2025.05.01
ドゥーラシッターふくおか
#こども・子育て応援 #共働き・共育て

- ■活動名
- 産前産後から小学生までサポートする家事・育児支援事業
- ■団体名
- ドゥーラシッターふくおか
- ■エリア
- 福岡市を中心に全国で活動
福岡県が推進する「子育て応援の店」でもあるドゥーラシッターふくおかは、子育て支援、母親のメンタルケア、家事サポートの三本柱で、包括的な支援を提供しています。単なるベビーシッターではなく、家事も一緒に行いながら母親の悩みに寄り添い、必要に応じて行政機関等との連携も行う、新しい形の子育て支援団体です。全国で養成講座を開催し、支援の輪を広げています。
※ドゥーラとは、ギリシャ語で「他の女性を支援する経験豊かな女性」を意味する言葉で、ドゥーラシッターとは、産前産後のサポート(家事・育児支援等)をする人のことです。
具体的な活動内容
「私たちがやっているのは、ただのベビーシッターではないんです」とドゥーラシッターふくおかを立ち上げた阿部さんは話します。産前産後はもちろん、働くお母さんの支援・小学生のサポートまで、子育て支援と家事支援を組み合わせた総合的な支援を提供しており、例えば料理を作りながら母親の悩みに耳を傾けるなど、様々な支援を同時に行います。
「結局、子育てと家事って切り離せないものなんです。ベビーシッターだけで『はい、赤ちゃん見ました、じゃあさようなら』では、お母さんの負担は減らないですよね」。そうした思いから、家事支援も含めた包括的なアプローチを取り入れています。
近年では、遠方に住むご両親からのプレゼントとして支援を依頼されるケースも増えているといいます。
特に今力を入れているのがドゥーラシッターの養成です。全国から受講生を集めて養成講座を開催し、現場での実践を教える「同行サポート」も取り入れ、支援者の育成に取り組んでいます。

活動の背景
「孤独なママに手を差し伸べたい」という思いで活動を始めた阿部さんの原点には、自身の経験がありました。28歳で夫を亡くし、3人のこどもを抱えながらの仕事と子育ての中、「余裕がなくて、気づいたらこどもに厳しく当たってしまっていた」という経験から、子育て支援の道を選びました。
「今の若いお母さんたちは、悩みを相談する場所が限られているんです。近所付き合いも少なくなっているし、実家に帰っても世代間のギャップに悩んでいる人が多い」と阿部さんは指摘します。
そうした中で阿部さんは、まずファミリーサポートに登録することから活動を始め、2020年、一般社団法人産後ドゥーラが発行する産後ドゥーラの資格を取得するため東京で学び、福岡で活動したのち独立し、個人で事業を立ち上げました。しかし、「一人では何もできない、より多くの支援者が必要だ」と感じ、養成講座を立ち上げるとともに、ドゥーラシッターの実践力を養うための「同行サポート」も始めました。
こうした取り組みの根底には、「お母さんが笑顔じゃないと、こどもも笑顔になれない」という信念があります。阿部さんは、母親に寄り添い、共に成長できる支援者を増やしていくことを目指しています。
参加者の声
(利用者)
「ただベビーシッターをするだけでなく、家事も一緒にやってくれて、さらに悩みまで聞いてもらえる。気持ちが本当に楽になりました」
(スタッフ)
「お母さんが笑顔になることで、こどもも自然と笑顔になっていく。その変化を見られることが何よりも嬉しいです」
これからのこと
「『一人では何もできない』という気づきから始まった支援の輪を、さらに広げていきたい」と阿部さんは話します。ドゥーラシッターの養成講座と実践的な同行サポートを通じて、母親に寄り添える支援者を育てていくことで、より多くの家庭に笑顔を届けていきたいと考えています。
「こどもまんなか社会」に向けて
「こどものためにできることをすることと同じように、お母さんを支えることが大事なんです。母親が安心して子育てできる環境をつくることが、結果としてこどもたちの幸せにつながっていく。そんな思いで、これからも活動を続けていきたい」と話してくれました。

ドゥーラシッターふくおかホームページ
https://www.instagram.com/doulasitter.fukuoka/
(取材日:2025年2月14日)