2025.06.12
医療法人かん養生クリニック
#こども・子育て応援 #共働き・共育て

- ■活動名
- 子育て家庭に寄り添う職場環境づくり
- ■団体名
- 医療法人かん養生クリニック
- ■エリア
- 北九州市
福岡県の子育て応援宣言企業でもあるかん養生クリニックでは、職員が安心して働き続けられるよう、育児休業や看護等休暇制度の整備に加え、こどもの年齢に関係なく短時間勤務ができる制度を整え、緊急時の子連れ出勤にも対応するなど、柔軟な勤務体制や家族を巻き込んだ支援に取り組んでいます。
具体的な活動内容
柔軟な働き方の支援
かん養生クリニックでは、こどもの年齢にかかわらず、それぞれの家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を支援しています。たとえば、中学生になっても部活動の送り迎えや、思春期のこどもと向き合う時間を持ちたいという声にも応え、短時間勤務ができる制度を整えています。
また、「急にこどもを預けられなくなった」「配偶者が体調を崩した」といった状況にも対応できるよう、子連れ出勤も可能としています。釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、みんなが気持ちよく休めるようにするためには、職員の家族もクリニックの一員として関われる場をつくることが必要」と考えています。
家族とのつながりを大切に
職場と家庭の距離を近づける取り組みとして、家族連れで参加できる慰労会や忘年会を定期的に開催してきました。今はコロナ禍もあり一時中断していますが、「環境が整えばすぐにでも再開したい」と釜院長は考えています。
また、「職員のお子様(主に学生)が社会経験を積む機会として、法人内施設でのアルバイトも受け入れ、昼食にお弁当を無料提供するなど、家族全体へも配慮してきました。現在は、該当するお子様はいませんが、対象のお子様がいれば、いつでも受け入れたいと考えています」と語ってくれました。
心に寄り添うサポート
出産した職員には、院長のご夫人からベビー服のプレゼントが贈られています。言葉にしづらい感謝や応援の気持ちを、さりげない贈り物という形で届けており、その温かい心遣いが職員の安心感につながっています。
育児休業中の職員への支援
育休中の職員には、職場の様子が分からなくなって不安にならないように、定期的に連絡をとることで、職場とのつながりを保つようにしており、復帰する3か月前くらいには、職場復帰後の希望を確認して、どんな働き方がいいのかを話し合っています。
活動の背景
精神科の外来診療で、釜院長は育児に悩む保護者たちの声に多く接してきました。「診療内科・精神科の外来をやっていると、育児に悩む保護者がたくさん来きます。その多くが、『子育てを完璧にしなきゃいけない』『ちゃんとできない自分がダメだ』と思い込んで、自分を責めている」と釜院長は振り返ります。
こうした子育て世代の悩みに寄り添ってきた釜院長は、「こどもを育てる方法はひとつじゃないし、『できる範囲で、できることをやればいい』と思えた方が、親もこどもも幸せになれる」と考えています。この思いが根源にあり、職員一人ひとりの状況に合わせた、柔軟な職場環境づくりにつながっています。

参加者の声
(産休・育休利用者)
「職場にはもちろんですが、病児保育や保育園など周りの方々にたくさん助けてもらい子育てと仕事を両立できています。こどもが大きくなったので今度は支える側として、復職するまでをサポートし、微力ですが貢献したいと思います」
「職場には妊娠前から復帰後まで丁寧にサポートしていただきました。不妊治療をしていましたが、通院できるように、人員についての相談に乗ってもらったり、出産経験のあるスタッフからアドバイスをもらったりできました。復帰時も家庭事情や、働き方の希望を聞いていただき、働きやすいよう配慮していただいています」
「こどもまんなか社会」に向けて
釜院長は、「『仕事が忙しくて休みづらい』という空気をなくして、気持ちよく休める職場にしたい。そのためには、職員の家族にもクリニックの一員として関わってもらうことが大切だと思っています」と話してくれました。
(取材日:2025年2月13日)