2025.03.26
九州電力株式会社
#こども・子育て応援 #共働き・共育て

- ■活動名
- 「いくQ-over 2 weeks-」男性育休取得推進に向けた取り組み
- ■団体名
- 九州電力株式会社
- ■エリア
- 九州
県の子育て応援宣言企業でもある九州電力は、育児を通じて家族の絆を深め、人間的な成長やタイムマネジメント力、新たな発想力の向上を目指し、男性の育児参画推進に取り組んでいます。具体的には、「いくQ-over 2 weeks-」をスローガンに、男性社員に2週間以上の育休(育児休職)(※)取得を推奨し、独自の父子手帳「PAPANOTE(ぱぱのて)」を活用した育休取得の後押しや、社長からのトップメッセージの発信等の取り組みを実施しています。
※育児休職:九州電力では、社内制度として、育児に専念するために、子が満2歳到達後の4月末まで休業できる「育児休職」制度を設けています。
具体的な取り組み内容
男性育休取得100%を達成
九州電力は、2022年4月から、男性育休取得推進の取り組みとして、「いくQ -over 2 weeks-」というスローガンを掲げ、男性社員が2週間以上育児休職を取得し、育児に専念することを推奨しています。このスローガンには、こどもが生まれた男性社員を職場の皆さんが心から祝福し、気兼ねなく育児休職を取得できる風土・文化を作りたい、そして「まずは2週間」、家庭や職場の状況次第ではそれ以上の取得を、職場全体で後押しして欲しいという思いが込められています。
これらを始めとする様々な取り組みにより、男性育休の取得実績は大きく向上しました。取り組み前の2021年度にはわずか8%だった取得率は、2022年度には80%まで上昇し、2023年度には目標としていた100%を達成しています。 また、2023年度の平均取得日数は30日に達し、約74%の社員が2週間以上の育児休職を取得しています。
「PAPANOTE」で育児を楽しむサポート
育児休職制度の内容やパパとしての心構え等を掲載した独自の父子手帳「PAPANOTE」が社員に好評を得ています。この手帳には、パパが育児に参画するメリットや妊娠カレンダー、社内外の手続き一覧などが記載され、男性育休の取得推進だけでなく、男性社員が育児に積極的に関わるための支援ツールとしても役立っています。パパとしての役割を改めて実感する機会となり、家庭でのコミュニケーションに寄与しているようです。



成功のカギ
キャリアの不安の解消
2024年10月、九州電力は育児休職制度の通称を「いく活」に決定しました。これは社員からの公募と投票を経て決定されたもので、育児休職を「自己成長につながる期間」として積極的に位置づけ直す取り組みとしています。
九州電力の社長は、「育休取得は決して『ブランク』ではなく、子育てという重要なプロジェクトに携わる貴重な機会であり、タイムマネジメント力や新たな発想力の向上につながる」と、様々な場で発信しています。制度の整備と併せて、経営トップ自らがメッセージを発信することで、全ての従業員が安心して仕事と育児を両立できる職場づくりを進めています。
トップからのメッセージ
こどもが生まれた社員に届く「ハローベビーカード」は、社長自らが誕生をお祝いするオリジナルのメッセージカードです。「従業員の喜びは会社の喜び」という思いを込めたこのカードは、新しい家族の誕生を祝福し、子育てへの決意を新たにする大切な贈り物となっています。

多様な制度と支援
管理職の改革意識と「孫育」休暇や「育サポ応援金」の導入
管理職向けに「いく活(育休)」の意義を伝える研修を実施し、制度への理解促進と部下とのコミュニケーション強化を図っています。さらに、祖父母向けの「孫育休暇」の新設や、育休取得者の業務をサポートする同僚への「育サポ応援金」制度の導入により、職場全体で支え合う風土づくりを推進しています。
育休取得者の声
いく活(育休)取得者からは「会社から『育休を取得してほしい』というメッセージを感じ、非常にポジティブに取得することができた」といった声や、「家族との絆の深化だけでなく人間的な成長にも繋がった」といった、「いく活」の価値を実感する声もありました。
これからのこと
九州電力人材活性化本部の中村さんは「仕事と家庭の両立支援を通じ、従業員の皆さんが活き活きと働くことができる環境づくりを行っていきたい」と語ります。さらに「多様な人材が働きやすく、成長・働きがいを感じ活躍できる環境づくりは、『ずっと先まで、明るくしたい。』という九電グループの思いの実現につながる取り組みです。これからも、この思いの実現に向けて取り組んでいきます。」と力強く話してくれました。
九州電力ホームページ
https://www.kyuden.co.jp
(取材日:2024年9月26日)