2026.03.25
岡垣町通学合宿実行委員会(「夢の体験塾」実行委員会)
#体験型等こどもの育ち応援
- ■活動名
- 通学合宿「夢の体験塾」
- ■団体名
- 岡垣町青少年健全育成町民会議
岡垣町通学合宿実行委員会(「夢の体験塾」実行委員会)
- ■エリア
- 遠賀郡岡垣町
岡垣町で約30年続く通学合宿「夢の体験塾」は、小学4~6年生が宿泊施設で共同生活を送りながら学校へ通う体験活動です。こどもたちは親元を離れ、仲間と寝食をともにしながら4泊5日を過ごします。食事づくりや掃除、洗濯などの生活を自分たちで行い、地域の大人に見守られながら過ごします。家庭や学校では得られない生活体験を通して、こどもたちの自立心や協力する力を育てています。
具体的な活動内容
「夢の体験塾」は、岡垣町内の小学4〜6年生を対象とした通学合宿で、年に3回程度開催しています。参加者は1回あたり14〜15人ほどで、今年度は波津にある宿泊施設「若潮荘」で日曜日から木曜日までの4泊5日を過ごしました。こどもたちは異なる学校や学年の仲間と一緒に生活します。親元を離れ、共同生活を送りながら学校へ通うことが、この活動の特徴の一つです。
朝は早く起きて布団を片付け、掃除をし、ラジオ体操を行います。その後、朝食をとり、学校の準備をしてそれぞれの小学校へ登校します。放課後になると町のバスが各学校を回り、こどもたちを迎えに行き、若潮荘に戻るのは午後4時ごろになります。そこから、こどもたちが主体となって夕食づくりが始まります。調理班や掃除班などの役割に分かれ、班ごとに協力して食事の準備を進めます。料理に慣れていないこどもも多く、玉ねぎを切っては「目が痛い!」と洗面所に駆け込む子もいるそうです。しかし、自分たちで作った食事は格別で、みんなで食卓を囲む時間は合宿の醍醐味となっています。
生活の基本ルールは「自分のことは自分でする」です。洗濯は自分で洗濯機を回し、干して、たたみます。掃除や部屋の片づけ、学校の準備もすべて自分たちで行います。携帯電話やゲーム、漫画、お菓子などの持ち込みは一切禁止で、必要最低限の生活用品だけで過ごします。
また、自然に触れる体験も大切にしています。朝には宿舎の目の前に広がる波津海岸へ散歩に行き、海から昇る朝日を見ることもあります。最初は起きられなかったこどもたちも、最終日になると「朝日を見に行こう」と自分から起きてくるようになるそうです。
こうした体験を通して、こどもたちは仲間と協力することや、自分で生活することの大切さを少しずつ学んでいきます。




活動の背景
「夢の体験塾」は、平成9年(1997年)に、「地域のこどもは地域で育てる」という思いのもと始まりました。当時は宿泊施設がなく、テントでのキャンプからスタートしましたが、その後、宿泊施設が整備され、現在の形の通学合宿へと発展してきました。
現在、通学合宿(「夢の体験塾」)の活動は、実行委員会25名で運営されています。その事務局長であり塾長の石田初江さんは、家庭環境や社会の変化により、こどもたちが生活体験をする機会が減っていると感じているといいます。「最近は、生活がとても便利になり、家で料理や洗濯などの家事をしたことがない子も少なくありません。だからこそ、この合宿では洗濯や食事づくりなど、日常のことを自分たちでやる経験を大切にしています」と話しています。
「夢の体験塾」は、すぐにこどもが変わることを期待するのではなく、共同生活の中で仲間と協力しながら生活することで、自ら気づき、自分でできることを増やしていくことを目的として、約30年にわたり続けられています。
参加者の声
こどもたちの様子(関係者)
「最初は友達ができるか、親と離れて大丈夫かと不安そうな子が多いですが、最終日には『楽しかった』『また来たい』と笑顔で帰っていきます。」
「別れを惜しんで泣く子もいます。」
「夕食づくりが人気で、慣れない調理に苦戦しながらも、みんなで作ったご飯をおいしそうに食べています。」
運営スタッフ
「参加してすぐに劇的に変わるわけではありませんが、こどもたちの心の中に『やってみよう』という小さな芽が残ればいいと思っています」
これからのこと
「夢の体験塾」は、活動を支えるボランティアの高齢化や施設の老朽化などの課題もありますが、地域でこどもを育てる場としてこの活動を続けていくことが大切だと考えています。
今後は新しい場所や協力者を探しながら、次の世代へとつないでいきます。
「こどもまんなか社会」に向けて
こどもが主役となり、自分で考え行動する経験を大切にする活動が「夢の体験塾」ですが、地域の大人が見守りながら、こどもたちが挑戦できる環境をつくることが、こどもまんなか社会の実現につながると考えています。
(取材日:2026年2月3日)