ち、誰によって作られているのかを学び、食と農業への感謝の気持ちを育んでいます。

これからのこと

14年間以上続くこの食育活動は、こどもたちが「生きる力」を育み、食と農業の大切さを理解し、故郷を愛する心を持つ人に成長してほしいという願いから始まりました。

「今後も『みつばち感謝の日』と『フルーツキッズレンジャーになろう!』を通じて、果物の魅力と農業の大切さを伝え続けます。こどもたちが福岡の特産品に興味を持ち、地域への愛着を深めることも大切にしています」と青柳さんは語ってくれました。

JA全農ふくれんホームページ

(取材日:2024年11月)

未来の建設業界を担う人材育成!高校生の工事現場見学支援事業

具体的な活動内容

(一社)福岡県建設業協会が行うこの事業では、福岡県内の工業高校の生徒たちを対象に、トンネル工事、高層ビル建設、公共施設整備など、様々な工事現場への見学・体験を実施しています。現場を提供する建設会社は、安全管理を徹底した上で、通常の工事の進行に支障がないよう配慮しながら生徒たちを受け入れおり、この貴重な体験が実現しています。

見学では、現場で日々働く技術者や職人たちが自らの仕事に対する誇りと情熱を持って、建設の過程や技術的な側面について直接説明を行います。これは建設会社や職人さんたちにとっても、自分たちの仕事の価値を次世代に伝える貴重な機会となっています。

見学は単に現場を見るだけでなく、建設に携わる様々な職種の人々と交流し、将来のキャリアについて具体的なイメージを持つ機会にもなっています。現場の第一線で活躍する技術者の説明を通じて、高校生たちは建設業の魅力や、やりがい、そして社会的な意義を肌で感じることができます。

福岡県建設業協会は、工事現場の選定から安全管理、学校との調整、工事現場までの移動手段の補助まで全面的にコーディネートし、各建設会社と連携して高校生たちが安全かつ効果的に学べる環境を整え、受け入れる建設会社側も、将来の業界を担う人材育成という意識で、業務の合間を縫って丁寧な対応をしています。この取り組みは30年以上継続して行われており、県内の多くの工業系の高校生が参加してきました。

活動の背景

福岡県建設業協会の担当者は、「建設業界では若手の人材不足が深刻な課題となっています」と語ります。この活動は、高校生の実践教育を支援するとともに、建設業の本当の姿を若者に伝えるという二つの目的を持っています。特に工業高校の生徒たちにとっては、教科書や授業だけでは得ることができない生きた知識と経験を得る貴重な機会となっています。

また、少子高齢化が進む中、インフラ整備や災害復旧を担う建設業界の人材確保は喫緊の課題になっています。現場見学を通じて、若者たちが建設業の社会的意義や魅力を再認識し、進路選択の一助となることが期待されています。

協会は、「多くの若者が建設業に対するネガティブなイメージを払しょくし、実際の現場は創造性や技術力、チームワークが光る『給与よし・休暇あり・希望が持てて・かっこいい』魅力的な職場であることが少しでも伝わり、将来建設業で活躍する若者が増えてほしい」と考えています。

参加者の声

(1年生)
「現場見学では、事故や災害を起こさないことが最も重視されていると感じました。様々な安全対策から安全確保の大切さを学び、それが利用者の安全にも繋がると実感しました」(物流倉庫見学)

(2年生)
「分かりやすいスライドは、プレゼンの良い手本となり、専門性と伝える力を身につけたいと感じました」(ビル工事見学)

「初めてトンネル工事を見学し、その規模の大きさに圧倒されました。普通では見ることができないトンネルの内部を見学でき、貴重な体験になりました」(トンネル工事見学)

「若い人から年配者まで多様な人々が一丸となって働く姿を見て、その強い責任感と情熱に感銘を受けました。卒業後は必ず大工になるという決意を固めることができました」(市民ホール工事見学)

(同行した高校の先生)
「現場見学を通して生徒はもちろん、私自身実際の現場の動きを直接見ることができ、大変貴重な経験をさせていただきました」

多くの学生が、実際の現場を見ることで建設業に対する認識が大きく変わったと報告しています。

これからのこと

この取り組みは、高校生のキャリア教育支援だけでなく、地域社会の基盤を支える建設業の未来を担う人材育成という社会的使命を果たす重要な活動となっています。実際の現場で感じる「ものづくりの感動」や「チームで成し遂げる達成感」は、次世代の建設業界を担う若者たちの心に深く刻まれています。

福岡県建設業協会では、この現場見学支援事業を今後も積極的に継続し、より多くの高校生に建設業の魅力を伝える機会を提供していく予定です。「若者たちに建設業の本当の姿を見てもらい、この業界を志す人材が増えることを願っています」と協会担当者は話しています。

一般社団法人福岡県建設業協会ホームページ

(取材日:2024年11月29日)

地域全体でこどもを育てる社会の実現を目指す「こどもはこのまちの未来だ!宣言」

具体的な取り組み内容

2024年5月、飯塚JCは、「こどもはこのまちの未来だ!宣言」キックオフイベントを開催しました。このイベントには、こども家庭庁をはじめとする多くの関係者が参加し、こども中心の社会づくりを目指した方向性が共有されました。宣言企業・団体等は約50社(2025.3現在)で、それぞれの企業・団体で宣言した内容の実現に向けて取り組みを進めています。
たとえば「ゆめタウン飯塚」では、全国のゆめタウン店舗で初となる子育て世代を支援する「ゆとりレーン」を設置しています。また、タクシー会社と飯塚市との連携による妊婦向け「陣痛タクシー」の取り組みも進行中で利用者も増えています。この他、地元のラーメン屋がこども用の箸を導入するなど、活動は地域全体に広がり、連携体制が強化されています。

活動背景

活動の背景には、「こどもたちの意見が地域の改善につながるという思いがある」と専務理事の小林さんは語ります。自身も小学生2人の母として、子育ての当事者でもあり、子育て世代への配慮や理解が不足しているなど、少子化や地域活性化への課題を感じていました。そんな中、飯塚JCでは、この宣言活動のほか、こどもたちの意見を地域に反映させるための「ビジョナリーシティこども会議」を実施することになります。
例えば、こども会議で寄せられた「バス停が古く、お年寄りが困っている」という声や、「公園でボール遊びができないので、もっと自由に遊べる場所が欲しい」など、こどもたちから寄せられた意見は大人が気付かないことばかりです。その声や提案を企業や自治体に届け、力を合わせ具体的な行動に反映しています。

参加者の声

(小林奈々専務理事)
「こどもたちの声は本当に貴重です。特に、公共施設や交通機関に対する改善要望は、地域全体で取り組むべき課題。例えば、バス会社や行政とも連携して、こうした意見を具体的に反映させる仕組みを作ろうとしています。地域全体が一体となって、こどもたちのための社会を作るという理念や、小さな行動が大きな変化を生むと実感しています」

(栗原一喜常務理事)
「青年会議所の使命は、地域活性化とリーダー育成です。このプロジェクトを通じ、多くのリーダーが育ち、地域に貢献している姿を見るのは嬉しいことです」

宣言企業からは、「少子化の時代、このような取り組みが大事。継続を目指していきたい」という声が上がっています。

(※役職は2024年時点の役職です)

これからのこと

飯塚JCではこの取り組みがモデルケースとして他地域でも展開されていくことを期待しています。今後も飯塚JCが掲げた「TRT・4・VISION(5カ年ビジョン)」の実現に向け、多様なパートナーシップを強化し、様々な活動を通じて地域社会の発展に寄与していきたいと考えています。

「こどもまんなか社会」に向けて

飯塚JCは、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、「こどもを育てる仕組み」「地域間の連携」「こどもたちの意見を尊重する文化」を柱に、地域で連携し、こどもを安心して育てられる環境づくりを進めていく方向です。

 

(一社)飯塚青年会議所ホームページ
http://www.iizuka-jc.com/

(取材日:2024年9月13日/更新日:2025年3月19日)

「思い出のランドセル、新たな笑顔へ」~福岡発、広がるこどもたちへの希望のバトン~

具体的な活動内容

心をつなぐランドセルの架け橋

イベントでは、こどもたちが展示された中から自分だけの「運命のランドセル」を選ぶ特別な時間や、通学路体験、工作・ゲーム体験などの企画で、こどもたちの思い出づくりを支援します。さらに、学生と地元企業が心を込めて作ったオリジナル化粧箱に、こどもたち自身の手で大切にランドセルを収めて持ち帰ります。会場では同時に新たなランドセルの寄付も受け付けており、昨年は約650個もの温かい善意が集まるなど、循環型の支援の輪が広がっています。

活動の背景

「こどもの未来に希望を持たせることができないだろうか…」7年前、一人の母親から寄せられた、こどもの未来への切実な想いに、NPO法人次世代のチカラFUKUOKAの新村優理事長が深く心を動かされました。こどもたちの未来への可能性を広げ、すべてのこどもたちに平等な学びの機会を提供したいという思いから、活動は始まりました。
その後、九州産業大学造形短期大学部の森下慎也先生との出会いにより、学生のアイディアを盛り込むことで、活動は大きく広がりました。
この取り組みは単なる物の再利用ではなく、こどもたちの可能性を育む、温かな社会のつながりを創造する取り組みに発展しています。

参加者の声

(こどもたちとその家族)
「こんなに綺麗なランドセルをいただけて、本当に感謝しています。こどもが喜ぶ姿を見て、私まで嬉しくなりました」

(寄付者の声)
「大切に使ったランドセルが、新しい持ち主と出会えることが何より嬉しいです」

(プロジェクトリーダー:九州産業大学造形短期大学部 研究生 石田賀琳さん)
「参加者の方々からの『ありがとう』の言葉が、何よりの励みになりました。去年叶えられなかった北九州での活動も実現でき、感慨深いです」

(協力企業)
「地域のこどもたちの笑顔のために、私たちができることを実行する。それが企業としての誇りです」

これからのこと

現在、活動は、福岡市から飛び出し、久留米市、北九州市へと着実に広がっています。このプロジェクトは、地域の企業や団体との連携を深めながら、単なるランドセルの受け渡しを超えて、地域全体でこどもたちの未来を支える大きな取り組みへと成長しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

「こどもたちの声に真摯に耳を傾け、一人の人間として尊重し合える社会。それが私たちの目指す『こどもまんなか社会』です。このイベントを通じて、こどもたちが安心して夢を育める環境づくりを、地域全体で進めていきたい」と森下先生は、語ってくれました。

 

九州産業大学造形短期大学部ホームページ
https://www.zokei.kyusan-u.ac.jp/

NPO法人次世代のチカラFUKUOKAホームページ
http://jisedainochikara.jp/

(取材日:2025年1月18日)

親の職場を見学!「こどもお仕事参観デー」

取り組みの概要

2024年度も、夏休みにこどもたちが親の職場を訪問し仕事を参観しました。その成果発表の場として、作文・写真の公募が行われ、作文部門には788通の応募がありました。第一次審査では、教員を目指す中村学園大学教育学部の学生が作文を読み、分析して、24組の親子を最終審査の発表者に選びました。最終審査では、中村学園大学の学生が司会進行を担当。緊張の中、各学年3名ずつがステージに登壇し、ひとり3分のプレゼンテーションタイムの中で、仕事参観の感想や気づき、自分の将来について発表しました。最終審査で、グランプリ、準グランプリ、第3位が選ばれたほか、審査員特別賞など様々な賞が作文部門24組と写真部門2組の合計26組の親子に贈呈されました。

活動の背景

現代では、働く意思がなく勤労していない若者や若年層の離職が増加しており、その背景には、学校教育や家庭教育だけでは働く意味や大切さを十分に学ぶことができていない状況があるのではないかとの課題認識から、このプロジェクトでは、家庭の基盤を支える親の仕事を間近で見ることを通して、社会や家庭の役割を理解するきっかけを与えることを目指しています。
さらに、参加企業・団体にとっても、こどもたちの訪問を受け入れることで、社内環境の改善や教育CSRの推進に繋がる意義深い取り組みとなっています。

参加者の声

(主催者)
「回を重ねるごとに、仕事の体験や仕事の価値観について語った優秀な作品が寄せられていることに感動するとともに、選考に苦慮するという嬉しい喜びを感じています」

(参加したこどもたち)
「家にいるときのお父さん・お母さんの姿と違う」
「カッコイイ!!」
「こんなに人の役に立つことをしている」
「職場でリーダーシップを発揮しているところに感動した」
「感謝の気持ちが芽生えた。親にありがとうの言葉を伝えたい」
など、こどもならではの気づきや視点が、親子の絆を深めています。

(参加企業・団体)
「こどもが1日来ることで、こども用の名刺を準備し、社長・会長室で名刺交換したり、会議に出席させたり、現場へ連れて行ったりと、さまざまな工夫をしているところが多く、社内の雰囲気も和やかになり、整理整頓も進み、教育CSRとしてとらえています」という声が多く上がっています。

これからのこと

「15年間実施を続けていますが、もっと多くの参加企業や団体が増えてほしいです。佐賀県まで実施企業が増えていますが、九州中、ひいては日本中に、この親子良し、企業・団体良し、社会良しの三方良しのプロジェクトが広がってほしいという希望を持っています」と、みらいプロジェクト実行委員会の会長である学校法人中村学園理事長学園長の中村紘右さんは語ってくれました。

 

みらいプロジェクト「こどもお仕事参観デー」ホームページ
https://miraiproject.fukuoka.jp/

(取材日:2024年11月23日)

こどもの楽しみと学びを創造する「ダンボールで防災を学ぶトレーニング」

具体的な活動内容

このワークショップ(トレーニング)は、福岡市にある九州産業大学造形短期大学部の教室で開催されました。こどもたちが教室に足を踏み入れると、巨大なドームが目に飛び込んできます。その迫力に目を輝かせながら、体験への期待で胸を躍らせていました。

活動を主催するのは、九州造形短期大学部の森下慎也先生と防災士としても活躍する福津市の古川隆邦さん、そして7名の学生たちです。森下先生は「防災訓練を楽しみながら実施することで避難所での生活に備えることができ、実際に避難した場合の心のゆとりに繋がる」と考え、「遊び」と「防災」を融合させ、こどもたちが自ら解決策を見つけられる力を育てたいとスタートしました。

防災とはなに?防災って楽しく取り組めるんだ!

学生による人形劇で「防災ってなに?」そんな問いかけから始まりました。災害時の“困った”をテーマに「なんでだろう?」「どうしたらいいかな?」という疑問を引き出し、古川さんのスライドを使ったクイズを交えた防災の話で理解を深めていきます。

その後、こどもたちは実際にダンボールを使ってモンスター制作に挑戦。「カベモンスター」「コップモンスター」「ツクエイスモンスター」など、問題を解決するモンスターを作ります。ラストは、巨大「プラネタリウムモンスター」の中で、星を輝かせる体験!

初めて出会ったこどもたち同士で考え力を合わせて作った、災害に立ち向かう「ヒーローモンスター」たち。アイディアと創造力が光る時間となりました。

参加者の声

(森下先生/主催者)
「ダンボールを使ったものづくりを通じて、楽しみながら防災を学ぶ姿を見ると、改めてこの活動の重要性を実感しました」

(参加した小学生)
「学校では自由に作ることがあまりないので、とても楽しかった!自分で作った椅子に座れた時、すごくうれしかったです」

(保護者)
「防災を学ぶだけでなく、創造性を引き出す工作の時間があり、こどもたちがいきいきと活動できて良かったです」

(大学生スタッフ)
「短い準備期間で不安もありましたが、こどもたちが笑顔で完成した作品を見せてくれた時、頑張ってよかったと思いました」

これからのこと

本プロジェクトは、次年度以降も継続実施を予定しています。より多くの地域や家庭に「楽しく学べる防災」を届けるため、活動の規模拡大も計画中。防災とアートを掛け合わせた新しい形の取り組みとして、さらなる可能性が期待されます。

「こどもまんなか社会」に向けて

「災害時、避難所での時間をどう過ごすか、手元にある材料でどのように工夫できるのかを考えることも重要です。この取り組みでは、こどもたちが自由にものづくりを楽しみながら防災を学び、困難な状況でも前向きに乗り越えられるスキルを身に付けることを目指しました」と語る森下先生。また、こどもたちが「防災」を「自分ごと」として認識する力と、工作でモノを作る時の「これがいいかな」「あれがいいかな」という思考と創造性を育む機会を大切にしたいと語ってくれました。

 

九州産業大学造形短期大学部ホームページ
https://www.zokei.kyusan-u.ac.jp/

(取材日:2024年11月23日)

地域と共に未来を築く―学校法人嶋田学園 飯塚高等学校の「街なか学園祭」

具体的な活動内容

3回目となる今年のテーマは「こども」。生徒たちは実行委員会を中心に、近畿大学の学生と一緒にワークショップを重ね、トイレ設置にもチャレンジしましたが、自分たちの力ではどうしようもできない現実を目の当たりにして実現を断念。『それだったら、こども達が楽しいことをやろう!』と方向転換し、スタンプラリーや工作の企画、そしてステージが見えやすいように会場に板を置くアイディアを実践。当日は、飯塚市の本町・東町商店街を舞台に大々的に開催され、通路が人の頭で見えなくなるほど、数千人の来場者があり、こどもから大人まで賑やかな声がやまない一日になりました。

活動の背景

商店街はかつて宿場町として栄えた歴史的な背景もあり、地域との深いつながりを昔から大切にしてきた文化がありました。この学園祭はその歴史や文化を感じられ、しかも学校内の文化祭に留まらず、地域全体が関わることで、町全体を盛り上げたいという思いから実現した取り組みです。

参加者の声

(学園祭実行委員長の小田銀太さん/右)
「慣れない仕事や、プロジェクトを進める上で特に大学生や教授の先生と話すことも多く、それが大変でした。こどもたちが来てくれたことが一番うれしいです」

(学園祭実行副委員長の川端善太郎さん/左)
「しゃべること、企画することが苦手なので、みんなと協力して実現できたことが本当に良かったです」

(商店街の人の声)
「数十年ぶりに商店街が賑わい、人々が集まる様子を見て新しい可能性を感じた」

「準備段階では多くの困難もあったが、生徒や教員、地域住民が一体となったことで、大きな成果を得られた」

(親子で参加した人の声)
「こどもと大学生のお兄さんやお姉さんが一緒に遊んでくれて、とても喜んでいました」

これからのこと

飯塚高等学校の「街なか学園祭」は、地域と学校が一体となってこどもたちの未来を築くための重要な取り組みとして、今後も継続されていく予定です。嶋田先生は、「商工会議所や商店街、町内会など、地域の支援を受けながら、生徒たちが主体的に学び成長できる環境を整えることで、持続可能な地域社会の形成に寄与したいと考えています。それだけでなく、郷土愛を持った若い人材が育っているのが一番の宝かもしれません」と語ります。

また、「学園祭を通じて生徒たちが地域に貢献する姿勢を身に着けることができたのは大きな成果です。今後も地域の皆さんと協力しながら、さらに発展的な取り組みを進めていきたい」と意気込みを語ってくれました。

  

学校法人嶋田学園 飯塚高等学校ホームページ
https://iizuka.ed.jp/

(取材日:2024年10月2日)

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