具体的な活動内容
このワークショップ(トレーニング)は、福岡市にある九州産業大学造形短期大学部の教室で開催されました。こどもたちが教室に足を踏み入れると、巨大なドームが目に飛び込んできます。その迫力に目を輝かせながら、体験への期待で胸を躍らせていました。
活動を主催するのは、九州造形短期大学部の森下慎也先生と防災士としても活躍する福津市の古川隆邦さん、そして7名の学生たちです。森下先生は「防災訓練を楽しみながら実施することで避難所での生活に備えることができ、実際に避難した場合の心のゆとりに繋がる」と考え、「遊び」と「防災」を融合させ、こどもたちが自ら解決策を見つけられる力を育てたいとスタートしました。
防災とはなに?防災って楽しく取り組めるんだ!
学生による人形劇で「防災ってなに?」そんな問いかけから始まりました。災害時の“困った”をテーマに「なんでだろう?」「どうしたらいいかな?」という疑問を引き出し、古川さんのスライドを使ったクイズを交えた防災の話で理解を深めていきます。
その後、こどもたちは実際にダンボールを使ってモンスター制作に挑戦。「カベモンスター」「コップモンスター」「ツクエイスモンスター」など、問題を解決するモンスターを作ります。ラストは、巨大「プラネタリウムモンスター」の中で、星を輝かせる体験!
初めて出会ったこどもたち同士で考え力を合わせて作った、災害に立ち向かう「ヒーローモンスター」たち。アイディアと創造力が光る時間となりました。
参加者の声
(森下先生/主催者)
「ダンボールを使ったものづくりを通じて、楽しみながら防災を学ぶ姿を見ると、改めてこの活動の重要性を実感しました」
(参加した小学生)
「学校では自由に作ることがあまりないので、とても楽しかった!自分で作った椅子に座れた時、すごくうれしかったです」
(保護者)
「防災を学ぶだけでなく、創造性を引き出す工作の時間があり、こどもたちがいきいきと活動できて良かったです」
(大学生スタッフ)
「短い準備期間で不安もありましたが、こどもたちが笑顔で完成した作品を見せてくれた時、頑張ってよかったと思いました」
これからのこと
本プロジェクトは、次年度以降も継続実施を予定しています。より多くの地域や家庭に「楽しく学べる防災」を届けるため、活動の規模拡大も計画中。防災とアートを掛け合わせた新しい形の取り組みとして、さらなる可能性が期待されます。
「こどもまんなか社会」に向けて
「災害時、避難所での時間をどう過ごすか、手元にある材料でどのように工夫できるのかを考えることも重要です。この取り組みでは、こどもたちが自由にものづくりを楽しみながら防災を学び、困難な状況でも前向きに乗り越えられるスキルを身に付けることを目指しました」と語る森下先生。また、こどもたちが「防災」を「自分ごと」として認識する力と、工作でモノを作る時の「これがいいかな」「あれがいいかな」という思考と創造性を育む機会を大切にしたいと語ってくれました。
九州産業大学造形短期大学部ホームページ
https://www.zokei.kyusan-u.ac.jp/
(取材日:2024年11月23日)
具体的な活動内容
福岡県が推進する「子育て応援の店」でもある映画館「ユナイテッド・シネマ」。様々なこども・子育てに配慮した取り組みをしています。まず、「抱っこdeシネマ」は、赤ちゃん連れの保護者の方が気軽に映画を楽しめる場を提供するプログラムで、赤ちゃんに配慮して、音量を通常より小さく、館内の照明も少し明るくした環境で上映が行われます。座席は隣に荷物を置けるよう間隔を空けて座ることができます。また、来館者が希望する場合、当日の座席変更にも柔軟に対応しています。
さらに、子育てイベントの際に、特別チケットや招待券を提供するなど、地域の子育て世代を積極的にサポートしています。
活動の背景
ユナイテッド・シネマ トリアス久山の大谷支配人は、自身の子育て経験を通じて「親子で気軽に映画を楽しめる場を作りたい」という想いから、このプログラムを広く地域の人に呼び掛けてきました。その背景には、「特にこどもにとって映画館は、家庭空間ではなく、社会に触れる第一歩となる」という思いがあったからでした。
また、大谷支配人は福岡県が進める「子育て応援の店」事業に賛同し、会社の上層部に直接掛け合い、登録を実現。地域のこどもたちとその家族を支援するために尽力しています。
参加者の声
「音量が控えめで安心して楽しめた」「赤ちゃん連れでも周囲に気を遣わず映画を観ることができる」「こうした取り組みがもっと増えてほしい」など、多くのポジティブな声が寄せられています。また、映画館周辺のリピーターが多いことからも、子育て家族がこのプログラムを信頼し、満足して利用していることがうかがえます。
これからのこと
大谷支配人は「今後、さらに多くの子育て家庭に映画館を身近に感じてもらえるよう、料金の負担軽減や新たなプログラムの導入を検討できるよう会社に提案していきたい。また、福岡県の子育て応援事業と連携し、地域全体で子育てを支える仕組み作りを目指しています」と語ってくれました。
「こどもまんなか社会」に向けて
大谷支配人は「映画館は特別な体験を提供する場所です。親子で映画を楽しむことで、家族の思い出を作る素晴らしい時間を過ごしていただければと思います。この取り組みを通じて、地域の子育て世代に少しでも貢献できれば嬉しいです」と語ってくれました。
ユナイテッド・シネマトリアス久山 ホームページ
https://www.unitedcinemas.jp/hisayama/index.html
(取材日:2024年11月22日)
具体的な活動内容
「こども食堂みずほまち」は、2016年8月に設立され、福岡県下でも初期から活動している先駆的なこども食堂の一つです。このこども食堂は、西松建設の独身寮の、リビングと厨房を活動の拠点とし、毎月第二土曜日、月に1回、地域のこどもたちや家族に、毎回工夫を凝らした温かい食事と安心して過ごせる居場所を提供しています。
活動は、認定 NPO 法人チャイルドケアセンターと西松建設の社員を含む約20 名のボランティアにより、安定した運営ができています。
ふくおか筑紫フードバンクや地域の農家から届く野菜や米などの新鮮な食材を、ボランティアスタッフが賞味期限ごとに仕分け、西松建設から寄贈された冷蔵・冷凍設備や食材保管設備で適切に管理することで、食品ロス削減にも貢献しています。
取材当日は、料理が得意な地域の方々が朝9 時前から準備を始め、こどもたちのために心を込めた「三色丼」と「お吸い物」「コロッケ」を振る舞いました。
食事のあとは、こどもたちが高校生ボランティアと、ゲーム対戦や工作、塗り絵、絵本の読み聞かせなどを楽しみます。こどもたちのリクエストに応えて思いっきり遊び、世代を超えた交流の中で、こどももおとなも笑顔あふれる時間を過ごしていました。
活動の背景
「こども食堂みずほまち」の代表である大谷さん(認定NPO 法人チャイルドケアセンター代表理事)がこども食堂を始めたきっかけは、教育現場で目の当たりにしたこどもの貧困と孤独でした。「こどもの格差は深刻な社会問題」という強い思いに駆られ決断します。それが20 年前。まだ「こども食堂」という概念がなかった頃、大谷さんは地域の公民館を借りて、週1 回の無料食堂を立ち上げました。当初は小さな規模からのスタートでしたが、地元農家や有志の協力を得て、栄養バランスの取れた温かな食事を提供することができました。
活動を続ける中で、「困難な家庭のこどもだけの場所では意味がない。誰もが気軽に集えるこども食堂を作りたい」と地域全体がこどもたちを見守り、支える共生の場を目指すようになります。
そんな思いを知った、当時、西松建設九州支社副支社長だった松川さんが心を動かされて、会社に掛け合います。そして活動拠点となる寮や冷凍庫、食材保管庫の提供、そして電気代の支援を行い、今のこども食堂が実現しました。
参加者の声
(高校生ボランティア)
「小さな子と遊ぶのが楽しい」
(参加したこども)
「お兄ちゃんと対戦ゲームができて嬉しい」
(保護者)
「こどもも居心地が良いようで、食事した後もずっと遊んでいます。助かっています」
(「こども食堂みずほまち」代表 大谷さん)
「こども食堂には、こどもたちにとって当たり前に保障されるべき豊かなこども時代の姿があります。そして、こども食堂がその豊かなこどもの『居場所』として機能していることを感じています。地域や企業の皆さまのご協力のおかげで、8年間という長い間、活動を続けることができました。本当に感謝しています」
(西松建設の松川さん)
「CSR 活動を大切に、地域のこどもたちの未来を直接支えられることに参加するボランティアも喜んでいます。こどもたちの笑顔が私たちの活動の原動力です」
これからのこと
大谷さんは、「こども食堂は、単に食事を提供する場ではなく、こどもたちが安心して過ごせる『居場所』でありたいと考えています。これからもこどもたちの声をしっかりと取り入れ、彼らが主体的に関われる場づくりを目指していきます。また、西松建設様をはじめ、応援してくださる企業や団体・個人の皆さま、そして地域全体と支え合いながら、持続可能な居場所づくりに取り組んでいきたいと思います」と話してくれました。
「こどもまんなか社会」に向けて
大谷さんは、「こどもたちが自由に意見を述べられる場をつくり、地域全体でその成長をあたたかく見守り、支え合えるような居場所を守っていきたい」と語っています。
認定NPO法人チャイルドケアセンター
ホームページ
http://npo-ccc.net/
インスタグラム
https://www.instagram.com/child.care.center1
(取材日:2024年11月16日)
具体的な活動内容
「のびのび元気塾」は、野原、川、森など自然の中で展開される体験活動です。季節に応じたテーマを設定し、こどもたちが自由に遊び、探検や創作活動に取り組みます。
この日は、山歩きの日。小学生の頃から参加している5人の高校生と若者が大学生のボランティアと一緒に展望台を目指しました。肢体の不自由な参加者もいましたが、ボランティア大学生の支援もあり、全員約10キロを歩き通すことができました。
活動の特徴
こどもたちの想像力と挑戦を後押しする元気塾
現代社会では、こどもたちの自然体験の機会が減少しています。「のびのび元気塾」は、こうした課題に応えるため、障がいのあるこどもも、平等に参加できる場を目指しています。雨の日や寒い日こそ、自然環境に適応する力を育むチャンスと捉え、こどもたち自身から湧き出る「やりたい」という意欲を引き出しながら、それぞれのペースで挑戦できる環境を整えています。
参加者の様子や声
「のびのび元気塾」の活動に参加したこどもたちは、多くの成長と変化を見せています。例えば、中学生になるまで、2キロも歩けなかったこどもが、活動を続ける中で最終的に18キロも歩けるようになったり、初めは恥ずかしがっていたこどもが、仲間との交流を通じて少しずつ自信をつけ、自ら進んで活動に参加するようになったりしています。
ある保護者の方は、「うちの子がこんなに変わるなんて信じられませんでした。のびのび元気塾のおかげで、自分の力を信じ、前向きに挑戦する姿を見ることができて、本当に感謝しています」と話しています。
また、この日参加した高校生のひとりは、「10キロ歩くのはきつくないです。紅葉や福岡の街の景色も楽しめました。社会人になっても参加したいです」と語ってくれました。
大学生ボランティアのふたりは、毎週土日に開催しているこどもたちの体験活動にも参加しています。
(理学部のキーちゃん、ボランティア3年目)
「体験活動は本当に大事。兄と姉がいますが小さい子と関わりたくて小学生の活動にも参加しています。次へのバトンを繋いでいきたいです」
(教育学部のさきちゃん、ボランティア4年目)
「小学生と関わりたくて参加しています。初めて障がいのある若者と海へ行った時、どうして歩いてくれないかわからなかった。そこに、じゃんぼ(谷さん)が来て、『靴に石が入ってるんじゃないか』と言われたらその通り。見えていないことがたくさんあるんだと気づかされました」
これからのこと
自然の力で、こどもたちの未来を育てる
「この活動を通じて、こどもたちが自分の力に気づき、明るく前向きに生きていく力を身に付けてほしい」と体験活動協会FEA理事長 谷正之さんは語ります。自分のペースで成長し、未来への自信を持てるよう、自然の中でのびのびと成長する機会を提供し続けることを目指します。
「こどもまんなか社会」に向けて
谷さんは、「自然が最高の先生です。こどもたちは自然の中で、忍耐力、判断力、想像力、協調性といった『人間力』を育みます。障がいのあるこどもたちにも『できない』と決めつけず、それぞれのペースで挑戦できる環境を整え、見守ることが『こどもまんなか社会』では大切。小さな成功の積み重ねが、未来を切り開く自信を育むはずです」と語ってくれました。
体験活動協会 FEAホームページ
https://fea.fukuoka.jp/
(取材日:2024年10月3日)
具体的な活動内容
3回目となる今年のテーマは「こども」。生徒たちは実行委員会を中心に、近畿大学の学生と一緒にワークショップを重ね、トイレ設置にもチャレンジしましたが、自分たちの力ではどうしようもできない現実を目の当たりにして実現を断念。『それだったら、こども達が楽しいことをやろう!』と方向転換し、スタンプラリーや工作の企画、そしてステージが見えやすいように会場に板を置くアイディアを実践。当日は、飯塚市の本町・東町商店街を舞台に大々的に開催され、通路が人の頭で見えなくなるほど、数千人の来場者があり、こどもから大人まで賑やかな声がやまない一日になりました。
活動の背景
商店街はかつて宿場町として栄えた歴史的な背景もあり、地域との深いつながりを昔から大切にしてきた文化がありました。この学園祭はその歴史や文化を感じられ、しかも学校内の文化祭に留まらず、地域全体が関わることで、町全体を盛り上げたいという思いから実現した取り組みです。
参加者の声
(学園祭実行委員長の小田銀太さん/右)
「慣れない仕事や、プロジェクトを進める上で特に大学生や教授の先生と話すことも多く、それが大変でした。こどもたちが来てくれたことが一番うれしいです」
(学園祭実行副委員長の川端善太郎さん/左)
「しゃべること、企画することが苦手なので、みんなと協力して実現できたことが本当に良かったです」
(商店街の人の声)
「数十年ぶりに商店街が賑わい、人々が集まる様子を見て新しい可能性を感じた」
「準備段階では多くの困難もあったが、生徒や教員、地域住民が一体となったことで、大きな成果を得られた」
(親子で参加した人の声)
「こどもと大学生のお兄さんやお姉さんが一緒に遊んでくれて、とても喜んでいました」
これからのこと
飯塚高等学校の「街なか学園祭」は、地域と学校が一体となってこどもたちの未来を築くための重要な取り組みとして、今後も継続されていく予定です。嶋田先生は、「商工会議所や商店街、町内会など、地域の支援を受けながら、生徒たちが主体的に学び成長できる環境を整えることで、持続可能な地域社会の形成に寄与したいと考えています。それだけでなく、郷土愛を持った若い人材が育っているのが一番の宝かもしれません」と語ります。
また、「学園祭を通じて生徒たちが地域に貢献する姿勢を身に着けることができたのは大きな成果です。今後も地域の皆さんと協力しながら、さらに発展的な取り組みを進めていきたい」と意気込みを語ってくれました。
学校法人嶋田学園 飯塚高等学校ホームページ
https://iizuka.ed.jp/
(取材日:2024年10月2日)
具体的な活動内容
残暑が残る秋晴れの空の下、黄金色に輝く田んぼで、こどもたちの元気な声が響きます。この日は、九電送配とオイスカが共催する「米づくりプロジェクト」の第2回目。親子連れとオイスカの海外研修生が一緒になり、稲刈りに挑戦しました。
参加者たちは期待に胸を膨らませ、まず、オイスカの担当者から稲刈りの基本を学び、稲が乾燥・精米される過程の説明に耳を傾けます。バスで圃場に移動後、カマの使い方を習い、いよいよ稲刈り開始。大人もこどもも最初は戸惑いながらも、次第にコツを掴み楽しんでいました。「これほど手間をかけてお米が食卓に届くことを実感した」と感想を語る参加者もいました。
作業後はセンターに戻り、新米で炊いたごはんと味噌汁を味わいました。自分たちで握ったおにぎりを頬張り、お米本来の甘さと旨味に笑顔があふれます。さらに、昼食後にはオイスカ研修生による音楽の出し物や、自国で目指す仕事を語るプレゼンテーションも実施し、参加者はその熱意と異文化交流の意義深さに感銘を受け、農業の大切さに気づき、感謝の気持ちが芽生えた一日を過ごしました。
参加者の声
去年も参加したという親子は、「今年も稲刈りが楽しみで友達と一緒に来ました」「こどもたちが一生懸命稲を刈っている姿を見ると、普段の生活では得られない貴重な経験ができていると実感します」と笑顔で語ってくれました。
また、初めて参加した親子は、「手作業で稲を刈るのは思っていたよりも大変でしたが、こどもたちが真剣に取り組んでいる姿を見て、とても良い経験になったと思います。今日は家族でこの体験を思い出しながら、夕食を楽しむつもりです」と満足そうに話していました。
オイスカ西日本研修センターの廣瀬所長は、「今年は11カ国から研修生が参加し、国際的な交流も深まっています。農業を通して異文化との触れ合いも楽しんでほしい」と話し、参加者に国際的なつながりを意識してもらう機会にもなりました。
これからのこと
このプロジェクトは10年近く協働事業として取り組まれています。食と農業の大切さを直接感じることができる貴重なイベントとして、多くの参加者に感動を与えてきました。今後もこのような取り組みを継続し、次世代に食の大切さや自然との共生を伝える場として広げていく計画です。
九州電力送配電株式会社ホームページ
https://www.kyuden.co.jp/td_index.html
公益財団法人 オイスカ 西日本研修センターホームページ
https://oisca.org/nishinippon-tc/
(取材日:2024年9月28日)
活動の背景
UR香椎若葉団地では、少子高齢化が進行していく中で、ひとり暮らしの高齢者の増加など、地域のつながりが弱くなってきており、世代間のつながりを再構築していくことが課題となっていました。
こうした状況を受け、2014年に福岡女子大学、UR九州支社が包括協定を締結し、地域住民や自治会と連携できるようになり、大学生が団地に居住して地域での新しい活動を生み出すなど、様々な取り組みを3者で行ってきた延長上に、新しい取り組みとして『わかぼん』が実現しました。
具体的な活動内容
『わかぼん』の空間は、「本とアートでつながる」をテーマに、URと福岡女子大学の国際文理学部環境科学科の若竹雅宏先生とが協力して設計し、集会所の改修を行い、居心地の良い空間を実現しています。住民が快適に過ごせる「わかぼん」が誕生しました。
『わかぼん』には、住民やUR職員から寄贈された1,200冊以上の本が並び、継続的な本の受け入れ体制を作っています。また、イベントでは「団地の祭り」や「七夕飾りつくり」の他、多世代が交流できる機会をつくっており、ふらっと寄りたくなる場づくりを目指しています。
2024年9月28日に開催された「団地秋祭り『わかぼん』2周年記念行事」では、告知ポスター作りや、当日の設営、イベント発表、縁日までのすべてを、住民と大学生の手作りで実現しました。大勢のこどもや大人が『わかぼん』に訪れ、地域全体が活気に包まれました。
このようなイベントや活動を通じて、UR香椎若葉団地は、「住民同士が顔を合わせ、助け合う関係づくりやつながりを強くする」という目標に着実に近づいています。
参加者の声
(高木暢智自治会長)
「最初は集まる場が必要だと感じたのがきっかけでした。今では月に4回ほど開館し、こどもたちが集まり、宿題を持ってきて勉強する姿も見られます。『わかぼん』カフェの運営など、住民の生活を支える活動も積極的に行いたい。これからも、誰でも気軽に訪れ、自由に過ごせる場として発展させていきたいです」
(若竹雅宏先生/公立大学法人福岡女子大学 国際文理学部環境科学科)
「学生たちはフィールドワークを通じて社会とのつながりを学びました。こうした実体験が、彼らの成長にとって非常に有益な学びとなっています。また、地域の方々との対話や協力を通じて、持続可能なコミュニティづくりの難しさや重要性を深く理解することができたようです」
(URの中村直寿さん)
「このプロジェクトでは、住民、自治会、大学との密な連携が鍵でした。単なるインフラ提供ではなく、地域全体で持続可能な運営を目指す取り組みを今後も続けていきます」
(参加した学生)
「住民と協力して空間を設計することで、『わかぼん』がただの場所ではなく、人々がつながる空間になることを実感しました」
(春に就職した元学生主要メンバー)
「このプロジェクトに参加して一番良かったことは、住民や管理者の声を直接聞くことで、現実と理想の違いを理解できたことです。今後も多くの意見を反映しながら、コミュニティづくりに貢献したいと思います」
これからのこと
「今後、UR香椎若葉団地の『わかぼん』は、住民が自然に関わりたくなるような、こどもたちも積極的に参加し成長できる場づくりを目指し、住民主体の運営を進め、地域全体の文化・交流の拠点として、多世代がつながるよう育てていきたい」と自治会長は考えています。
(取材日:2024年9月26日)