福岡県こどもまんなかポータルサイト

こどもが未来へ歩き出す力を支えるステップアップ塾 ライフアゲインの挑戦

具体的な活動内容

ステップアップ塾ライフアゲインでは、小学生から中学生までのこどもが毎週土曜日に集まり、高校生や大学生が講師としてマンツーマンで学習に取り組んでいます。こどもたちの力になりたいと参加を希望してくれたボランティアの学生講師たちが、どこでつまずいているのか、どう教えれば伝わるか、こどもたち一人ひとりのペースに寄り添い、宿題や教科書学習をサポートしています。独自の「ステップアップシート」を活用し、1週間・1か月・半年単位で自分の学びを見通す力も育てています。

また、学習後には毎回温かい食事を提供し、食と学びを一体的に支えることで、誰一人とりこぼさないよう、こどもの日常を継続的に見守る仕組みをつくっています。授業後には講師同士でミーティングを行い、こどもたちのその日の様子を共有しています。

この活動は「すべてのこどもたちが大切とされ、いつでも一歩をふみだせる社会へ」というビジョンのもと、食を起点にこどもたちの安心できる暮らしと学びを支えています。

活動の背景

ステップアップ塾の根底には、原田理事長の強い問題意識があります。理事長はかつて牧師として駅前での夜回り活動を続け、虐待や薬物問題など過酷な環境に置かれたこどもたちが、社会から孤立していく現場を目の当たりにしてきました。

そうした社会の課題に直面する中、食品ロスの現場で「捨てられる食品」と「社会から排除される人」の姿が重なって見えたことをきっかけに、食の支援を起点とした包括的支援が必要だと感じ、乳幼児期から青年期まで切れ目のない支援の一つとして、この学習支援の場が生まれました。

理事長自身も生きづらさを抱えていた時期に、決して見捨てずに寄り添ってくれた人たちの存在が、「こどもたちを見捨てない」という現在の活動の大きな原動力になっています。

参加者の声

(講師/高校生)
「自分もここに通っていた先輩に声をかけてもらって参加しました。生徒の“わかった”が見えた瞬間が一番うれしいです」
「生徒が問題を解けた瞬間に表情が変わるのを見ると、こちらもうれしくなります」

(教室長)
「ここは進学塾ではありません。成績が大幅に上がる保証はなくても、一問でも“できた”が増えるように寄り添っています。安心して過ごせる居場所にしたいと思っています」

(生徒)
「学校より落ち着いて勉強できます。ここに来ると頑張れる気がします」

(調理ボランティア)
「食事を楽しみに来てくれる子もいます。“おいしかった”の一言が励みになります」

これからのこと

原田理事長は、「乳幼児期から青年期まで支える取り組みをさらに強化し、地域全体でこどもを支える体制づくりを目指しています。『こどもの負の連鎖を断ち切る支援モデル』を北九州からつくり、他地域でも活用できる形にしたい」と語ります。

今後は周囲の地域や他団体との連携を深め、持続可能な支援体制の構築に取り組んでいきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

原田理事長は「こどもは未来をつなげていく大きな希望」と話します。こどもを中心に据え、大人たちがその成長を力強く支える社会を目指しています。「どんな境遇にあってもこどもを取りこぼさない」——その理念のもとで行われる学びと食の支援が、地域全体の絆を取り戻し、地域全体でこどもを支える体制づくりの原動力になっています。

特定非営利活動法人 フードバンク北九州 ライフアゲインホームページ

(取材日:2025年10月18日)

未来を拓く九州の「ものづくり」魂~こどもたちと共に宇宙を目指すe-SETの挑戦~

具体的な活動内容

学校での講演会(年2回程度)
地元の小学校などからの依頼を受け、代表の當房(とうぼう)睦仁さんが講師となり、講演を実施しています。この取り組みは「企業による無償の宇宙教育」として、教育現場でも注目を集めており、こどもたちは、人工衛星が地元企業によって作られていることに驚きと関心を寄せています。

宇宙のものづくり体験(久留米市青少年科学館)
久留米市青少年科学館で開催された体験イベントでは、人工衛星にも使われる技術を題材に、工具を使ってネジを加工する工程を体験する「ネジ切り体験」が特に人気を集めていました。こどもたちにとっては、「難しそうだけど、やってみたらできた!」という成功体験になり、ものづくりの面白さと達成感を味わえる貴重な機会となっています。

九州大学との連携プロジェクトとキャリア教育
九州大学の学生サークル「プラネット」と連携し、人工衛星やロケット部品の開発プロジェクトとして、衛星の設計方法などを学生と共に考えています。

また、大学生や専門学校生を対象にした「職場訪問・職場見学」や「キャリア教育等の講師派遣」を参加費無料で実施し、若者にとって“宇宙産業に関わる入り口”となるような環境を整え、現場で活躍する技術者から話を聞ける貴重な機会にもなっています。

こども体験フェスティバル(2025年8月20日)
福岡県青少年育成県民会議主催の「こども体験フェスティバル」では、e-SETが人工衛星に使われるネジや素材をテーマにしたこどもたちが楽しめる体験ブースを出展しました。ネジの役割を学ぶクイズや、ネジ切りを体験したり、人工衛星に使われる実際の素材を手に取りながら、「どの素材が一番重い?」「磁石にくっつくのはどれ?」といったクイズに挑戦していました。こどもたちは普段経験できない宇宙のものづくりに触れ、とても楽しそうでした。


當房さんは、「ロケットや人工衛星に使われる部品は、久留米の中小企業によって作られています。つまり、“宇宙”と“久留米”はつながっているんです。ネジを削るという一見地味な体験が、こどもたちにとって『宇宙の入り口』になってほしい」と話しています。

e-SETは、このような“身近な宇宙”との出会いを仕掛けています。こどもたちは、体験を通じて宇宙を「遠いもの」ではなく、「自分も関われる世界」だと実感するきっかけになっています。

活動の背景

団体発足のきっかけは、代表である當房さんが、2007年に九州大学で受けた地域産業講演会でした。講演では、「大企業や研究機関でなくとも、地方の企業が宇宙を支える存在になれる」という内容が語られました。その可能性に心を動かされた當房さんは、地元のモノづくり企業に声をかけ、同年、任意団体としてe-SETを結成しました。

その後、九州大学の先生方との出会いを通じて、「知識を持つ大学」と「ものづくりが得意な中小企業」という互いの強みがうまく噛み合い、産学連携による実践的なプロジェクトが本格化していきます。

當房さんは、長年、ものづくりの現場で人材不足を痛感してきました。だからこそ、「九州に魅力的な産業をつくり、若者が地元に残る選択肢を提供したい」という強い思いを抱くようになります。この想いは、こども向けのイベントや学校での講演活動といった教育・啓発活動に込められています。「こどもたちが幼い頃から宇宙技術に触れることで、宇宙は特別ではなく、誰もが関われる分野であると感じてもらいたい」という當房さんの原体験と地元への想いが、現在のe-SETの活動を根底から支えています。

参加者の声

(こども体験フェスティバル参加者)
「面白かったけど難しかった」 
「アルミの削りかすが硬かった」
「難しかったけど、ネジのことが少しわかった」

(e-SETに参加している企業のひと)
「こどもたちに少しでも宇宙を身近に感じてほしい」

これからのこと

e-SETはこれからも、こどもたちに宇宙を「遠い夢」ではなく、「自分の未来に関わるリアルな世界」として感じてもらえる体験の場を広げていきます。
當房さんは、「『こうやって宇宙に関われるんだ』『地元からでも宇宙に近づけるんだ』と思ってもらえるよう、科学館や学校での体験イベントや講演会を継続したい」と語ります。とくに、ネジ切り体験や素材展示などを通じて、久留米と宇宙がつながっている実感を持ってもらいたいと考えています。

さらに、今後は、大学生や専門学校生と連携し、中高生が年齢の近い先輩と接点を持てるような機会づくりにも取り組む予定です。産学連携のプロジェクトにふれることで、こどもたちが自身の進路をよりリアルに描けるよう後押ししていきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

e-SETが描く「こどもまんなか社会」とは、大人とこどもが共に関わり合い、学び合える社会です。當房さんは、「こどもの体験の場には、たいてい親がいます。だからこそ、大人も一緒に“やってみよう”と思える仕組みが大切です」と語ります。

多くの体験は、保護者の「こんな体験をさせたい」という思いから始まります。e-SETは、その働きかけがこどもの興味を引き出し、学びの芽を育てると考えています。

こどもたちが宇宙を「特別な世界」ではなく、自分の未来に関わるものとしてとらえ、自らの意志で進路を選んでいけること。當房さんは、そんな社会の実現こそが「こどもまんなか」だと信じています。

NPO法人 円陣スペースエンジニアリングチームインスタグラム

(取材日:2025年6月10日・8月20日)

「こどもの遊びを取り戻せ!PLAY FUKUOKAが取り組む未来を育む中間支援の取組」

具体的な活動内容

一般社団法人PLAY FUKUOKAは、こどもたちの「遊び」が大切にされる社会を目指し、中間支援団体として「遊びを伝える」「人を育てる」「場をつくる」という3つの柱で活動しています。

遊びを伝える」活動では、保護者や保育者に向けた外遊び講座や研修を実施し、こどもの主体性を尊重するプレイワークの考え方を伝えています。ミニブック制作・配布も行い、「遊びは学びの根っこ」であることを広く発信しています。

人を育てる」活動では、学生プレイワーカーの育成講座や、保育士・教員・放課後児童支援員向けの研修を実施し、実践と対話を通じて、こどもにとって安心できる大人とは何かを探りながら、人材を育てています。

場をつくる」活動では、福岡市内の多くの小学校で実施されている、こどもたちがランドセルを置いたまま校庭で自由に遊べる遊び場「わいわい広場」の方針策定や運営体制の構築(仕組みづくり)に貢献しています。さらに、障がいの有無に関わらず誰もが一緒に遊べるインクルーシブな遊び場や、病院や自然公園、学校施設などでの遊び場づくりに取り組んでいます。

取材に訪れた日は、一般社団法人PLAY FUKUOKAが主催する「プレーワーカー養成講座」で、代表の古賀彩子さんが講師を務めました。会場には、地域でこどもの遊び場を広げたいと願う保育士や保護者、学生らが集まり、座学と実践を通して「プレーパーク」について学びました。

午前の講義では、「遊びってなんだろう?」をテーマに、これまでの実践を交えたお話が展開されました。その中で古賀さんは、「大人がつい先回りしてやってあげるのではなく、こどもが主体的に“やってみたい”ことに挑戦できるきっかけを、大人が工夫することが大切です」と語り、参加者たちはうなずきながら熱心にメモを取っていました。

午後は森に移動し、かまどでの火起こしやそうめん流しなどの体験を通して、「安全な見守り方」や「大人が誘導しない関わり方」について実践的に学びました。古賀さんは「大人が“教える”のでも、“管理するように見張る”のでもなく、“一緒にいながら見守る”ことの大切さを体感してもらえたと思います」と振り返りました。

活動の背景

一般社団法人PLAY FUKUOKAの活動の背景には、「こどもが自由に外で遊ぶことが難しくなっている」という現代社会の課題があります。代表の古賀彩子さんは、地域から“こどもを見守る存在や場所”が消えつつあり、日常的な「人との出会い」や「偶然の体験」が失われていることに強い危機感を抱いてきました。

活動の原点は、20代の頃に働いていた京都の「プレイスクール協会」での無人島キャンプです。
トイレを掘るところから始まる自然体験のなかで、こどもたちが自分で考え、動き、自然と学び合う姿に感動し、「指示がなくても、自分たちで動く力を持っている。大人が手を出しすぎず見守ることの大切さを学びました」と古賀さんは語ります。

福岡に戻り、自らも母親となって子育てをする中で、「こどもが安心して外遊びできる場所が少ない」「こどもに関わる大人がいない」と痛感しました。そこで、「それなら自分たちで遊びの場をつくろう」と決意し、2004年に「福岡プレーパークの会」を立ち上げ、福岡県内7カ所でプレーパーク普及事業を始めました。2008年に学生プレイワーカー育成事業を開始し、そして2011年に福岡市で「乳幼児と大人のための外遊び講座」をスタートさせます。また、福岡市の小学校の校庭等を利用して遊び場をつくる「放課後等の遊び場づくり事業」(わいわい広場)」の取組に、委員として2009年から2023年まで関わってきました。

活動を続けるなかで、「遊びはこどもだけでなく、大人にとっても社会にとっても大切な営みである」という確信が強まり、2012年に団体名を「PLAY FUKUOKA」に改称し、2016年に法人化しました。【PLAY FOR GOOD.ないまと未来の社会​を。】を理念に、2022年からインクルーシブな遊び場づくりを始め、現在は、支援者の育成、制度づくり、行政・医療・教育機関・企業との連携など、地域を巻き込みながら多様なフィールドで活動の幅を広げています。

参加者の声

(参加者)
「今の保育現場では自分の価値観が通じずに悩んでいたけれど、今日の話を聞いて、自分のやりたい方向へ進んでいいのだと感じられました」

(学生プレイワーカー)
 「こどもに何かを教えるのではなく、ただ“いる”ことで十分だと気づきました」

(地域ボランティア)
「正解を与えるのではなく、こどもが自分で考える時間を待つ。そんな関わり方が新鮮でした」

(古賀さん)
「飯塚市で乳幼児の親子向けの講座を実施していた際に参加していた赤ちゃんが、20歳になって市の職員として再会しました。関わったこどもが成長して地域を支える側(市の職員)になっているのが嬉しいです」

これからのこと

今後は、異分野の専門家と連携しながら、支援者の支援や育成をさらに進め、誰もが安心して関われる遊びの場を地域に根づかせていくことを目指しています。こどもたちが自然に「やってみたい」と動き出せる環境づくりを、これからも丁寧に広げていきます。

「こどもまんなか社会」に向けて

古賀さんは、「特別なイベントよりも、何気ない日常に“遊び”があることが大切です」と語ります。
こどもが「やってみたい」と思ったときに自由に挑戦できる環境と、それをそっと見守る大人の存在が、こどもの育ちを支える土壌だと考えています。

また、「こどもを支える大人自身が孤立しないように、支援者同士がつながり、悩みを共有できる場が必要です。こどもを真ん中に置くと、大人同士がつながり直す。それが“こどもまんなか社会”だと思います」と古賀さんは語り、支援者を支援する仕組みづくりにも取り組んでいます。

“危ないから禁止する”のではなく、“どうすれば安全にできるか”を大人が共に考える姿勢が、こどもの自由と安心を両立させる——その信念を胸に、PLAY FUKUOKAはこれからも地域に“育ちの場”を広げ続けていきます。

PLAY FUKUOKA公式ホームページ

(取材日:2025年6月29日)

「実家より実家」のような温かさで、こどもたちの居場所を紡ぐ“じじっか”

具体的な活動内容

多世代が集う「居場所」の提供
金曜日は朝から夜まで、土曜日は午前10時から夜8時まで、日曜日は午前10時から午後2時まで開放されている「じじっか」は、こどもたちが外やゲームで遊んだり、勉強をしたり、小さな子の面倒を見たりと、みんなが自由に過ごせる居場所で、自然な形で多世代交流が生まれています。

食事支援と「ライフローズン」
週末の食事提供に加え、市の「支援対象児童等見守り強化事業」の補助を活用して55世帯に月2回のお弁当配達を行っています。また、働く親が忙しい平日にもこどもたちが食事に困らないよう、「ライフローズン(生活の愛情冷凍食品)」という1食分の冷凍食品を開発しており、温めるだけで栄養バランスの取れた食事ができるこの仕組みは、「週末のご飯の心配をしなくていい」と利用者からも好評です。

「リリボン」による価値創造
寄付で集まった古着を無料で配っていた当初、中村さんは「これって本当にこどもたちのためになっているのか?」と違和感を覚えました。お金を渡すわけでも、買ってあげるわけでもなく、自分の手で得られる仕組みはないか──。

そうして生まれたのが、「リリボン」です。古着や布の端切れを2cm幅に切ってねじり、こどもたちがそれを1メートル編むことで、食材や衣類と交換できる仕組みを構築しました。労働の対価として“自分で手に入れる”体験は、こどもたちに役割と誇りを育みます。
この取り組みは今では、高齢者施設の活動や、障がいのある方の体験プログラムとしても広がりを見せています。

学習支援
ここでは、無料塾や宿題指導、英検対策などを実施しています。土曜日には元塾の先生が宿題を教え、木曜日にはオンライン授業で英語や数学を約1時間教えています。

「プラスアルファ就労」という新しい働き方
基本的な生活費以外の「お金がないからできないこと」を可能にするため、じじっかでの生活の一部を仕事と融合する仕組みづくりを構築しています。

例えば、こどもが野球を習いたいと思っていても、月謝が家計の負担となり諦めざるを得ない家庭に対し、じじっかでの仕事の一部を行ってもらうことで、クラブチームにumau.から直接月謝を支払い、こどもが野球をできる環境を作っています。

こどもたちが「お金がないからといって諦める必要ないんだ」と夢を持ち続けられるような機会を提供しています。

活動の背景

代表の中村みち子さんは、自身も1歳と3歳のこどもを抱えて離婚し、母子家庭として子育てをしてきました。「働いても働いてもお金がなかった」「人と話すのがとにかく嫌だった」「頼ったら負けみたいな気持ちがあった」と振り返る中村さんは、「大家族に憧れて生きてきた」と語ります。

そんな中村さんが「一人じゃ子育てできなかった」「ひとり親よりふたり親より7人親みたいな環境にかなり助けられた」という経験から、2014年に母子家庭グループを結成しました。みんなで花火やバーベキューを楽しんだ時間が、「誰かと一緒ならやれる、自分が変われる」という実感につながったと言います。そして、「実家より実家」のような拠点をつくりたいという思いから活動が広がり、2020年、遂に「じじっか」をオープンさせます。

「自分一人で頑張るのが正義って思っていた当時の自分に、『一人じゃないんだよって言いたい』」と中村さんは語ります。今では、誰かの話を聞き、時には運営と利用者の間に立って調整する「みんなのお母さん」や「相談役」として、じじっかに来るこどもたちが、親以外の多様な価値観に触れられる環境づくりに情熱を注いでいます。

参加者の声

利用者のお母さん/5年前から利用)
「週末のご飯の心配をしなくていい。誰でもウェルカムで、一回関わったら排除しないというこのスタイルが素晴らしい。元々人嫌いだったけど、ここに来て人と接することが増えて、人の気持ちが分かるようになりました。体調も良くなったし、家計の見直しもできて、本当にここに来て余裕ができた。長女からも『ママがじじっかに来ていい方向に変わったね』って言われるようになりました」

(中学2年生の女の子)
「面倒見が良くなったって言われるのがすごく嬉しいです。普段はゲームしたり、勉強したりしていて、『わたしと僕の夢』の先生に英検も教えてもらっています。リリボンを編むのも楽しいです」

これからのこと

現在、家庭に居場所がないこどもが住むことができるシェアハウス※1の開設を進めています。高校生たちも参加するDIYワークショップを通じて、こどもたち自身が未来の居場所を手作りしています。

また、来年度にはじじっかの1階にミシン工房、草木染め工房、パソコン工房の3つの工房を設置し、「プラスアルファ就労」の場をさらに拡充する予定です。リリボンについては、企業のデザイナーと協力して商品化を進めており、活動の持続可能性も追求しています。

※1 未成年の方は親の同意が必要となります。

「こどもまんなか社会」に向けて

中村さんは、「こどもたちが『お金がないから無理』と諦めるのではなく、『どうすればできるか』を一緒に考えられる場所でありたいと思います」と語ります。

希望を持てない環境で育つこどもたちが、自分を責めることなく、親以外の価値観に触れる機会を得ることで、未来は大きく変わると信じています。

一般社団法人umau.

(取材日:2025年6月28日)

こどもの“やってみたい”を応援する――地域で育つこどもたちの遊ぶ環境を守る

具体的な活動内容

「子ども支援ネットワーク With Wind」は、「まちじゅうを子どもの遊び場に」という理念のもと、2012年からプレーパーク活動を本格的に開始し、現在も地域に根差した活動を継続しています。
令和6年度も、プレーパークを年間183日実施し、3900人以上のこどもたちが参加しました。

毎週2~3日開催している「子どもプレーパーク」のほかにも、「学校プレーパーク」や「放課後プレーパーク」、「出張プレーパーク」、中高生の居場所「Risus Munakata!(リーゾスむなかた!)」など、多様な拠点を展開し、地域に少しずつ、こどもたちが安心して過ごせる土壌を広げています。

また、福岡県内で外遊びの環境を豊かにしていくため、「福岡プレーパーク連絡協議会」を仲間と共に立ち上げ事務局を担当しています。外遊びの重要性を啓発する活動や、県内各地の団体がつながり、知識や経験を情報共有するネットワークを築いています。「福岡県の60市町村それぞれに、1つずつプレーパークがあったらいいですね」と藤原さんは語っています。

取材当日は、With Windの総会が青空の下、芝生の上で開催されました。輪になって座るのは、これまで関わってきた大人、若者、そしてこどもたち。まず「こどもの声を聞こう!」の時間が設けられ、こどもたちは「こんな遊びがしたい」「もっとこうだったらいいな」と自由に発言し、大人たちは真剣に耳を傾けていました。With Windは、こうしたこどもの声を受け止める場づくりを日常的に大切にしています。

午後からはプレーパークが始まりました。ロープ、水、木材、絵具などを手にしたこどもたちは、興味のままに遊びに夢中になり、ときにムカデに大騒ぎする姿も見られました。途中、土砂降りの雨が降りましたが、こどもたちは足元の水たまりに落ち葉をかぶせて歩道を作ったり、濡れた素材を工夫して使ったりと、雨さえも「遊び」に変えていきました。

「こういう時こそ、わくわくする工夫ができるんです。大人の工夫もこどもたちは見ているんですよ」と、藤原さんは笑顔で語ります。

遊びと暮らしがつながる時間は、夕方まで穏やかに続きました。

活動の背景

代表の藤原浩美さんは、かつて看護師として小児病棟で勤務していました。あるとき、安静が必要にもかかわらず「遊びたい」と笑顔を見せるこどもと出会い、その姿に衝撃を受けたといいます。遊べたことで輝くような表情を見せるこどもたちに、「それが命を支えているのだと感じた」と語ります。病院という制約の中でも、こどもの“遊びたい”という本能は失われておらず、むしろそれが生きる力になっていることを実感した体験が、現在の活動の原点になっています。

その後、自身が母親となり、地域での子育てを通して「もっとつながりたい」「一人で抱えないでほしい」という思いが募り、1990年に仲間とともに子育て支援グループを立ち上げました。親同士が支え合える場づくりを進める中で、安心して自由に思いきり遊べる場所の少なさに課題を感じるようになりました。

こうした気づきから、2008年には「こどもの遊びに寄り添う場」として、プレーパークを本格的にスタートさせました。以来、行政や地域と連携しながら、こどもたちのための居場所を少しずつ広げてきました。藤原さんは、「こどもは“場所”があるだけでは安心できません。そばにいてくれる大人がどう関わるか。信じてくれる大人がいるからこそ、心を開いて遊べるのだと思います」と語っています。

With Windは、こどもが安心して自由に遊び、自ら考えて挑戦できる「余白」を地域の中に守り続け、遊びを通して育まれる「生きる力」を、まち全体で支える仕組みづくりも積極的に働きかけています。

参加者の声

(高校生/総会当日司会進行役)
「6年前からプレーパークに通っています。今はこうして関わる立場になっていて不思議な気持ちです。これからも“やってみたい”を応援できる場所であってほしいと思います」

(大学生/元利用者)
「小学生のときにここで思いっきり遊んだ経験が、今の自分の土台になっています。火や刃物、自然の中での遊びなど、普通なら制限されることも、ここでは信じて任せてもらえた。今は、次の世代のこどもたちを支える側に回りたいと思っています」

(保護者/30代)
「家ではつい“ダメ!”と言いがちだけど、ここでは“どうしたいの?”と聞いてくれる。こどもがのびのびしていて、私も学ばせてもらっています」

(参加した小学生)
「今日は絵の具をいっぱい使ってペタペタしたよ。家では服が汚れたら怒られるけど、ここでは怒られないからうれしい!」

(スタッフ)
「失敗しても大丈夫と思える雰囲気を作るのが、私たちの役割。自分もこどもの頃にこういう場があったらよかったなと思います」

これからのこと

With Windは今後、学校や地域との連携をさらに深めながら、より多くのこどもたちが安心して過ごせる居場所を広げていきます。特に、こどもの遊びに関わる大人を育てる「プレイワーカー」の育成にも力を入れていきます。また、自由にのびのびと自分らしくいられる環境の実現を目指しています。
公園や学校だけでなく、商店街や駅前、家庭の中にも「やってみたい」を受け止める空気が流れている――そんな社会を、少しずつ、けれど確実に目指しています。

「こどもまんなか社会」に向けて

「この社会を、よりよい形でこどもたちに手渡したい。そう思う大人が一人でも増えてほしい」と藤原さんは願っています。「こどもが「やってみたい」と言った時には、すぐに「ダメ」と止めず、「“大丈夫、やってみりぃ”と声をかけてほしい。こどもは、信じてくれる大人がそばにいるからこそ、安心して遊べるし、自分を出せるんだと思います」と語ってくれました。

子ども支援ネットワーク With Wind

(取材日:2025年6月26日)

未来の建設業界を担う人材育成!高校生の工事現場見学支援事業

具体的な活動内容

(一社)福岡県建設業協会が行うこの事業では、福岡県内の工業高校の生徒たちを対象に、トンネル工事、高層ビル建設、公共施設整備など、様々な工事現場への見学・体験を実施しています。現場を提供する建設会社は、安全管理を徹底した上で、通常の工事の進行に支障がないよう配慮しながら生徒たちを受け入れおり、この貴重な体験が実現しています。

見学では、現場で日々働く技術者や職人たちが自らの仕事に対する誇りと情熱を持って、建設の過程や技術的な側面について直接説明を行います。これは建設会社や職人さんたちにとっても、自分たちの仕事の価値を次世代に伝える貴重な機会となっています。

見学は単に現場を見るだけでなく、建設に携わる様々な職種の人々と交流し、将来のキャリアについて具体的なイメージを持つ機会にもなっています。現場の第一線で活躍する技術者の説明を通じて、高校生たちは建設業の魅力や、やりがい、そして社会的な意義を肌で感じることができます。

福岡県建設業協会は、工事現場の選定から安全管理、学校との調整、工事現場までの移動手段の補助まで全面的にコーディネートし、各建設会社と連携して高校生たちが安全かつ効果的に学べる環境を整え、受け入れる建設会社側も、将来の業界を担う人材育成という意識で、業務の合間を縫って丁寧な対応をしています。この取り組みは30年以上継続して行われており、県内の多くの工業系の高校生が参加してきました。

活動の背景

福岡県建設業協会の担当者は、「建設業界では若手の人材不足が深刻な課題となっています」と語ります。この活動は、高校生の実践教育を支援するとともに、建設業の本当の姿を若者に伝えるという二つの目的を持っています。特に工業高校の生徒たちにとっては、教科書や授業だけでは得ることができない生きた知識と経験を得る貴重な機会となっています。

また、少子高齢化が進む中、インフラ整備や災害復旧を担う建設業界の人材確保は喫緊の課題になっています。現場見学を通じて、若者たちが建設業の社会的意義や魅力を再認識し、進路選択の一助となることが期待されています。

協会は、「多くの若者が建設業に対するネガティブなイメージを払しょくし、実際の現場は創造性や技術力、チームワークが光る『給与よし・休暇あり・希望が持てて・かっこいい』魅力的な職場であることが少しでも伝わり、将来建設業で活躍する若者が増えてほしい」と考えています。

参加者の声

(1年生)
「現場見学では、事故や災害を起こさないことが最も重視されていると感じました。様々な安全対策から安全確保の大切さを学び、それが利用者の安全にも繋がると実感しました」(物流倉庫見学)

(2年生)
「分かりやすいスライドは、プレゼンの良い手本となり、専門性と伝える力を身につけたいと感じました」(ビル工事見学)

「初めてトンネル工事を見学し、その規模の大きさに圧倒されました。普通では見ることができないトンネルの内部を見学でき、貴重な体験になりました」(トンネル工事見学)

「若い人から年配者まで多様な人々が一丸となって働く姿を見て、その強い責任感と情熱に感銘を受けました。卒業後は必ず大工になるという決意を固めることができました」(市民ホール工事見学)

(同行した高校の先生)
「現場見学を通して生徒はもちろん、私自身実際の現場の動きを直接見ることができ、大変貴重な経験をさせていただきました」

多くの学生が、実際の現場を見ることで建設業に対する認識が大きく変わったと報告しています。

これからのこと

この取り組みは、高校生のキャリア教育支援だけでなく、地域社会の基盤を支える建設業の未来を担う人材育成という社会的使命を果たす重要な活動となっています。実際の現場で感じる「ものづくりの感動」や「チームで成し遂げる達成感」は、次世代の建設業界を担う若者たちの心に深く刻まれています。

福岡県建設業協会では、この現場見学支援事業を今後も積極的に継続し、より多くの高校生に建設業の魅力を伝える機会を提供していく予定です。「若者たちに建設業の本当の姿を見てもらい、この業界を志す人材が増えることを願っています」と協会担当者は話しています。

一般社団法人福岡県建設業協会ホームページ

(取材日:2024年11月29日)

小さな味覚体験が未来をつくる!園児のための食育事業

具体的な活動内容

JA全農ふくれんの食育活動では、季節ごとに旬の果物を通してこどもたちに様々な体験を提供しています。夏は「なし・ぶどう・いちじく」、秋は「柿・みかん」、冬は「キウイ」を味わい、特別企画として3月には「博多あまおう」を味わう「みつばち感謝の日」を実施しています。

「みつばち感謝の日」では、「いちごの王様あまおうとみつばちビー」という紙芝居を通して、いちごとみつばちの関係を学び、JAや農家の方から贈られた博多あまおうを試食します。令和5年度には、福岡県内48の幼稚園・保育所から約6,300人、令和6年度には約4,000人の園児がこの活動に参加しました。これまでの参加者は延べ約8万人を超え、福岡県のこどもたちにとって大切な食育の機会となっています。

夏・秋・冬に実施している食育プログラム「フルーツキッズレンジャーになろう!」では、こどもたちがフルーツキッズレンジャーになりきり、旬の果物の魅力や栄養について学びます。先生方がオリジナルの紙芝居を読み聞かせし、果物ができるまでの過程や栄養について伝えた後、JAや農家の方から提供された旬の果物を試食します。「フルーツキッズレンジャーになろう!」は、14年以上続き、これまでに延べ12万人以上の園児が参加しました。

活動の背景

JA全農ふくれんがこの活動を始めたきっかけは、現代社会におけるこどもたちの果物離れに課題を感じていたことでした。長年、果物の販売担当を務めている青柳さんは、「果物を一度も食べたことがないこどもが増え、20歳で初めて柿を口にする若者もいます。これは農家側の私たちにとっても深刻な問題です」と語ります。

青柳さんは、核家族化や食の外部化が進む中、こどもたちの味覚形成や食文化継承に危機感を抱いており、「幼少期の味覚体験は将来の食習慣の礎となります。農業従事者の高齢化も進む中、こどもたちに食と農のつながりを知ってほしい」と願っています。 さらに、「特に『みつばち感謝の日』では、いちごと自然環境の大切な関係を学ぶ貴重な機会を提供することができ、福岡県でしか生産していない『あまおう』に愛着を持ってくれることは嬉しいことです」と語ってくれました。

参加者の声

活動後のアンケートでは、年にもよりますが、約94%の園が「大変良い取り組みである」と評価し、約84%が「こどもたちに変化があった」と回答しています。

【いちごに関する変化】
「以前よりいちごが話題にあがるようになった」
「いちごの味についてよく尋ねるようになった」
などの変化が見られ、
「いちごに名前があることを知らなかったが、食べる時『それ、あまおうよね!』と言っていた」
「1歳児も『あまおうはすごい』『はちさんプーン』と言っていた」
など、小さなこどもたちにも強く印象に残りました。

【他の果実に関する変化】
「苦手だったこどもも、お友達と一緒に食べることができた」
「いちじくという果物を知った」
「季節の果物を食べることで季節感を味わえた」
という感想もありました。

特に印象的なのは、「果物を食べるだけではなく、育てる過程や生産者さんの存在に気づくことができる」という声です。こどもたちは果物がどのように育ち、誰によって作られているのかを学び、食と農業への感謝の気持ちを育んでいます。

これからのこと

14年間以上続くこの食育活動は、こどもたちが「生きる力」を育み、食と農業の大切さを理解し、故郷を愛する心を持つ人に成長してほしいという願いから始まりました。

「今後も『みつばち感謝の日』と『フルーツキッズレンジャーになろう!』を通じて、果物の魅力と農業の大切さを伝え続けます。こどもたちが福岡の特産品に興味を持ち、地域への愛着を深めることも大切にしています」と青柳さんは語ってくれました。

JA全農ふくれんホームページ

(取材日:2024年11月)

「みんなが集まれるコミュニティの場」~こども食堂から地域食堂へ~

具体的な活動内容

毎月第三土曜日の16時から開催される「キッチン小春ちゃん」では、偶数月のフードパントリーと奇数月の会食イベントを展開しています。夏休みなどの長期休暇中には、地域食堂も開催しています。さらに、学びを取り入れた特別企画も実施しており、香春町青少年育成町民会議と共催した「スーパー巻き寿司大会」では、こどもたちと地域の人々が一体となって長い巻き寿司を作り上げ、会場が大いに盛り上がったそうです。



取材当日は、「親子で楽しむマナー講座」と題し、創立メンバーの竹原裕美さんを講師に迎えて特別企画が開催されました。15時30分頃、会場の香春町地域福祉センター香泉荘には、調理スタッフ10名を含む約30名のボランティアが集結し、着々と準備を進めていきました。17時近くになると、親子連れや高齢者など約70名の参加者が来場しました。

「親子で楽しむマナー講座」では、カレーライス、豚の角煮、唐揚げ、デザートのケーキを味わいながら、食事の大切さと作法を学びました。竹原講師の「今日は特別な日。みんなで楽しく食事のマナーを学びましょう」という言葉に、こどもたちは目を輝かせて聞き入っていました。会場のあちこちでは、「皿を汚さないように食べるのは難しいね」「ケーキの包み紙、上手にはがせたよ」といった温かな親子の会話が弾みます。小さなこどもたちから大人まで、真剣な表情で挑戦する姿が微笑ましく、印象的でした。参加者は、帰り際、用意されたおみやげを笑顔で受け取り、「また来たい」という声を残して会場を後にしました。

こども食堂の運営は、こどもは無料、大人は任意の寄付制の参加費と、行政からの補助金、企業からの寄付で賄われ、地域に根差した温かな取り組みとして、着実に発展を続けています。

活動の背景

社会福祉協議会に寄せられる子育ての相談の深刻さに心を痛めた中山敏幸さんと元市役所職員の丸田宏幸さんは、「地域全体で子育てを支えたい」という強い思いから、7年前、教育関係者やスクールソーシャルワーカーなど、志を同じくする約10名と共に「キッチン小春ちゃん」を立ち上げました。

世界各国を飛び回った商社マン時代の経験から、地域のつながりの大切さを痛感していた中山代表は、「人口1万人を切る香春町だからこそ、地域の絆が何より大切です。生活環境が異なっても、ここに来るこどもたち全員が楽しく過ごせる場所にしたい」と熱い思いを語ります。

こども食堂として始まったこの取り組みは、今ではこどもから高齢者まで、誰もが気軽に立ち寄れる温かな地域の居場所として、着実に根付いています。

参加者の声

(参加したこども)
「楽しかった!お腹いっぱいになった」

「おみやげがうれしい!」

(保護者)
「友達に誘われて初めて参加しました。こんな豪華な食事でびっくりしました!マナーのお話がためになりました」

「保育園からチラシをもらって、来られる時は結構来ていますね。最初はパントリーでした。こどもも楽しみにしていますし、香泉荘で開催されているから参加しやすいです」

(調理ボランティア)
「月に1~2回参加していますが、楽しいですよ!」

(中山代表)
「地域の方から“なにか手伝いたい。ボランティアをしたいけど、チャンスがないからできない。だから、こういうチャンスがあれば手伝えるから嬉しい”という声をいただきます」

これからのこと

こども食堂としての活動に加え、高齢者も含めた「地域食堂」としての展開を始めています。中山代表は、「こどもだけじゃなくて、大人も集まる場所がなにかできないかな」という地域の声に応え、すでに地域食堂を3回開催。これからは、こどもも大人も気軽に集まれる第3の居場所づくりを目指し、防災をテーマにした企画なども検討しながら、世代を超えた交流の場として、さらなる発展を計画しています。

(取材日:2025年1月15日)

 地域と未来をつなぐ こどもたちの成長応援プロジェクト

具体的な活動

図書カード贈呈事業

飯塚信用金庫は、創立70周年から始まった図書カード贈呈事業を32年にわたり継続し、地域の読書環境の充実に貢献しています。この取り組みでは、飯塚市、嘉麻市、宮若市、桂川町のすべての公立学校と公立図書館に、累計1億円を超える図書カードを寄贈しています。生徒数に応じた額を各学校に配分し、図書館で活用できる仕組みを整えています。一部の図書館では「飯塚信用金庫蔵書紹介コーナー」が設置されるなど、こどもたちの読書環境の向上に寄与しています。この活動は『事業が続く限り継続したい』という信念のもと行われています。

飯塚信用金庫蔵書紹介コーナー

子育てに優しいローカウンター

飯塚信用金庫の各支店では、妊婦や子育て中の親子が安心して利用できる環境を整備するため、窓口にローカウンターを設置しています。立ったままでなく、座って手続きを進められる配慮がなされており、子育て層に寄り添ったサービスとなっています。

小・中学生のキャリア教育支援

飯塚信用金庫は、飯塚市と地域の学校、そして地元の企業と連携した職場体験型キャリア教育にも参加。小学5年生を対象とする「スチューデント・シティ」と、中学1年生を対象とする「ファイナンス・パーク」の授業で、仮想の街で金融業務を体験し、経済の仕組みを学べるプログラムを提供しています。飯塚信用金庫の職員がキャリア教育に関わっているのは9月から1月にかけて計15回に及びます。
この取り組みは、こどもたちが楽しみながら社会について学ぶ貴重な機会となっています。

活動の背景

活動の原点は「未来を支えるこどもたちのために地域が何をできるか」という問いから始まりました。飯塚信用金庫では、創立以来、地域社会と共に成長し、こどもたちへの教育支援や生活環境の向上に力を注いできました。特に、図書カード贈呈事業は「読書を通じてこどもたちの知識と可能性を広げてほしい」という思いが込められています。また、地域の学校と連携したキャリア教育やローカウンターの設置は、地域全体で子育てを支えたいという理念に基づくもの。これらの活動は特別なものではなく、飯塚信用金庫として日常的に続けてきた取り組みを発展させた形として継続されています。

参加者の声

キャリア教育に参加した学校からは、「生徒たちが金融業務を実際に体験することで、社会や経済について楽しく学べる機会となっている」との声が寄せられています。また、図書カード贈呈事業については、「こどもたちの学びを支える仕組みとしてありがたい」と学校や地域住民からの感謝の声が上がっています。

これからのこと

「これからも、地域のこどもたちが健やかに成長し、夢を描ける環境を整えるために、継続的に図書カード贈呈や職場体験などの活動を進めていきます。また、地域に寄り添ったサービスを充実させ、子育て世帯を支える取り組みをさらに発展させたい」と総務部の田中副部長は話します。

「こどもまんなか社会」に向けて

田中副部長は、「私たちは、こどもたちを地域の未来と考えています。これからも、地域全体でこどもたちの成長を支え、『こどもまんなか社会』の実現に向けて努力を続けます」と話してくれました。

 

飯塚信用金庫ホームページ
https://iishin.jp/freai/

(取材日:2024年10月7日)

こどもが創る、地域のつながり。こどもの台所プロジェクト

具体的な活動内容

「こどもの台所」の最大の特徴は、こどもたちが主体となり、料理体験を通じて自立性を育てることです。約10名の地域ボランティアと一緒に簡単な家庭料理を作りながら、食材の使い方や基本的な料理スキルを学びます。
取材の日は、クラウドファンディングの寄付によって提供されたはかた地鶏と県産米を使い、地域の特産品についても知識を深めました。こどもたちは年齢に応じて、おかず班、ごはん班、味噌汁班に分かれ、チキンのパン粉焼き、ナポリタン、味噌汁といったメニューを調理していきます。味噌汁はひとりずつ自分が好きな具材を入れ個性豊かな一品に仕上げ、お米もひとりずつ洗米し炊飯ジャーで炊きました。異なる学校から集まったこどもたちは、料理をする力を身につけるだけでなく、コミュニケーションをとりながら一緒に作り上げる体験をすることで、お互いを尊重する対人スキルも育まれていきます。
「こどもたちが家で安全に料理を作れるようになることこそ、私たちの支援の最終目標です。そのため、実際の家庭を想定し、5人前程度の料理を作る練習をしています」と代表の石田さん。「こどもの台所」ならではのこだわりが、活動の中に息づいています。

活動の背景

この活動の起点は、10年前の設立時に遡ります。「地域社会に住む大人たちとの交流が少ないこどもたちのために、食育を通じた育成の場を作りたい」という代表の石田恭子さんの熱い思いから、設立から2年後に「こどもの台所」をスタートさせます。石田さんは「大人が育てるだけではなく、こどもが大人を救う社会を作りたい、こどもたちが主体的に関わり、知識を共有する場を増やしたい」と話します。こどもたちの言動や行動をひとりの人間として認め、相互に救われるスタイルを大切にしたいと考えています。
石田さんの情熱は地域の農家や企業の心を動かし、寄付を受ける仕組みを作り上げています。そして、経済的な貧困に関わらず、「見えない貧困」に目を向ける活動の必要性を訴えています。

参加者の声

(調理したこども)
「自分の手で料理を作れたことは嬉しい体験でした」
「他のこどもと一緒に作業をするのが楽しかった」

(調理ボランティア)
「毎回、私たちも楽しみにしています」
「こどもたちは、料理が出来上がったときや配膳のときもよく動いてくれるんですよ」

(地域の人)
「めちゃめちゃ美味しいです」
「家でも料理や食事の支度を進んでやってくれるようになって助かっています」

これからのこと

「こどもの台所」とは別に、月1回、振る舞いに重点を置いた「おせっかい食堂」も運営している石田さん。「私たちのこども食堂だと1食分しか提供できないので、地域全体をこども食堂化する構想を描いています」と話します。地域の食堂が運営に参加するという大規模ネットワークの実現を目指し、現在、12店舗が参加予定です。要である資金を募り、地域食堂に分配される仕組みが制度化されるように動いていくそうです。

「こどもまんなか社会」に向けて

石田さんは、こどもまんなか社会では、こどもたちの行動や言動を認めることが大切だと考えています。「大人がこどもたちを一方的に支援するのではなく、こどもたち自身が大人を助ける機会を作ることで、自己肯定感も育まれ、結果として地域全体が支え合う強いコミュニティができるのでは」と話してくれました。

 

子育て応援隊にじいろ
インスタグラム
https://www.instagram.com/nijiiro.childcare/

ホームページ
https://www.2jiiro-7irolabo.com/

(取材日:2024年12月15日/更新:2025年3月5日)

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